OM SYSTEM 90mm F3.5 Macro PROは計り知れない可能性を秘めた理想的なマクロレンズ

ePHOTOzineがOMデジタル「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」のレビューを公開。絞り値全域で隅まで高解像で、特に43フォーマットとしては絞った際の結果が良好とのこと。

2023年2月24日発売のマイクロフォーサーズ用マクロレンズ。換算180mmをカバーする焦点距離の長いマクロレンズであり、センサーサイズが異なる他社を見渡しても貴重な存在。さらにミラーレスシステムとしては珍しい2倍の撮影倍率に対応したAFマクロレンズで、テレコンバージョンレンズにも対応して最大4倍までAFが動作。フルサイズ判換算では4~8倍の驚異的なクローズアップ性能を備えています。さらにボディと協調補正が可能な光学手振れ補正やIP53対応の強力な防塵防滴仕様を備え、最新のPROシリーズレンズらしいスペック。マイクロフォーサーズの強みを活かしたレンズと言えますが、60mm F2.8 Macroの価格と比べると3~4倍となる非常に高価なマクロレンズ。価格に見合う光学性能なのか気になるところですが、ePHOTOzineによるレビューでは以下の通り。

ePHOTOzine：OM System M.Zuiko Digital ED 90mm F/3.5 Macro IS PRO Lens Review

外観：丸形レンズフード付属。テレコンバージョンレンズに対応。

構造：IP53の防塵防滴。フッ素コーティング。

携帯性：全長は長いがスリム。OMカメラとバランス良好。適度な重量。

操作性：クラッチ対応MFリング。リミッター、ISスイッチ搭載。

マクロ：1~2倍マクロはS-MACROモードで有効。

AF：高速かつ正確で静かに動作。

MF：リングを手前にスライドするとハードストップのある操作。

手ぶれ補正：効果的でマクロ撮影にも効き目が見られる。

解像性能：F3.5から中央と端は共にExcellent。F16でもVery good。小型フォーマット用のレンズとしては絞った際の結果が特に優れている。

像面湾曲：記載なし。

ボケ：心地よく滑らかな描写。

軸上色収差：きちんと補正されている。

倍率色収差：きちんと補正されている。

球面収差：記載なし。

歪曲収差：わずか-0.12％の樽型。ほぼ直線。

周辺減光：F3.5-4で僅かな減光。以降はほぼゼロ。

コマ収差：記載なし。

逆光耐性：良好。ゴーストを発生させるのが難しい。

光条：記載なし。

総評：素晴らしい性能と操作性。計り知れない可能性を秘めた理想的なマクロレンズ。エディターズチョイスに相応しい高性能。

競合について：個性的で貴重な望遠マクロレンズ。

備考：OM-1を使用

とのこと。
隅から隅までF3.5から優れた光学性能のレンズに仕上がっているようです。Lenstipはピーク解像性能が伸び悩んでいることを指摘していましたが、ePHOTOzineやAmateur Photographerはこれと言って弱点のないマクロレンズと評価しているようです。欠点となるのは販売価格である模様。確かにマイクロフォーサーズ用レンズとしては非常に高価であり、APS-Cやフルサイズの100mm F2.8 マクロと同等かそれ以上の価格設定。撮影倍率の高い望遠マクロレンズが必要なければ60mm F2.8や40-150mm F2.8+MC-20で十分と言えるかもしれません。それでも長焦点のワーキングディスタンスや、2倍のAF望遠マクロが魅力的と感じたら、清水の舞台から飛び降りるしかなさそう。

私も発売日に入手し、OM-1と組み合わせて使用しています。ハイレゾショットを使用した際の印象はLentipと同じ（ピークの性能はイマイチ）ですが、通常の2000万画素であれば何の問題もなくF3.5から利用することができる可能性なレンズに仕上がっています。F11くらいまでは快適に利用でき、F16もややソフトですが許容範囲内。諸収差や逆光耐性のパフォーマンスも良好と感じています。悩ましいのは60mm F2.8 Macroの存在でしょうか。

60mm F2.8 Macroも高性能なレンズであり、手ごろな価格で小型軽量。正直に言えば60mm F2.8で大部分のマクロ撮影は満足のいく結果が得られると思います。どうしても長いワーキングディスタンスや2倍以上の撮影倍率が必要であれば90mm F3.5 Macroを検討するのがおススメです。

OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO 最新情報まとめ

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
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レンズの仕様

レンズの仕様
発売日	2023年2月24日	初値	166,320円
マウント	MFT	最短撮影距離	0.224m
フォーマット	4/3	最大撮影倍率	2.0倍
焦点距離	90mm	フィルター径	62mm
レンズ構成	13群18枚	手ぶれ補正	搭載
開放絞り	F2.8	テレコン	対応
最小絞り	F22	コーティング	Zero
絞り羽根	7枚
サイズ・重量など
サイズ	φ69.8×136mm	防塵防滴	対応
重量	453g	AF	STM
その他	S Macro・AFリミッター・L-Fn
付属品
レンズフード