DPReviewがOMデジタル「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」のハンズオンを公開。レンズの操作性や質感、三脚リングやテレコンバージョンレンズとの互換性などに言及しています。
DPReview:Hands on with the OM System M. Zuiko 90mm F3.5 Macro
特徴
- MFTシステムのAFマクロの中では最も長い焦点距離だ。
- マニュアルフォーカスクラッチをスライドすると、ピント距離の目盛りだけでなく、そのポイントでの倍率も確認しながら操作することができる。
- 他のオリンパスレンズと同様、マニュアルフォーカスリングの両端にはハードストッパーが付いている。
- 残念なことに、パナソニックのボディではフォーカスクラッチでMFに切り替わらない。
(訳注:手持ちのLUMIXカメラでは動作を確認しています。どのカメラで動作しなかったのか不明。L-Fnボタンと勘違いしている可能性あり)- IP53の耐候性シーリングが施されているので、天候に左右されずに撮影が可能だ。
操作性とデザイン
- カメラ本体と接する基部が重く、フロントヘビーにならず、非常にバランスが良い。
- レンズの中程から左側にスイッチがあり、親指だけで非常に簡単に手が届き、操作することができる。
- スイッチを動かすと「カチッ」と音がして、フォーカスリミッターやISが変更されたことを物理的、聴覚的に確認できる。
- マニュアルフォーカスを瞬時に行うためのクラッチ構造を内蔵したフォーカスリングを搭載している。
- レンズは細身で、男性用の大きな手袋を着用しても手に馴染んで持ちやすく、鏡筒のほぼ3/4を手で包むことができた。
フォーカスリミッター・手振れ補正
- フォーカスリミッターはフルレンジ、0.25-0.5m、0.224mに対応したS-MACROを利用可能だ。
- レンズは独自の手ぶれ補正を搭載し、オリンパス/OMシステムのボディでは、シンクロISに対応し、ボディと連動して動作する。
- レンズ内に加速度センサーを搭載することで、マクロ撮影時のシフト動作の精度を向上させている。
使い心地
- OM-1にこのレンズを装着して数週間、街中で風景、ポートレート、極端なマクロ撮影したが、必要に応じてフォーカスリミッターを切り替えることで、AFが高速かつ正確だ。
- マクロ撮影でも、シンクロISのおかげで手持ち撮影でもシャープな結果が得られた。
- フォーカスクラッチは、このレンズのハイライトであり、我々はこれを楽しんだ。
- 木の枝の遮蔽物がある場合、光量の少ない場所などで、マニュアルフォーカスクラッチを操作してピントを合わせる必要がある。
- フォーカスリングは頑丈で手触りがよく、ファインダーから目を離さずに使えるシンプルなものだ。
三脚リング
- OMデジタルは公式にこの使用方法を推奨していないが、40-150mm F2.8 PROの三脚リングを外し、90mmに装着することが可能だ。
- 脱落防止がなく、三脚リングはレンズマウント端から、トグルスイッチ付近でカチッと音がするまでスライドして装着する。
テレコンバーター
- 既存のテレコンバーター二つに対応している。
- 1.4倍または2倍のテレコンバーターを装着すると、有効焦点距離は126mm(252mm相当)または180mm(360mm相当)になる。
- テレコンバーターによる有効口径のペナルティはあるものの、最大4倍のマクロ撮影が可能だ。
- 手持ちでのマクロ撮影は難しいが、三脚を使った撮影や野鳥撮影で、より被写体に近づくことができる。
- 1,500ドルは少々高いが、他ではなかなか真似のできない機能を備えている。
とのこと。
珍しい2倍(35mm判換算で言えば4倍)の撮影倍率に対応するマクロレンズですね。マイクロフォーサーズ用としては他の選択肢として「LAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APO」があるものの、AFに対応しているのはセンサーサイズが異なる他社を含めてこのレンズのみ。さらにテレコンバージョンレンズまで対応している興味深い仕様となっています。もちろん、マクロ領域での実効F値やテレコンバージョンレンズによるF値の増大を考慮すると、フラッシュやマクロライトの併用は必須と思われます。
私も発売日にこのレンズを入手しました。従来のPROレンズよりもプラスチッキーですが、サイズを考慮すると軽量。DPReviewが言及しているようにフロントヘビーではなく、確かにバランスの良いレンズです。フォーカスクラッチは便利ですが、2倍マクロのフォーカスリングとしてはストロークが短いので、微調整には不向きかもしれません(特に無限遠側は動作が荒い)。
手振れ補正は確かに良く効くので、LUMIX GM1のようにボディ内手ぶれ補正を搭載していないカメラでも手持ち撮影が可能。本格的なマクロ撮影まで可能とは言いませんが、多少のクローズアップなら耐えられそうです。
また、40-150mm F2.8 PROの三脚リングは思ったよりもしっかりと装着することが出来ます。ただし、脱落防止の構造が無いので、ノブを緩めたまま運用(手持ち撮影時)すると、不意に所定の位置から外れることがありました。過信は禁物です。
ミラーレス用のマクロレンズとしては珍しく、×1.4・×2.0のテレコンバージョンレンズに対応しています。マスターレンズの2倍マクロでも驚異的ですが、さらに2.8倍、4.0倍まで拡張が可能。ただし、開放F値が大きくなり、マクロ撮影時の実効F値は最大でF16まで上昇します。露出の維持が難しくなるので、状況によってはマクロフラッシュやマクロライトが必須です。
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO 最新情報まとめ
M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO | |||
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2023年2月24日 | 初値 | 166,320円 |
マウント | MFT | 最短撮影距離 | 0.224m |
フォーマット | 4/3 | 最大撮影倍率 | 2.0倍 |
焦点距離 | 90mm | フィルター径 | 62mm |
レンズ構成 | 13群18枚 | 手ぶれ補正 | 搭載 |
開放絞り | F2.8 | テレコン | 対応 |
最小絞り | F22 | コーティング | Zero |
絞り羽根 | 7枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ69.8×136mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 453g | AF | STM |
その他 | S Macro・AFリミッター・L-Fn | ||
付属品 | |||
レンズフード |
関連レンズ
- M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
- M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
- LUMIX G MACRO 30mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.
- LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.
- LAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APO
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