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キヤノン ズーム全域・フォーカス全域で高い光学性能の100-300mm F2.8光学系の特許出願

2023年8月24日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「RF100-300mm F2.8 L IS USM」用と思われる実施例が掲載されています。

概要

  • 【公開番号】P2023117937
  • 【公開日】2023-08-24
  • 【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置、撮像システム
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】全ズーム範囲及び全物体距離で高い光学性能を有し、軽量なズームレンズを提供すること。
  • 【背景技術】
    【0002】
    近年、撮像装置に用いられるズームレンズは、無限遠距離から最至近距離までの全物体距離において高い光学性能を有しつつ、フォーカシング時の静音化を求められている。これらの要求に応えるために、2つのレンズ群を異なる軌跡で移動させることでフォーカシングを行うズームレンズが提案されている(特許文献1,2参照)。
  • 【0004】
    焦点距離が長く、Fナンバーが小さい大口径望遠ズームレンズでは、フォーカス群を絞り近傍や絞りより物体側に配置した場合、フォーカス群のレンズ径が大きくなり、軽量化が困難となる。その結果、フォーカス群駆動用のアクチュエーターへの負荷が大きくなり、静音かつ高速にフォーカシングを行うことが困難となる。フォーカス群を軽量化するためにはフォーカス群の配置や前後のレンズ群の屈折力を適切に設定することが重要となる。
  • 【0005】
    本発明は、全ズーム範囲及び全物体距離で高い光学性能を有し、軽量なズームレンズを提供することを目的とする。

実施例1

  • 焦点距離:103.00-292.00
  • F値:2.89-2.91
  • 半画角:11.86-4.24
  • 像高:21.64
  • 全長:334.46
  • バックフォーカス:32.73

実施例3

  • 焦点距離:120.00-294.00
  • F値:2.91
  • 半画角:10.22-4.21
  • 像高:21.64
  • 全長:350.00
  • バックフォーカス:37.47

レンズ構成やパラメータを見る限りでは最近リリースされた「RF100-300mm F2.8 L IS USM」用の特許と思われます。像ブレ補正の位置こそ示されていませんが、商品化した通りであればL4群の一部が該当。実施例は以前にピックアップした特許と同じ構成ですが、今回は「ズーム全域の高い光学性能」に加えて、「物体距離全域の高い光学性能」を実現するための光学系とされています。

キヤノンの商品ページでは紹介されていませんが(2基使用とだけ記載)、ピント合わせはL5とL6のレンズ群がそれぞれ動くマルチフォーカス方式(フローティング)を採用。近接時の収差変動を効果的に抑えているものと思われます。

収差図を見る限りではズーム全域で歪曲収差までしっかりと抑えた光学設計。ミラーレス用レンズは補正しやすい歪曲収差をボディ側で修正する製品も多いですが、本レンズは光学的にしっかりと補正されています。駆動するフォーカスレンズはどちらもサイズが小さく、コンパクトで、ナノUSMでも動かしやすそうですね。

キヤノン RF100-300mm F2.8 L IS USM 最新情報まとめ

レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2023年5月下旬 初値 1,354,320円
マウント RF 最短撮影距離 1.8m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.06-0.16
焦点距離 100-300mm フィルター径 112mm
レンズ構成 18群23枚 手ぶれ補正 5.5段
開放絞り F2.8 テレコン 対応
最小絞り F22 コーティング AS / F
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ128mm×323.4mm 防塵防滴 対応
重量 約2590g AF NanoUSM
その他
付属品
フード・キャップ・ケース

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