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電子ファインダーとドットサイト照準器の複合装置に関するキヤノンの特許出願

2022年2月8日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。照準器と電子ファインダーを切り替えることができる複合表示デバイスに関する技術のようですね。これはニッチながら需要がありそう。

概要

  • 【公開番号】特開2022-23783
  • 【発明の名称】表示装置および撮像装置
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
    【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
  • 特許文献1(オリンパス 特開2015-141296(P2015-141296A))
  • 【課題】照準器と電子ビューファインダとの切り替えが可能な小型の表示装置を提供する。
  • 【0002】
    従来、撮像装置を用いて鳥や飛行機などの遠方の動く被写体を撮影する際に、ドットサイトと呼ばれる照準器が広く用いられている。また、高倍率なレンズを備えた撮像装置では、安定した撮影を可能とするため、電子ビューファインダ等の表示装置が広く用いられている。特許文献1には、電子ビューファインダと照準器の両方を備えた撮像装置が開示されている。
  • 【0004】
    しかしながら、特許文献1に開示された撮像装置では、照準器の機能と電子ビューファインダの機能をそれぞれ別の表示装置を用いて実現しているため、撮像装置が大型化してしまう。
  • 【0006】
    本発明の一側面としての表示装置は、画像表示素子と、接眼部と、対物窓と、前記接眼部と前記対物窓との間に配置され、前記画像表示素子に表示された画像を前記接眼部へ導く反射光学素子とを有し、前記反射光学素子は、透過率を変更して第一の状態と第二の状態とを切り替え可能であり、前記第一の状態において、前記接眼部を介して、前記画像表示素子に表示された前記画像を視認可能であり、前記第二の状態において、前記接眼部を介して、前記対物窓からの像と前記画像表示素子に表示された像とが重畳された像を視認可能である。
  • 【0008】
    本発明によれば、照準器と電子ビューファインダとの切り替えが可能な小型の表示装置および撮像装置を提供することができる。

特許文献1で示されているのは照準器をカメラに内蔵したオリンパス「STYLUS SP-100EE」の元となった特許ですね。SP-100EEは世界初のドットサイト搭載モデルとして話題になったブリッジカメラです。ドットサイトは主に野鳥などのシーンで広い視野で被写体を目視しつつ、画角の狭い望遠レンズで撮影する時に重宝する機材です。ミラーレスが主流となった現在でも、ドットサイトの需要はそれなりにあるはず。(高画素化が進み、広い画角で撮影した後からクロップする手法で十分と言えば十分ですが)

今回のキヤノンの特許出願では「ドットサイト(照準器)」と「ファインダー」を一つにまとめることでコンパクトサイズの複合表示デバイスを目指しているように見えます。ハイブリッドファインダーと言えば富士フイルムの「X-Pro」シリーズがありますが、レンジファインダーと電子ファインダーの一体化を目指した富士フイルムとは目指すところが大きく異なっている模様。

ドットサイトの需要がニッチなので、これが実用化される可能性は低そう。カメラに内蔵するとなると、カメラそのものがニッチとなり、外付けにすると大型化しそう。とは言え、キヤノンが掲げる「フルラインナップ戦略」に、このようなアイディアも採用される日が来るかもしれませんね。ちなみに図面の「3」はフラッシュです。ファインダーやドットサイトではありません(複合表示デバイスは「8」)。

English translation

The patent shown in Document 1 is the original patent for the Olympus STYLUS SP-100EE, the world's first bridge camera equipped with a dot sight. Dot-sights are useful for wild birds when you need to take pictures with a telephoto lens with a narrow angle of view while keeping a wide field of view of the subject. Even today, when mirrorless cameras have become the mainstream, there is still a reasonable demand for dot sights. (Although with the advancement of high pixel density, the method of taking a picture with a wide angle of view and cropping it afterwards is sufficient.)

Canon's patent application seems to be aiming for a compact-sized combined display device by combining a "dot sight" and a "viewfinder" into one. Speaking of hybrid viewfinders, there is Fujifilm's "X-Pro" series, but it seems that their aim is very different from Fujifilm's aim of integrating rangefinder and electronic viewfinder.

Since the demand for dot sights is niche, it seems unlikely that this will be put to practical use. If it is built into the camera, the camera itself will become a niche, and if it is external, it will become larger. Nevertheless, there may come a day when this kind of idea will be adopted in Canon's "full lineup strategy". By the way, the "3" in the drawing is the flash. It is not the viewfinder or dot sight (the combined display device is "8").

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