PhotographyBlogがタムロン「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」のレビューを公開。リングの操作が滑らかとなる、周辺解像が向上し、AFが速くなっていると言及。前モデルの不満点はほとんど解消した模様。
PhotographyBlog:Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2 Review
外観・構造:
- ビルドクオリティは少し改善している。
- 新モデルでは光沢のあるブラックの仕上がりを採用している。指紋や傷に強い。
- 大部分がポリカーボネート製だが、レンズマウントは金属製だ。
- USB-Cポートはむき出しだが防塵防滴向けのカバーは不要としている。個人的には少し不安だ。
- 前面はフッ素コーティング処理されている。
携帯性:
- とても大きなレンズだが、F2.8の標準ズームとしては驚くほど軽量だ。
- APS-Cボディと組み合わせるとバランスが悪い。
- 75mmではレンズが4cmほど伸びる。
操作性:
- フォーカスリングとズームリングは新しくデザインされている。
- ズームリングは前モデルよりも滑らかに回転する。
- 前モデルには無いAFLボタンを搭載している。
- USB-Cポートにより直接カスタマイズやファームウェアの更新が可能だ。
- カスタマイズではフォーカスリングの方向や回転速度の変更が可能である。
オートフォーカス:
- VXD駆動のAFは前モデルの2倍速いと言われている。
- 静かに動作するので動画にも適している。
- α7 IVとの組み合わせで非常に高速だ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 28mm:中央はF2.8からF11まで抜群のシャープネスだ。F16~F22で回折の影響を受ける。端は中央と同じくらい良好でF2.8からF11まで最もシャープだ。
- 35mm:中央はF2.8からF11まで抜群のシャープネスだ。F16~F22で回折の影響を受ける。端は中央と同じくらい良好でF2.8からF11まで最もシャープだ。
- 50mm:中央はF2.8からF11まで抜群のシャープネスだ。F16~F22で回折の影響を受ける。端は中央と同じくらい良好でF4からF11まで最もシャープだ。
- 75mm:中央はF2.8からF11まで抜群のシャープネスだ。F16~F22で回折の影響を受ける。端は中央と同じくらい良好でF4からF11まで最もシャープだ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 個人的な見解として、とても良好に見える。
色収差:
- 十分な補正状態だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 樽型・糸巻き型の目立つ収差が発生する。
周辺減光:
- 絞り開放で目立つ光量落ちがある。
- 解消するにはF5.6まで絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F22まで絞ると光条は良好だ。
- 絞った際に太陽をフレームに入れるとフレアが発生する。
総評
- 3年前に発売された初代モデルよりも、画質の向上、AFの高速化、機能の追加などにより、主要なライバルとの競争力が高まっている。
- G2は「画質」「性能」「構造」の3つの要素が大幅に強化されているが、価格は初代モデルとほぼ同じで、レンズサイズもほぼ同じだ。単なる「何でも屋」ではなく、より洗練された高性能なものになっている。
- 特に画質は大きく進化した。オリジナル版に比べて、フレーム全体やズームレンジでの性能が向上しており、特に開放では柔らかすぎると感じていた周辺部の画質が向上している。
- 9枚羽根の絞りによって非常に美しいボケ味を実現している。
- 28mmでは明らかな周辺減光と樽型歪曲、75mmでは糸巻き型歪曲が見られ、レンズプロファイルが普及するまでは後処理で除去する必要がある。
- 軽量化のためにポリカーボネート製の外装を採用しているが、ズームリングやフォーカスリングの動きは滑らかになり、外装は耐久性のある仕上げになっているなど、以前よりも品質が向上している。
- VXDを採用したオートフォーカスシステムは、より複雑な光学系にもかかわらず、以前のRXDモーターよりも明らかに高速であり、また同様に静かでだ。
- 驚くべきことに、USB-Cポートを搭載している。直接パソコンに接続してカスタマイズやファームウェアのアップデートが可能となっている。このポートにはカバーが一切ないのが少し気になるが、タムロンは完全防水なので心配はないとしている。
- G2は、オリジナルが初値よりも価格が高く、特にイギリスでは若干お得感が悪くなっている。我々は、G2の改善内容が間違いなく価格上昇を正当化すると考えているが、オリジナルはまだ十分に検討する価値がある(特に小売店が古い在庫を値引きした場合)
タムロン28-75mm F2.8 G2は、オリジナルの不満点をほぼ解消し、さらに思いがけない改良が加えられたことで、多くの人が選択肢となる標準ズームに生まれ変わった。
とのこと。
少し高価となりましたが、それ以上に改善点が多いレンズに仕上がっているみたいですね。特に周辺解像やボケ質の向上、AFの改善は実感する人が多いかもしれません。今後は第一世代のレンズ更新が続くのか、それとも競争力が低下してきたレンズのテコ入れで、新しい焦点距離のレンズに力を入れるのか気になるところですねえ。
私はα7R IVと組み合わせて使用しています。6100万画素を十分に活かすレンズと言うにはまだ伸びしろを感じますが、標準ズームとしては競合レンズと戦えるパフォーマンスを備えています。特に望遠側の色収差補正はシグマよりも良好。ボケはシグマほど滑らかではないものの、前モデルのような玉ねぎボケは見られず、使いやすい描写に仕上がっています。VXD駆動のオートフォーカスやカスタマイズ可能なフォーカスリング・ボタンなどを考慮すると、オールラウンダーとして活躍できる大口径ズーム。
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