Dustin Abbottがソニー「FE 100mm F2.8 Macro GM OSS」のレビューを公開。玉ボケの口径食が強いと指摘しつつも、他はほぼ全ての点でトップクラスと高く評価。最高のマクロレンズと言及。
Dustin Abbott:Sony FE 100mm F2.8 Macro GM OSS Review
- 外観:一目で高品質な光学機器であることが分かる外観。重要な操作部が多数搭載され、実用性が高い。フィルター径は67mmで、他の多くのレンズと共通する標準的なサイズ。付属品として、しっかりしたパッド入りナイロンケースと、前面がゴム製で浅めのレンズフードが同梱。フードは衝撃吸収性があり、レンズを立てる際の安定性も高い。
- 構造:防塵防滴性能は非常に高く、19箇所にシーリング。これほど多くのシーリングポイントを持つマクロレンズは珍しく、ソニーがG Masterとして差別化を図っていることが分かる。前面にはフッ素コーティングもあり、防湿性と耐指紋性を高めている。
- 携帯性:サイズは直径約8.1cm、長さ約14.8cm、重量は約646g。焦点距離や1.4倍の高倍率を備えながらも、この重量は優秀。テレコンバーター装着に備えてマウント部に余裕を持たせた設計となっているが、全体として携帯性は良好。
- 操作性:クリック切替絞りリング、3段階のフォーカスリミッター、OSSスイッチ、2つのFnボタンを搭載。全体として非常に完成度の高い操作系。
- AF:オートフォーカスは静かで滑らか、かつ極めて速く、マクロレンズとしては異例の完成度である。1.4倍テレコンバーター装着時でも精度を維持する。フォーカスブリージングは多少見られるが、マクロ用途では問題ない。これまでのマクロレンズの中でも最も洗練されたAF性能を持つ。
- MF:90mm Macro Gから引き継いだクラッチ式MF機構を採用し、リングを引くことで真のマニュアルフォーカスに移行できる。距離目盛とハードストップを備え、精度と再現性が高い。フォーカスリングは全域で均一なトルク感があり、マクロ域での操作精度が高い。回転角は約170°で、そのうち約140°が28〜62cmをカバーする。無限遠域では調整幅が狭く、わずかな回転でピントが大きく変化する点は注意が必要。
- 手ぶれ補正:競合レンズと異なり光学式手ぶれ補正を搭載している点が優位。
- 解像性能:極めて優秀であり、開放から高いシャープネスとコントラストを発揮する。F2.8〜F8では画質変化は小さく、被写界深度調整のための絞り操作が主目的となる。テレコンバーター装着時も解像力の低下は最小限で、全域で高解像を維持。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:開放では四隅の玉ボケがやや欠けて見え、F5.6まで絞ると形状が改善する。マクロ撮影では問題にならず、ポートレート撮影でも柔らかい背景描写が得られる。極端なボケはないが、全体として自然で美しいボケを描く。
- 軸上色収差:ほとんど見られず、優れた補正がなされている。
- 倍率色収差:電子補正を用いず光学設計のみでほぼ完全に抑制されている。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:実質的に歪みは見られない。1.4倍テレコンバーター装着時にわずかな樽型歪曲が発生するが、実用上問題ない。
- 周辺減光:軽微な減光があるが、多くの状況で補正なしでも目立たない。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:フレア耐性は良好で、強い光源下でもコントラストを維持。特殊条件下ではゴーストが発生することもあるが、実用上大きな問題ではない。
- 光条:記載なし。
- 作例集:多数掲載
- 総評:Eマウントには本格的な高級マクロが少なかったが、本レンズの登場で状況は一変した。テレコンバーター対応という独自性を持ち、最大倍率を1.4倍から最大2.8倍まで拡張可能。オートフォーカス撮影やブラケット撮影にも対応し、マクロ用途の柔軟性が極めて高い。価格は約1,498ドルと高価だが、性能・操作性・光学品質の全てでトップクラスに位置する。過去に多数のマクロレンズをレビューしてきたが「これが最高のマクロレンズ」である。
- 競合について:タムロン90mm F2.8やシグマ105mm F2.8などの優秀な競合があるが、いずれも手ぶれ補正やテレコン対応を欠くため、ソニー100mm GM Macroが最も高機能かつ高性能な選択肢である。
- 備考:
2025年11月発売のG Masterシリーズ初となるマクロレンズ。
FE 90mm F2.8 Macroの操作系を継承しつつ、絞りリングなどを追加。フォーカスはフローティング方式のXDリニアモーター駆動となり、(キヤノンRFと同じく)最大撮影倍率「×1.4」に対応。さらにミラーレス用のマクロレンズとしては珍しいテレコンバージョンレンズ対応を実現。
販売価格はやや高価ですが、「全部入り」の本格マクロレンズとしては適正価格に見えます。
(参考:ニコンやパナソニック、シグマ、タムロンよりも高く、キヤノンと同程度)
Dustin Abbottのレビューによると、F2.8の絞り開放からピークの解像性能を発揮。絞りによる改善の余地はなく、被写界深度の調整のみで利用することになると述べています。テレコンバージョンレンズ装着時はパフォーマンスが低下するものの、×1.4での画質低下は最小限に抑えられている模様。
歪曲収差や周辺減光の影響は少なく、色収差も高度に補正しているとのこと。全体的にトップクラスのパフォーマンスと言及していますが、玉ボケに口径食が目立つ点のみ指摘。このあたりはニコン「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」も同様であり、マクロレンズでは妥協すべきポイントなのかもしれません。
ソニー FE 100mm F2.8 Macro GM OSS 最新情報まとめ
- 発売日:2025年11月21日
- 予約開始日:2025年10月7日(火)10時
- 希望小売価格:オープン価格
- ソニーストア:199,500 円
- カメラのキタムラ:179,550円
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レンズの仕様
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 100mm |
レンズ構成 | 13群17枚 |
開放絞り | F2.8 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.26m |
最大撮影倍率 | ×1.4 |
フィルター径 | 67mm |
手振れ補正 | 搭載 |
テレコン | 対応 |
コーティング | Nano AR II フッ素 |
サイズ | φ81×148mm |
重量 | 646g |
防塵防滴 | 対応 |
AF | XDリニア×4 |
絞りリング | 搭載 IRIS LOCK対応 IRIS CLICK対応 |
その他のコントロール | AF/MF AFLボタン フォーカスリミッター フルタイムDMF OSSスイッチ |
関連レンズ
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