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ソニー E PZ 10-20mm F4 G 徹底レビュー 完全版

このページではソニー「E PZ 10-20mm F4 G」のレビューを掲載しています。

E PZ 10-20mm F4 Gのレビュー一覧

管理人の評価

ポイント 評価 コメント
価格 高価だが適切
サイズ 驚くほど小型
重量 非常に軽量
操作性 詰め込み過ぎ
AF性能 高速・静粛・正確
解像性能 全体的に良好
ボケ 玉ボケが騒がしい
色収差 全体的に良好
歪曲収差 RAWは補正必須
コマ収差・非点収差 良好な補正状態
周辺減光 場合によって補正必須
逆光耐性 まずまず良好
満足度 携帯性抜群の高性能広角ズーム

評価:

新世代の広角ズーム

小型軽量・防塵防滴・インナーズーム・パワーズーム・豊富なコントロールを兼ね備えたF4広角ズームレンズだ。基本的には動画向けの作りだが、高い光学性能と優れたAFは静止画でも十分に活かすことが出来る。高機能・高性能であることを考えると価格は許容範囲内だが、サードパーティ製の大口径ズームレンズを併せて検討しておく必要がある。

被写体の適正

被写体 適正 備考
人物 ぼかすのは難しい
子供・動物 高速AFだがF4と暗い
風景 高解像を活かせる
星景・夜景 補正は良好だがF4
旅行 小型軽量で最適
マクロ 接写時も安定した性能
建築物 RAWの歪曲収差に注意

まえがき

概要
レンズの仕様
マウント E 最短撮影距離 20cm
フォーマット APS-C 最大撮影倍率 0.14倍
焦点距離 10-20mm フィルター径 62mm
レンズ構成 8群11枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F4 テレコン -
最小絞り F22 コーティング 不明
絞り羽根 7
サイズ・重量など
サイズ φ69.8×55.0mm 防塵防滴 配慮した設計
重量 178g AF リニア
その他 パワーズーム&インナーズーム・AFL
付属品

価格のチェック

E PZ 10-20mm F4 G
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

従来通りソニーらしいインターナショナルオレンジを基調としたカラーリングの箱だ。レンズが小さいので、外箱も非常に小さくなっている。最近のソニー製カメラは環境を考慮した紙製梱包材が多いものの、レンズは従来通りの梱包方法を採用している。

付属品はレンズフードと説明書・保証書のみ。レンズポーチやケースなどは付属していない。

外観

全体的にプラスチックパーツを多用しているが、しっかりとした作りで安っぽさは感じられない。頑丈で、防塵防滴仕様のGシリーズらしいレンズだ。小型軽量ながら豊富なコントロールを搭載しているのは注目に値する。ちなみに製造国は中国だ。

ハンズオン

サイズはφ69.8×55.0mm、重量は178gと小型軽量なレンズだ。これでズーム全域の開放絞りがF4であり、インナーズームを実現しているのだから驚きだ。前述したとおり外装にはプラスチックを多用しているが安っぽさは感じられない。軽量化のためと考えれば多少のプラスチック感は許容範囲内だ。

前玉・後玉

前玉周辺にはレンズ名やピント距離、フィルター径などが白字でプリントされている。このように反射しやすい色のプリントが前面にある場合、フィルター装着時に逆光シーンで反射して写りこまないか気になるところだ。レンズは防塵防滴だが、前玉にフッ素コーティングが施されている記載は見当たらない。もしも水滴や汚れの付着が想定されるのであれば、保護フィルターを装着しておいたほうがメンテナンスしやすい。対応するフィルター径は62mmだ。対応しているEマウントレンズはそこまで多くないので、買いそろえるのは難しい。保護フィルター以外はステップアップリングなどで対応するのも一つの手。

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レンズマウントは金属製で、4本のビスで固定されている。後玉は思っていたよりも小さく、内部反射の対策なのか大きなフレアカッターを搭載している。

フォーカスリング

レンズ先端には小さなフォーカスリングを搭載。手前のズームリングと隣接しているので、誤操作しやすく積極的に使いたいとは思わない。フォーカスリング操作時はズームリングがロックされると良かった。フォーカスリングはリニアレスポンスで、180度未満でピント全域を操作することが可能だ。

ズームリング・ズームスイッチ

フォーカスリングの手前には少し大きなズームリングを搭載している。一般的なズームレンズのようにメカニカルな構造ではなく、フォーカスリングと同じくバイワイヤでズームレンズを電子制御している。いわゆるパワーズームレンズだ。このため、ズームリングに焦点距離の表示がないものの、ライブビュー上に現時点での焦点距離が表示される。また、ズームリングにはハードストップは無い。電子制御ながらレスポンスはリニアで、90度未満でフルズームが可能だ。ゆっくり回転させるとメカニカルなズームリングのように操作することが出来る。ただし、素早く回転させると動作がワンテンポ遅れる。

ズーム速度を一定に保ちながらズーム操作したい場合はズームスイッチがおススメだ。ゆっくりズームしたい場合、スイッチを少し操作してフルズームに約10秒かかる程度の速度で操作可能だ。素早く移動する場合は2秒かからない程度だ。

スイッチなど

フォーカスリング・ズームリング/スイッチの他に、ソニーではお馴染みのAFLボタンやAF/MFスイッチを搭載している。AFLボタンは従来通りの感触だが、AF/MFスイッチはシグマ「Iシリーズ」のような垂直式を採用している。個人的に前後にスイッチをスライドするよりもわかりやすい。

装着例

手持ちのカメラにAPS-C Eマウントは存在しないが、6100万画素のα7R IVを使用することでAPS-Cクロップでも2600万画素での利用が可能だ。このレンズは光学手振れ補正を搭載していないので、ボディ内手振れ補正が一般的なα7シリーズで使用するメリットがある。小型軽量で、F2.5 G単焦点レンズのような感覚で携帯することができる。

AF・MF

フォーカススピード

このレンズのフォーカスレンズはリニアモーターで駆動する。フルサイズ用レンズで一般的なXDリニアモーターとは別物なのか不明。仮に別物だったとしても、実写では非常に良好なフォーカス速度を実現しており、特に不満は感じない。至近距離でのC-AF応答速度も非常に良好だ。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

10mmや15mmではフォーカスブリージングがほぼ皆無だ。素早いフォーカス操作でも目立つことはないだろう。比較して20mmは画角変化が少し大きくなるが、それでも最小限に抑えられている。一昔前の広角ズームレンズと比べると遥かに良好な結果だ。

精度

α7R IVとの組み合わせで、フォーカス精度に大きな問題は見られない。被写界深度が深いので誤検出しやすいと予想していたものの、心配は杞憂に終わった。

MF

前述したとおり、リニアレスポンスで程よいストロークの操作が可能だ。ただし、ズームリングを誤操作しやすく、積極的に使いたいとは思わない。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:ILCE-7RM4 APS-Cクロップ
  • 交換レンズ:E 10-20mm F4 G
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

10mm

絞り開放から全体的にピークの性能を発揮している。超広角ズームにおける広角端で、定型の解像力チャートを使ったテスト結果としては非常に良好だ。隅まで安定したパフォーマンスを発揮しており、絞っても大きな改善は見込めないが、逆に言えば絞る必要が無い。ピークの性能は回折の影響を受けるF8まで維持され、以降は急速に低下する。開放付近の性能が非常に良いので、回折による性能低下が目に付きやすい。

数値確認
中央 周辺部 四隅
F4.0 3656 3605 3094
F5.6 3813 3480 3100
F8.0 3701 3564 3198
F11 3141 3199 2870
F16 2644 2690 2379
F22 2000 1914 1656
実写確認

15mm

全体的な傾向は10mmと同じだ。絞り開放からピークの性能を発揮し、絞っても改善しないが、絞る必要も感じられない。やはりF8以降は回折の影響が強く現れるので、被写界深度が必要なければ小絞りは避けたほうが良いだろう。

数値確認
中央 周辺部 四隅
F4.0 3766 3428 3231
F5.6 3647 3681 3351
F8.0 3766 3377 3205
F11 3077 3185 2863
F16 2696 2515 2547
F22 2149 1858 1688
実写確認

20mm

広角・中間と比べると数値が少し乱れているものの、全体的な結果はほぼ同じだ。顕著なパフォーマンス低下は見られず、ズームレンズの望遠端の性能としては良好である。

数値確認
中央 周辺部 四隅
F4.0 3615 3697 2809
F5.6 3668 3200 3218
F8.0 3375 3621 2834
F11 3188 3273 3006
F16 2757 2774 2365
F22 2095 1954 1804
実写確認

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2022年6月24日
  • カメラ:α7R IV APS-C クロップ
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:Leofoto G4
  • 露出:絞り優先AE ISO 100
  • RAW:Lightroom Classic CCで現像
    ・シャープネスオフ
    ・歪曲収差は強制的に自動補正される

10mm

中央から隅まで、絞り開放のF4から良好な解像性能を発揮している。隅に向かって周辺減光こそ発生しているものの、シャープネスやコントラストに顕著な低下は無いように見える。10mm F4をカバーする非常にコンパクトな広角ズームとしては立派な性能だ。絞ると周辺減光は改善するものの、解像性能にこれと言った変化は見られない。F11以降は回折による顕著な画質低下が見られるので、被写界深度が必要無ければ絞り過ぎには注意しよう。

15mm

10mmと同じく、フレーム全域でとても均質な解像性能だ。周辺減光の影響は10mmよりも改善しており、F4からほとんど同じ画質が11まで続く。それ以降はやはり回折の影響が強くなるので避けるのがおススメだ。

30mm

望遠端となる30mmも中央から隅まで安定した高い解像性能を維持している。絞りによる変化はほとんど見られず、被写界深度が問題なければF4も十分に実用的だ。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレーム四隅に現れる色ずれを指す。絞り値による改善効果が小さいため、この問題を解決するにはカメラボディでのソフトウェア補正が必要。ただしボディ側の補正機能で比較的簡単に修正できるので、残存していたとして大問題となる可能性は低い。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向がある。

参考:Wikipedia 色収差

10mm

絞り開放付近で倍率色収差がいくらか残存しているが、特に目立つ色ずれではない。コントラストが強いシーンではより悪化する可能性はあるが、ソフトウェア補正で対処可能な影響に抑えられている。

15mm

10mmと比べると倍率色収差の影響は僅かで、無補正でも無視できる程度に抑えられている。絞るとほぼ完璧だ。

20mm

ソフトウェア補正無しでF4から完璧な補正状態だ。ケチのつけようがない結果である。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれを指す。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられる。簡単な後処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えて欲しいところだが、大口径レンズでは完璧に補正できていないことが多い。

軸上色収差を完璧に補正しているレンズはピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できる。

参考:Wikipedia 色収差

10mm

絞り開放から軸上色収差による影響は見られない。

15mm

10mmと同じく問題は皆無だ。

20mm

他のズームレンジと同じ問題は全くない。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。

描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滑らかなボケ描写を実現しているレンズも存在する。

実写で確認

基本的にニュートラルなボケ質だが、よく見ると後ボケが少し滑らかに見える。と言っても差は僅かで、同じ被写体でじっくり見比べないと判断がつかないような差である。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

ここで言う「口径食」とはレンズ口径がボケへ影響していることを指す。
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまったりする。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法が無い。しかし、絞ると羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じてF値を変化させる必要あり。

逆に口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが出来る。これは玉ボケに限った話ではなく、一般的な四隅のボケ描写の質感にも繋がる。口径食が強いと、ボケが小さく感じたり、場合によってはボケが荒れてしまう場合もある。
できれば口径食の小さいレンズが好ましいが、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要がある。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生する(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまう。

10mm

10mmで玉ボケを大きくすることは出来ない。さらに、いびつな口径食の影響があり、玉ボケの内側も決して滑らかな描写とは言えない。10mmで玉ボケが発生するくらいなら、いっそ絞ってパンフォーカスにしたいところだ。

15mm

10mmと比べると許容範囲内の描写に見えるが、それでも綺麗なボケからは程遠い。

20mm

15mmよりさらに改善するが、それでも内側の描写は荒々しく、口径食の影響も見られる。積極的に得たいと思うボケには見えない。

ボケ実写

10mm

玉ボケには少し騒がしさが見られるものの、広角レンズとしては滑らかなボケが得られる。

20mm 接写

広角側と比べると全体的に滑らかで綺麗に見える。周辺部でもボケ質の破綻は無く、扱いやすい描写だ。

20mm近距離

ボケが小さくなると少し騒がしい印象を受けるが、全体的にボケが小さくなるので悪目立ちはしない。目立つ場合は絞ると改善する可能性あり。

撮影距離

全高170cmの三脚でポートレートに見立てて、絞り開放を使って撮影した作例が以下の通りだ。

10mm

全身~上半身くらいまでの撮影距離では被写体を背景から浮かび上がらせることは難しい。バストアップか顔のクローズアップでなんとか背景がボケてくる程度だ。

20mm

20mmの場合は膝上くらいでボケはじめ、上半身をフレームに入れるくらいで背景から浮かび上がる。

球面収差

完璧な補正状態とは言えず、前後のボケ質に僅かな違いが見られる。10mm・20mmどちらも後ボケが比較的滑らかな描写で、前ボケには強い縁取りが発生している。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを指す。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。

10mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

ミラーレスの広角レンズらしく、歪曲収差の補正はソフトウェアに依存している。補正が無い状態では強めの樽型歪曲が残っているので、これを現像ソフトのプロファイルやカメラ内で補正する必要がある。残念ながら、Lightroomにはまだ補正用のプロファイルが存在しない。また、陣笠状の歪みを伴うので、手動で補正するのは難しい。

15mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

10mmと比べると遥かに穏やかな樽型歪曲だ。無補正でも目立たないが、直線をフレーム周辺に入れる場合は補正を適用しておきたい。

20mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

穏やかな糸巻き型で、大部分の撮影では歪みを感じないと思われる。ただし、直線をフレーム周辺に入れる場合は補正を適用しておきたい。

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

10mm

最短撮影距離

F4でやや強めの周辺減光が発生し、絞っても隅の光量落ちはしつこく残る。

無限遠

最短撮影距離と同じくF4で目立ち、絞っても完璧には解消しない。

15mm

最短撮影距離

10mmと比べると少し緩和するが、それでもF4では目立つ光量落ちが発生する。F8以降でほぼ無視できる程度に解消する。

無限遠

最短撮影距離と同じ傾向だ。

20mm

最短撮影距離

15mmと比べると光量落ちが強くなり、10mmに近い状態だ。やはり絞っても完璧には解消しない。

無限遠

最短撮影距離と同じく強めの光量落ちが発生する。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないことを指す。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要がある。

参考:Wikipedia コマ収差

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる。

10mm

コマ収差と言うよりは放射方向の非点収差が少し残っているように見える。コマ収差の問題はあまり無いように見える。F8付近まで絞ると非点収差を抑えることが可能だ。

15mm

10mmと比べると非点収差の影響が目立たなくなる。完璧ではないが、フレーム隅の端でも問題はほとんど無い。

20mm

15mmと同じく、絞り開放のF4から(完璧では無いが)良く抑えられているように見える。

逆光耐性・光条

10mm 中央

強い光源をフレーム中央付近で受けると、やや目立つフレアが部分的に発生する。これは絞ることで収束するが、解消することはない。回避するためには構図と光源の位置を調整するしかない。

10mm 隅

絞り開放付近ではまずまず良好にフレアを抑えているが、絞ると徐々にフレアが強くなる。このような状況はレアだと思うが、夜間のライトアップやライブイベントでは注意が必要だ。

20mm 中央

10mmと比べると影響は穏やかだ。少し目立つゴーストが発生しているものの、それ以外は特に問題と感じない。

20mm 隅

完璧とは言えないが、フレアとゴーストは良く抑えられている。絞っても極端に悪化することは無い。

qw

光条

シャープな光条はF11付近から。APS-Cでは回折の影響が始まるので、バランスを考慮するとF11~F16。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 防塵防滴のしっかりとした作り
  • 小型軽量
  • インナーズーム
  • パワーズーム
  • 高速AF
  • フォーカスブリージングが目立たない
  • ズーム全域で優れた解像性能
  • 穏やかな倍率色収差
  • 軸上色収差が皆無
  • 滑らかな後ボケ
  • コマ収差の補正状態
  • 実写では問題が少ない逆光耐性

ソフトウェア補正をうまく活用しつつ、高性能・高機能な小型軽量ズームに仕上がっている。解像性能は2600万画素クラスのセンサーであればズーム全域で良好な結果を得ることができ、これは近距離時も同様だ。

さらに防塵防滴仕様のため、悪天候・悪条件の撮影環境にも気兼ねなく持ち出すことが出来る。諸収差の補正状態も良好で、ソフトウェア補正が前提となっているカテゴリ以外は無視できる範囲内に抑えられている。

悪かったところ

ココに注意

  • フォーカス/ズームリングが隣り合わせ
  • 機械式ズームと比べると応答性が劣る
  • 光学手ぶれ補正なし
  • 玉ボケが騒がしくなりやすい
  • RAWの歪曲収差が非常に目立つ
  • RAWの周辺減光が非常に強い
  • 綺麗な光条が小絞りまで調整が必要

高機能だが、小さなレンズにコントロールを詰め込み過ぎている感は否めない。ズームリングとフォーカスリングが隣り合わせで誤操作しやすく、AF/MFスイッチは側面下部と使い辛い。

APS-C用のF4ズームレンズであり、低照度における動体を止める場合は高ISO感度が必須となる。優れた解像性能のレンズだが、高ISO感度で解像感が低下しては元も子もない。さらに光学手ぶれ補正を搭載しておらず、ボディ側でも対応していないカメラが多いのは残念だ。

総合評価

満足度は90点。
高性能・高機能の優れた広角ズームレンズだ。APS-C用のレンズとしては少し高いが、全体的なパフォーマンスを考えると決して高すぎるとは思わない。ズーム全域で良好な解像性能を発揮し、動画撮影に適したパワーズーム構造は非常に便利である。低照度や屋内に適したレンズとは言い難いが、それ以外であれば汎用性の高さが魅力となる。将来的にボディ内手ぶれ補正を搭載したAPS-C αの選択肢が増えると、より選びやすいレンズになると思う。

問題は同じ価格帯にサードパーティ製の大口径ズームレンズが存在すること。そして、明るい単焦点レンズの選択肢もいくつかある。手ぶれ補正に対応した古いF4ズームも要検討だ。

これら選択肢の中でソニー F4 Gが最も輝くのは、やはり「パワーズーム」であること。もしも滑らかなズーム操作やカメラ側・リモコン側でズーム操作をしたい場合は唯一無二の選択肢となる。さらに小型軽量で、妥協のない解像性能を利用したい場合は面白いレンズとなることだろう。

購入早見表

E PZ 10-20mm F4 G
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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