Optical Limitsがサムヤン「AF 18mm F2.8 FE」のレビューを掲載。周辺減光や開放付近の四隅が弱点と指摘しつつ、弱点を理解して使えば優れた道具になり得ると、レンズのコストパフォーマンスを評価しています。
小型軽量で手ごろな価格の超広角
Optical Limits:Samyang AF 18mm f/2.8 FE - Review / Test Report
- 近頃のミラーレス用レンズが病に苦しんでいる。大きく、重いのだ。実際、小型軽量を謳われたミラーレスで、一眼レフ時代よりも巨大なレンズが増えて来ている。
- 通常、大きく複雑なレンズ設計のほうが優れているのは当たり前だ。最初こそレンズラインアップが少なく、消費者側は黙認していたが、今では小型軽量レンズの要望は多い。
- いち早く小型レンズへ舵を切ったのがサムヤンだ。現時点で5つ以上の小さな単焦点をを投入しており、今後さらに増えるだろう。
- サイズが小さく軽量であることにはいくつか妥協点が存在する。まずはビルドクオリティだ。このレンズの外装は金属マウントとプラスチック製鏡筒が組み合わさっている。少しおもちゃっぽく感じる。
- フォーカスリングは滑らかに操作できる。きちんとした精度で動作する。
- オートフォーカスは思っていたよりも低速だ。大まかなピント合わせは早いが、最後の微調整で手間取る。
- 歪曲収差はRAWで1.8%の樽型だ。このような広角レンズとしてはとてもきちんと補正されている。さらに自動補正を有効にすることで綺麗に補正される。
- 超広角レンズにとって避けられないのが周辺減光だ。このレンズは特に極端で、F2.8で最大-3.4EVの減光が発生する。絞ると改善するが、F8でも非常に目立つ。自動補正を適用すると1EVほど改善するが、それでもF2.8では目立つと思われる。
- 小型の18mm F2.8レンズとしてはかなりまともな解像特性だ。中央の広い領域はF2.8から非常に良好、四隅はソフトだが異例のことではない。F4まで絞ると周辺も非常に良好となり、四隅も良好だ。スウィートスポットはF5.6で、四隅は周辺画質に追いつく。
- このようなレンズとしては像面湾曲が小さく、テストした個体の偏心は問題無い。
- 倍率色収差は平均1pxだ。自動補正も考慮すると心配する必要は無い。
- このレンズのセグメントで競合と比較するのは難しい。
ーソニー「FE 20mm F1.8 G」はあらゆる点で優れているものの、3~4倍高価だ。
ーツアイス「Batis 2.8/18」とも競合するが、ソニーGより高価だ。確かに優れているが、サムヤンとの価格差を考慮すると非常に僅差である。Samyang AF 18mm f/2.8 FEは、そのセグメントで確実な選択肢となる性能では無いが、そのサイズと価格設定を考えると、期待すべきではない。しかし、このレンズの限界を認識しているのであれば、それはまだ優れた道具となり得る。
F2.8の四隅シャープネスは良好では無く、天体写真に理想的なレンズとは言えない。とは言え、浅い被写界深度が必要な人にとって四隅の甘さは問題とならないはずだ。
絞ればフレーム全体がとても良好であり、風景や街並みの写真で見事な結果を間違いなく得られる。
倍率色収差は平凡な補正状態だが、後処理で補正可能だ。歪曲収差は適切だが、小型サイズが原因の驚異的な周辺減光には注意が必要だ。ビルドクオリティは完全には納得していないが、フォーカスリングは滑らかに動作する。安っぽい質感とAF速度に慣れるのは時間がかかるだろう。
ソニーEマウントで最も手ごろな選択肢の超広角AFレンズであり、安いだけでなく、大きな価値を持っている。
とのこと。
小型軽量な超広角レンズらしい欠点はあるものの、小型軽量で低価格、そして絞れば四隅までシャープなパフォーマンスが得られる模様。フルサイズ対応の超広角レンズで5万円以下というのは魅力的。
さらに低価格で高性能なタムロン「20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 Model F050」は併せて検討する必要があると思いますが、少なくとも光学的な歪曲収差の補正状態はサムヤンのほうが遥かに良好に見えますね。接写性能や開放付近の解像性能はタムロン有利と感じます。
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