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キヤノンの小型化と高性能を両立する「800mm F5.6 IS」「1000mm F8 IS」「1200mm F8 IS」光学系の特許出願

2023年8月3日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「RF800mm F5.6 L IS USM」「RF1200mm F8 L IS USM」を想定したような実施例に加え、「1000mm F8 IS」のような実施例も含まれています。

概要

  • 【公開番号】P2023107573
  • 【公開日】2023-08-03
  • 【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
  • 【出願日】2022-01-24
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】 小型かつ軽量でありながら諸収差が良好に補正された光学系及びそれを有する撮像装置を提供すること。
  • 【背景技術】
    【0002】
    撮像装置に用いられる望遠型の光学系は、焦点距離が長くかつFナンバーが小さい(大口径である)ことが求められている。特許文献1及び2には、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正又は負の屈折力の第2レンズ群、正又は負の屈折力の第3レンズ群から成り、フォーカシングに際して第2レンズ群が移動する光学系が開示されている。
  • 【0004】
    ここで、望遠型の光学系は小型かつ軽量でありながら色収差や球面収差等の諸収差が良好に補正されたものであることも要望されている。しかしながら、望遠型の光学系を大口径化しようとすると、特に物体側に配置されたレンズの有効径が大きくなるため、全系の小型化及び軽量化が難しくなる。そのため、上述した要望を実現するためには、光学系を構成する各レンズ群の光学的配置や、各レンズ群を構成する各レンズの屈折力や配置等を適切に設定することが重要である。
  • 【0005】
    本発明の目的は、小型かつ軽量でありながら諸収差が良好に補正された光学系及びそれを有する撮像装置を提供することである。

実施例1

  • 焦点距離:820.00
  • F値:5.90
  • 半画角:1.51
  • 像高:21.64
  • 全長:437.08
  • バックフォーカス:88.12

実施例2

  • 焦点距離:1180.10
  • F値:8.00
  • 半画角:1.05
  • 像高:21.64
  • 全長:550.00
  • バックフォーカス:140.36

実施例3

  • 焦点距離:1000.0
  • F値:8.00
  • 半画角:1.24
  • 像高:21.64
  • 全長:477.48
  • バックフォーカス:115.01

長焦点の超望遠レンズに関する光学系のようですね。パラメータやレンズ構成は「RF800mm F5.6 L IS USM」「RF1200mm F8 L IS USM」用に見えますが、完全には一致していません。とは言え、手振れ補正ユニットの位置は一致。

実際に登場したレンズは、それぞれ「RF400mm F2.8 L IS USM」「RF600mm F4 L IS USM」に2倍テレコンバージョンレンズを内蔵したような構成で、焦点距離を考慮すると小型軽量化を実現(賛否両論ありますが…)。この特許でも小型軽量化と諸収差の補正を両立する光学系を目指している模様。そして、実際に特許出願でこのようなレンズ構成(テレコン固定の超望遠)を見るのは初めてかもしれません。

実施例3は商品化されていない「1000mm F8」を想定したような光学系。既に800mm F5.6と1000mm F8がラインアップされていることを考えると、1000mm F8が登場する可能性は低いと思われます。

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