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キヤノン RF16-28mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.5 ボケ編

キヤノン「RF16-28mm F2.8 IS STM」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。手ごろな価格の大口径広角ズームとしては欠点が目立たない使いやすい描写。

本日のまとめ

16-28mm F2.8で得られるボケは大したことがないものの、背景のボケは質感が良く、使い勝手が良好。口径食の影響は大部分の撮影で軽微で、隅まで収差による雑然とした描写はありません。

28mmに関しては28-70mm F2.8 STMよりも良好。接写性能も良いので、ボケをフレームに入れる機会があれば積極的にF2.8を使っていきたいところ。

Although the bokeh you get with the 16-28mm F2.8 is nothing special, the bokeh of the background has good texture and is easy to use. The effect of vignetting is minimal in most shots, and there is no messy depiction due to aberration in the corners.

The 28mm is better than the 28-70mm F2.8 STM. The close-up performance is also good, so if you have the opportunity to include bokeh in the frame, you should actively use F2.8.

RF16-28mm F2.8 IS STMのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

縁どりが柔らかく、滲むようにボケています。残存する球面収差により、柔らかい描写となっているようです。

前ボケ

後ボケとは反対に、縁どりが硬い、雑然とした描写。個人的には好ましくないと考える描写ですが、広角ズームレンズで前ボケを重視する機会は少ない。過度に心配する問題ではありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

16mm

中央から広い範囲できちんとした玉ボケ。ただし、フレーム端や隅では口径食の影響があるのかボケが欠けています。F4まで絞ると解消しますが、ボケはかなり小さくなる。

玉ねぎボケの影響は軽微で、低価格の大口径ズームレンズながら良好な結果が得られています。

20mm

基本的には16mmと同じ傾向で、四隅の口径食は緩和しています。F4まで絞るとほぼ改善。

24mm

F2.8からフレーム全体でほぼ問題のない結果を得ることが出来ます。

28mm

24mmとよく似た傾向が続きます。

ボケ実写

16mm

玉ボケの結果と同じく、フレーム端や隅んで口径食が見られます。しかし、全体的な描写は(広角ズームレンズとして)良好。撮影距離が長くなっても、過度に雑然とした印象を受けません。

28mm

28mmの結果も悪くなく、「RF28-70mm F2.8 IS STM」の広角端よりも口径食が少なめ。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

16mm

大きな被写体を背景から分離できるレンズではありません。しかし、十分に近寄ることが出来れば、良好な結果を得ることが出来ます。

28mm

16mmと同じく特性。ボケを大きくする場合、バストアップか顔のクローズアップになると思います。

まとめ

16-28mm F2.8で得られるボケは大したことがないものの、背景のボケは質感が良く、使い勝手が良好。口径食の影響は大部分の撮影で軽微で、隅まで収差による雑然とした描写はありません。

28mmに関しては28-70mm F2.8 STMよりも良好。接写性能も良いので、ボケをフレームに入れる機会があれば積極的にF2.8を使っていきたいところ。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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