Sony Alpha Blogがトキナー「atx-m 11-18mm F2.8」のレビューを公開。絞り開放の周辺部や18mm側のパフォーマンスが低下すると指摘しつつ、手ごろな価格で小型軽量な大口径広角ズームと評価しています。
Sony Alpha Blog:Tokina atx-m 11-18mm F2.8
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- Tokina初となるEマウント専用設計のズームレンズだ。
- ビルドクオリティは全体的に良好だ。
- ファームウェアアップデート用のUSB-Cポートを備えている。
- 残念ながら防塵防滴には非対応だ。
携帯性:
- ズーム操作でもレンズはあまり伸びないのでジンバルに使用できる。
操作性:
- ズームリングは使いやすい。
- フォーカスリングは十分な幅がある。
- 鏡筒にボタンやAF/MFスイッチが無い。
フォーカス:
- AFはとても良好だ。高速かつ正確で静かに動作する。
- フォーカスブリージングは目に付く。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 2400万画素のα6600でテストした。
- 中央の絞り開放は11mmで優れているが、18mmは良好止まりだ。
- F5.6まで絞るとズーム全域の中央で優れた結果が得られる。
- 隅は絞り開放で平凡、絞るとズーム全域のF5.6で非常に良好となる。
- F5.6まで絞ると風景・建築物でとても良好な結果が得られる。
- 最もパフォーマンスが低下するのは18mm F2.8だ。
- 遠景のテストで11mmはF2.8から非常に良好だが、18mmは少し見劣りする。最良の結果を得るにはF5.6まで絞る必要がある。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは絞っても丸みを帯びている。
- 広角レンズらしく後ボケはかなり騒がしい。
- 発色はとても良好だ。
色収差:
- 色収差は少ない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 11mmで中程度の樽型歪曲だ。
- 18mmではほぼゼロになる。
周辺減光:
- 11mm F2.8で目に付く。
- 18mmではかなり小さくなる。
コマ収差:
- F2.8で小さなコマ収差が見られるが、F4まで絞ると問題ない。
逆光耐性:
- 逆光耐性は平凡だが、超広角レンズとして問題があるわけでは無い。
- F16まで絞ると光条が得られるものの明瞭ではない。
競合レンズ:
- タムロンのほうが高価で、このレンズは安価だが、その差は小さい。
- E 10-20mm F4 Gが最も軽量でコンパクトだが、開放F値はF4だ。
- ソニーはパワーズーム、AF/MFスイッチ、AFLボタンなどエルゴノミクスが遥かに良好である。
- タムロンは最も大きく、ズーム時に内筒が最も伸びる。
- 解像性能はタムロンが最もシャープで、ソニーが続く。トキナーは主に18mmのパフォーマンスが見劣りする。
- F5.6の性能はほぼ同じだが、タムロンが少し優位だ。
- 全体的にタムロンが最もシャープでコントラストが高い。
- ソニーやタムロンは最短撮影距離が短く、ボケが大きくなる。
- 後ボケはタムロンが最も良好で、トキナーが最も騒がしい。
- 発色はソニーとタムロンが優れており、トキナーも非常に良好だ。
- 歪曲収差はソニーが最も悪いが自動補正を適用できる。
- 逆光耐性はソニーが最高、次点でトキナー、タムロンがやや劣る。
- 光条はトキナーがあまり良くない。
- タムロンは静止画に最適だが最も高価だ。
- ソニーは動画やVLOGに最適だ。
- トキナーはとても良好だが、競合レンズ2本ほど良くはない。しかし安価である。
総評
とても良好な広角ズームレンズだ。風景や建築物に最適で、天体写真にも使えるだろう。しかし競合レンズが存在するので、もう少し価格が下がると競争力が出てくるかもしれない。
- 長所:
・11mmのシャープネス
・ズーム全域におけるF5.6の解像性能
・とても良好なコントラスト
・玉ボケ
・発色
・AF
・11mm以外の歪曲収差と周辺減光
・色収差補正
・コマ収差の補正
・ビルドクオリティ
・F2.8ズームとしては小型軽量- 平凡:
・800ユーロ
・11mmの歪曲収差と周辺減光
・AFLボタンなし
・逆光耐性
・フォーカスブリージング
・後ボケ
・最短撮影距離が長い- 短所:
・18mmの性能
・絞り開放の隅がソフト
・防塵防滴ではない
とのこと。
自社設計なのかOEMなのか今のところは不明ですが、トキナー初となるミラーレス専用設計の広角ズームレンズですね。F2.8の広角ズームとしては小型軽量で、ズーム操作でも内筒があまり伸びないのが特徴と言えそうです。縮長はタムロンと同程度ですが、広角側で大きく伸びるタムロンよりも携帯性は良さそう。特にトキナーは外装にレンズフードを固定するため、伸びる内筒はフード内で伸縮が完結しているように見えます。インナーズームではありませんが、フード装着時にインナーズームのように使えるのは便利。
解像性能はF2.8から全体的に抜群とは言えないものの、一般的な撮影距離で普通に絞るとしっかりと解像する模様。F2.8で周辺部が少し低下するのは非点収差かコマ収差の影響でしょうか?色収差はしっかりと補正されているみたいですね。
SABはタムロンよりも低価格と言及していますが、残念ながら国内ではタムロンよりも少し高くなっています。簡易防滴や防汚コート、接写性能や光学性能などを考慮するとタムロンのほうがコストパフォーマンスの高いレンズとなりそうですが、携帯性を考慮するとトキナーレンズも一つの選択肢となりそうです。あとはもう少し価格が落ち着くと、より魅力的となるかもしれません。
トキナー atx-m 11-18mm F2.8 最新情報まとめ
atx-m 11-18mm F2.8 | |||
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2022-09-16 | 初値 | 83,952円 |
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.19m |
フォーマット | APS-C | 最大撮影倍率 | 0.1倍 |
焦点距離 | 11-18mm | フィルター径 | 67mm |
レンズ構成 | 11群13枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F2.8 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | MC |
絞り羽根 | 9枚絞り | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ74.4×74.1mm | 防塵防滴 | - |
重量 | 335g | AF | STM |
その他 | USBポート | ||
付属品 | |||
レンズフード |
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