E 15mm F1.4 Gは期待される全てを備えたレンズ

Lenstipがソニー「E 15mm F1.4 G」のレビューを公開。大口径ながら小型軽量で、絞り開放からシャープで、倍率色収差や非点収差も良く補正されていると言及。欠点は外観から予想できる分野のみとのこと。

Lenstip：Sony E 15 mm f/1.4 G

外観・構造：

レンズマウントは金属製だ。

内部の作りはとても良好に見える。

外装はプラスチック製だ。

製造国は中国である。

レンズフードのソケットは金属製だ。

携帯性：

最も近いレンズであるシグマ「16mm F1.4 DC DN」と比べて小型軽量だ。

フィルター径は55mmに対応している。

操作性：

フォーカスリング・絞りリング・AFLボタン・AF/MFスイッチ・クリックスイッチを搭載している。

13mm幅の絞りリングはクリックレス・1/3段刻みのクリックが可能だ。

17mm幅のフォーカスリングは130-140度のストロークで正確に操作できる。

フォーカス：

ZV-E10との組み合わせでノイズレスで非常に高速だ。

ピント全域を0.3秒で移動する良好な結果である。

近距離でフォーカスブリージングは目立たない。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

APS-Cモードのα7R IIIで測定した。

良像の基準値は39-41lpmmだ。

最高の単焦点で75-80lpmmに達する。

中央はF1.4から63lpmmを超える非常に良好な結果だ。F2.8-4で80lpmmを超えるピークに達する。

シグマ16mm F1.4と比べると、絞り開放のパフォーマンスが良好だ。絞るとほとんど差はない。

フレーム端は中央よりも性能が低下するが、F1.4から良像の基準値を超え、絞ると60lpmmまで向上する。

フレーム端は絞り全域でシグマよりも良好だ。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

玉ボケは均質的だが、玉ねぎボケの兆候が見られる。

このカテゴリではシグマが良好だ。

口径食はF2までに大きく改善し、F2.8で解消する。

色収差：

軸上色収差の補正状態は理想的とは言えないが、ライバルのシグマと同程度だ。

倍率色収差は絞り開放で低い数値となり、絞ると増加する。シグマと同程度だ。

球面収差：

フォーカスシフトの問題は見られない。

前後の玉ボケについて質感は非常に似ている。

補正状態についてケチのつけようがない。

歪曲収差：

RAWでは-8.58％の大きな樽型となり、光学設計での補正を諦めていることが分かる。

無補正の場合、画角は13mm相当だが、補正時は15mmに近い画角となる。

周辺減光：

RAWではF1.8で-3.15EVとなりF2で-2.13EVまで低下する。

このカテゴリではシグマのほうが遥かに良好だ。

コマ収差：

完璧な補正状態ではないが、特に目立つわけでは無い。

このカテゴリはシグマよりも良好だ。

非点収差による画質への影響はわずかだ。やはりシグマよりも良好である。

逆光耐性：

絞り開放での逆光耐性は悪くないが、絞ると状況が悪化する。

完璧からは程遠いが、それでも中程度の水準だ。

作例集

総評

ソニーがAPS-Cシステムを真剣に扱っていることを証明したレンズだ。このレンズは、期待されるすべてを備えている。形がよく、軽量で、絞り開放からフレーム全体がシャープに写る。いくつかの欠点はあるものの、それは予想できる分野だけである。敢えて言えば、軸上色収差はより良好な結果だとよかった。それでも、この新しいレンズに対する我々の非常にポジティブな評価を変えることはできない。悩みの種はライバルであるシグマの価格のほぼ2倍であることだ。

長所：
・頑丈で防塵防滴
・小型軽量
・F1.4から良好な中央画質
・フレーム端も良好な画質
・倍率色収差がわずか
・球面収差がきちんと補正されている
・非点収差が少ない
・AFが高速かつ正確で静か

短所：
・周辺減光が目立つ
・歪曲収差が目立つ
・軸上色収差が少し目立つ

とのこと。
APS-C用の単焦点レンズとしては高価ですが、小型軽量かつ良好な光学性能を実現しているとのこと。歪曲収差や色収差、周辺減光など、ソフト補正を利用できる部分に欠点が見られるものの、実写で特に問題となる部分は無さそうですね。敢えて言えば周辺減光をソフト補正した際のノイズ増くらいでしょうか？
手ごろな価格のシグマ「16mm F1.4 DC DN」が強力なライバルとなりそうですが、もしも価格が問題なければE 15mm F1.4 Gのほうが操作性や機能面から良好な選択肢となりそうです。

ソニー E 15mm F1.4 G 最新情報まとめ