Digital Camera Worldが「VILTROX AF 35mm F1.2 LAB」のレビューを公開。優れたビルドクオリティと光学性能を備え、AFも上位クラスの水準と高く評価。さらにF1.2レンズとしては低価格で導入しやすいとのこと。
Digital Camera World:Viltrox AF 35mm f/1.2 Lab review
- 価格:999ドルで、シグマ35mm F1.2 DG DN(1,499ドル)やニコン Z 35mm f/1.2 S(2,797ドル)と比べて大幅に安価。VILTROX AF 135mm F1.8 LABに近い。
- 外観:フルサイズ対応の「Lab」シリーズ第2弾。金属製の鏡筒に加え、防塵防滴構造が施されており、プロ仕様の仕上がり。ファームウェア更新はBluetooth経由で行い、専用アプリを用いてスマートフォンからアップグレード可能。USB-Cポートも搭載しており、電源供給も行える。
- 構造:10群15枚の光学設計。フレアやゴーストを抑えるHDナノ多層コーティング、さらに前玉にはフッ素コーティングも施されている。OLEDカラー表示画面を搭載。金属製のマウント部には金メッキの電子接点があり、花形のバヨネット式レンズフードが付属する。
- 携帯性:サイズは約9×12cm、重量は約920gと大柄であるが、F1.2という大口径を考慮すれば妥当な設計。フィルター径は77mmと比較的控えめ。
- 操作性:クリック/デクリック切替可能な絞りリングを備え、静止画・動画の両方に対応。デュアルFnボタンにより、フォーカス位置を「A」「B」にプリセットし自動で切替が可能で、動画撮影時に有用。
- AF:デュアルVCMにより、大きなレンズ群を高速かつ静音で動かすことができる。静止画では十分に高速で、動画では滑らかかつ無音に近いフォーカス遷移を実現。オートフォーカス性能は非常に高く、上位クラスの水準にある。
- MF:記載なし
- 手ぶれ補正:記載なし
- 解像性能:開放からフレーム全体で非常に高いシャープネス。中間絞りではさらに向上し、F16では回折の影響でやや低下するものの、それ以外では極めて優秀な解像性能。
- 像面湾曲:記載なし
- ボケ:F1.2の絞りにより極めて浅い被写界深度を実現。ピントからボケへの推移は自然かつ美しい。11枚羽根の円形絞りにより、玉ボケも柔らかく円形を保ち、質の高いボケ描写が得られる。
- 軸上色収差:非常に少なく、優れた補正がなされている。
- 倍率色収差:ごくわずかで、周辺部まで均一な補正。
- 球面収差:記載なし
- 歪曲収差:わずかに糸巻き型の歪曲が見られるが、実写では気にならず、カメラ内補正で対応可能。
- 周辺減光:記載なし
- コマ収差:記載なし
- 逆光耐性:記載なし
- 光条:記載なし
- 作例集:リサイズのみ。
- 総評:F1.2という非常に明るい絞り値、堅牢なビルドクオリティ、操作性の高さを兼ね備え、価格に見合った高性能レンズ。35mm単焦点としては重量があるが、それも性能に起因する。総じて、非常に優れた成果をもたらす最高クラスのレンズである。
- 競合について:シグマ35mm F1.2 DG DN ArtやニコンZ 35mm F1.2 Sなどが競合であるが、Viltroxはこれらに比べ大幅に安価である。
- 備考:
2025年4月に登場したVILTROX製のF1.2 AFレンズ。VILTROXの初のF1.2 AFレンズを実現しつつ、最高級ライン「LAB」シリーズとして、優れた光学性能を両立。さらに防塵防滴仕様やHyperVCM駆動のAFなど、ソニーやシグマなどの国内製品と渡り合うことが出来るスペックとなっています。
販売価格はそれなりに高価で、VILTROX製品としては高めの部類。しかし、F1.2レンズとしては適度な値付けで高すぎることはありません。シグマ「35mm F1.2 DG DN」と同程度。
Digital Camera WorldのレビューではF1.2から非常に良好なパフォーマンスを発揮するレンズのようです。性能が低下しやすい近距離でも優れた結果が得られている模様。さらに、超大口径ながら色収差を適切に補正しているのは凄いですね。特徴であるF1.2を使いやすくなっています。
また、日本国内と比べるとシグマ「35mm F1.2 DG DN」との価格差が大きく、VILTROXを選ぶメリットの一つとなっている模様。国内代理店経由は価格差が小さいので悩ましいところ。
VILTROX AF 35mm F1.2 LAB 最新情報まとめ
- リリース:2025.4.16
- 販売価格:169,200円
レンズの仕様
発売日 | 2025.4.16 |
初値 | 169,200円 |
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 35mm |
レンズ構成 | 10群15枚 EDレンズ5枚 高屈折率レンズ3枚 非球面レンズ2枚 |
開放絞り | F1.2 |
最小絞り | F16 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.34m |
最大撮影倍率 | 不明 |
フィルター径 | Φ77mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | 不明 |
サイズ | Φ89.2mm×121.8mm |
重量 | 約920g |
防塵防滴 | 対応 |
AF | HyperVCM |
絞りリング | あり (クリック切替対応) |
その他のコントロール | AF/MF Fn1/Fn2 |
付属品 | レンズキャップ リアキャップ フ-ド 収納袋 |
関連レンズ
- NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
- Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
- FE 35mm F1.4 GM
- 35mm F1.2 DG DN
- 35mm F1.4 DG DN
- AF 35mm F1.4 FE II
- AF 35mm F1.4 FE
関連記事
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB ボケ描写の観点からシグマよりも良好 2025年4月19日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB 優れた性能を備えた最高クラスのレンズ 2025年4月18日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.3 解像チャート編 2025年4月17日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB は非常にシャープで滑らかなボケ 2025年4月17日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB 最新情報まとめ 2025年4月17日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.2 遠景解像編 2025年4月15日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編 2025年4月13日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB E-mount 予約販売開始 2025年4月10日
- VILTROXが「AF 35mm F1.2 LAB」ソニーEマウントを4月16日に正式発表と予告 2025年4月9日
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB Sony E と Nikon Z がCP+で発表される? 2025年2月5日