2023年12月21日付けでシグマの光学系に関する特許出願が公開。「60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS」を想定したと思われる実施例のほか、「50-500mm F4.5-6.3」「60-700mm F4.5-7.4」のような実施例を含んでいます。
- 【公開番号】P2023180574
- 【公開日】2023-12-21
- 【発明の名称】変倍結像光学系
- 【出願日】2022-06-09
- 【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ- 【課題】望遠端の半画角が5°程度以下と狭く、変倍比が10倍程度と大きく、ズーム全域で高い光学性能を有し、防振機能を有し、フォーカスレンズ群の重量を抑制した変倍結像光学系を提供する
- 【背景技術】
【0002】
従来、望遠端の半画角が5°以下である変倍結像光学系が特許文献1乃至2に開示されている。- 【0004】
近年、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に用いられる変倍結像光学系においては、ズーム全域で高い光学性能を有することが要求されている。また、レンズを交換することなく様々な対象を撮影するために大きな変倍比を実現することが求められている。- 【0005】
近年では、デジタルスチルカメラを用いた動画撮影が一般的になっている。動画撮影において、被写体に対する合焦状態を維持するために、フォーカスレンズ群を光軸方向に常に微小振動(ウォブリング)させ続けることによりコントラストの変化を常時検出してフォーカスレンズ群の移動方向を決定する方法が多く採用されている。ウォブリングによりフォーカスレンズ群を駆動する場合、フォーカスレンズ群の重量が大きいとフォーカスレンズ群を駆動するためのアクチュエータが大型化し、撮影レンズの小型化・軽量化が困難となってしまう。また、アクチュエータを大型化させずに重量の大きいフォーカスレンズ群を無理にウォブリング駆動させようとすると、アクチュエータから発生する駆動音が大きくなり、この駆動音が動画撮影において雑音として記録されてしまうため問題となる。したがって、動画撮影に適応する変倍結像光学系はフォーカスレンズ群の軽量化が要求されている。- 【0006】
また、特に望遠端の画角が狭い変倍結像光学系においては、手振れなどの振動の影響による撮影画像のぶれが発生しやすいため、光学系の一部のレンズ群(防振レンズ群)を光軸に対して略垂直方向に変位させることにより撮影画像のぶれを補正する防振機能を有する事が求められている。さらに、変倍結像光学系において防振機能を有する場合には、防振レンズ群を駆動するためのアクチュエータの大型化を避けるため、防振レンズ群は径が小さく、重量が軽いことが要求されている。また、十分な防振機能を得るために防振レンズ群の防振係数(防振レンズ群の光軸に対する垂直方向への移動量に対する像の移動量の比)の絶対値が十分に大きいことが求められている。- 【0007】
特許文献1に開示された光学系は、望遠端の半画角が狭く、変倍比が9倍以上と大きく、防振機能を有しているが、フォーカスレンズ群が3枚、または4枚のレンズから構成されており軽量化が不十分という課題がある。また、望遠端において射出瞳位置から像面までの距離が大きく、フランジバックの短いミラーレスカメラシステムに適用する場合にカメラとの接続部周辺のメカパーツによって周辺光束がケラレやすいという課題がある。- 【0008】
特許文献2に開示された光学系は、望遠端の半画角が狭く、フォーカスレンズ群が2枚のレンズから構成され軽量化を達成しているが、変倍比が4倍以下と小さい。また防振機能を有しているが防振係数の絶対値が小さく、十分な防振効果を得るために必要な移動量が大きくなるという課題がある。- 【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、望遠端の半画角が5°程度以下と狭く、変倍比が10倍程度と大きく、ズーム全域で高い光学性能を有し、防振機能を有し、フォーカスレンズ群の重量を抑制した変倍結像光学系を提供する。実施例1
- 焦点距離:62.10-578.88
- F値:4.56-6.50
- 画角:38.22-4.18
- 像高:21.63
- 全長:293.50-393.50
実施例2
- 焦点距離:52.00-485.00
- F値:4.57-6.50
- 画角:45.37-4.93
- 像高:21.63
- 全長:270.99-357.94
実施例7
- 焦点距離:62.00-673.00
- F値:4.83-7.37
- 画角:38.02-3.55
- 像高:21.63
- 全長:306.97-422.13
ソニーEマウントとライカLマウント用の高倍率ズームレンズ「60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS」製品化までの過程にある特許だと思われますが、中には60-600mmとは異なるズームレンジの実施例もあったようです。50-500mmで少しコンパクトな実施例と驚異の60-700mmの実施例を確認。60-700mmも見てみたかった気はしますが、実用的なサイズと重量は「60-600mm」が限界だったのかもしれませんね。
シグマ 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS 最新情報まとめ
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レンズの仕様
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発売日 | 2023年2月17日 | 初値 | 297,000円 |
マウント | E / L | 最短撮影距離 | 45-260cm |
フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 1:2.4 |
焦点距離 | 60-600mm | フィルター径 | 105mm |
レンズ構成 | 19群27枚 | 手ぶれ補正 | 6~7段 |
開放絞り | F4.5-6.3 | テレコン | 対応 |
最小絞り | F22-32 | コーティング | SMC |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ119.4mm×279.2mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 2495g | AF | リニア |
その他 | AFリミッター | ||
付属品 | |||
レンズフード・レンズキャップ・三脚座 |
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