ソニーE 15mm F1.4 Gは驚くほど均質性の高い広角レンズ

Phototrendがソニー「E 15mm F1.4 G」のレビューを公開。やや高価なレンズであると指摘しつつ、絞り開放から良好な解像性能を評価し、ボケも綺麗で滑らかであると述べています。

Phototrend：Test Sony E 15 mm f/1,4 G, focale fixe premium, compacte et lumineuse

外観・構造：

確かにプラスチッキーだが、決して安っぽくはない。

複数のシールを使用した防塵防滴仕様だ。

携帯性：

重量は僅か235gだ。F1.4であることを考慮すると注目に値する。

α6500に装着した場合のシステム重量は638gだ。

どのようなカメラバッグにも収まるサイズである。

操作性：

絞りリングの使い勝手は良好だ。

絞りリングはクリックレスに切り替えることができ、動画撮影にも適している。

幅広いフォーカスリングはレスポンスが非リニアだ。
（公式ではリニアレスポンスとなっているので勘違いか誤記です）

AF/MFスイッチとAFLボタンを搭載している。

フォーカス：

デュアルリニアモーター駆動で動作する。

応答性は良好で、静かなフォーカシングである。

低照度ではカメラ側の影響で問題が発生することがある。

フォーカスブリージングは良く抑えられている。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

絞り開放から中央は非常にシャープで、隅の解像性能には驚いた。

F2.2まで絞ると中央は優れた解像性能を発揮する。

F3.5まで絞ると均質性が良好となる。

F11以降は回折の影響を受ける。

屋外では中央から端まで非常にシャープだが、APS-Cセンサーとしての限界がある。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

ボケはとても滑らかで、大いに満足のいく描写だ。

玉ボケは心地よく、美しい描写だが、隅は口径食の影響を受ける。

色収差：

特定の複雑なシーンでパープルフリンジが発生する。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

JPEG出力を確認するぶんには歪曲収差の補正状態は良好だ。

近距離では樽型歪曲が目立つようになる。

周辺減光：

JPEG出力を確認するぶんには周辺減光が抑えられている。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

記載なし。

競合レンズ

シグマ16mm F1.4 DC DNは均質性が欠けているものの、優れた画質である。ただし、重量があり、サイズは大きい。それでもソニーの半値は注目に値する。

総評

少なくとも、ソニーはフルサイズのみならず、APS-Cにも注力していくことを確認できた。F1.4の大口径で良好なボケ質を含めた優れた画質を実現している。フルサイズで言うところの20mmと24mmの中間に位置する焦点距離のレンズで、汎用性が高く、11mm F1.8よりも用途が広い。静止画でも動画でも使いやすいがやや高価なレンズであるのが残念だ。ソニーがハイエンド単焦点レンズを試金石として、ソニーがさらにAPS-Cシステムを充実させるのかはまだ分からない。

長所：
・F1.4
・小型軽量
・絞りリング
・フォーカスブリージングを抑えた設計
・F1.4から素晴らしいシャープネス
・ボケ

短所：
・わずかな色収差
・歪曲収差
・高価

とのこと。
APS-C用レンズとしては少し高価ですが、F1.4の大口径単焦点を実現した純正レンズと考えると手ごろな価格設定のように見えます（例えば富士フイルムの最新F1.4レンズは10万円超）。シグマと比べると倍ほど高価であるのは間違いないものの、絞り開放から良好な周辺解像や絞りリングなどの操作性、防塵防滴仕様である点は考慮すべきかなと。

Lenstipのレビューを併せて読む限りでは、抜群の中央解像と比べて隅のパフォーマンスは少し見劣りするかもしれません。とは言え、全体的に良像以上の結果を得られるのは間違いなく、F1.8をしっかりと活かせるレンズに仕上がっているように見えます。

フルサイズ用「FE 20mm F1.8 G」とよく似た立ち位置のレンズですが、比較して小型軽量なレンズです。コンパクトなAPS-C Eマウントカメラと組み合わせることで、機動力の高い広角カメラシステムを組むことができそう。残念なのはAPS-C Eマウントカメラの更新頻度が少ないことでしょうか？ボディ内手ぶれ補正や最新プロセッサなどを搭載した新型カメラと組み合わせてみたいところ。

ソニー E 15mm F1.4 G 最新情報まとめ