Optical LimitsがAPS-C Eマウント対応の交換レンズ「E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS」のレビューを掲載。やはり歪曲収差と減光を指摘していますが、光学性能やビルドクオリティは良好みたいですね。
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- ここ最近はフルサイズ用レンズのリリースが続いていたが、2019年に「E 16-55mm F2.8 G」と「E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS」が登場した。
- ソニーには「FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」や「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」と言った選択肢が存在するものの、フルサイズにアップグレードする予定が無ければ手ごろな価格でよりコンパクトな選択肢となる。
- 外装はプラスチック、レンズマウントは金属製だ。Gシリーズらしいハイクオリティな外装であり、防塵防滴処理が施されている。
- 350mmまでズームしても内筒にガタツキは見られない。自重落下の傾向は無いが、ズームリングを固定することが可能だ。
- オートフォーカスはXDリニアモーターを使用している。フォーカス速度は決して速くはないが、まともな性能だ。もちろんノイズレスである。
- 電子制御のフォーカスリングはとても正確に動作する。
- 光学手ぶれ補正の補正効果は公開されていないが、実写で3~4段分と評価している。
- 歪曲収差は光学的に補正されていない。135mmで3.8%のピークに達し、大きな糸巻き型歪曲を見つけることが出来る。野生動物を撮影している場合は問題ないかもしれないが、直線的な被写体の場合は後処理をおススメする。
自動補正を有効にすると歪曲収差は完全に補正できる。- APS-C専用設計のため、フルサイズ用レンズと比べて周辺減光は強めだ。絞り開放はズーム両端で-1.4EVとなり、F8まで絞ると扱いやすい減光量となる。
自動補正を適用することでどの絞り値でも減光は気が付かない程度となる。ただしこの場合はノイズが増加する点に注意が必要だ。- 解像性能はとても良好だ。当然ながらパフォーマンスは広角側で最高となる。中央は絞り開放から非常に良好、絞るとフレーム端や四隅も非常にシャープとなる。
250mmでクオリティが僅かに低下するものの、全体的にとてもシャープだ。
350mmでは状況が多少変化する。中央画質は低下し、周辺はソフトとなる。ピークの性能を得るにはF8まで絞るのが最善だ。- 像面湾曲の影響は小さく、テストした個体の偏心に問題は見られない。
- 色収差は70mmから250mmまでとても少ない。350mmでも平均1pxと十分良好だ。
- 玉ボケの内側はかなり騒がしい。理想的とは言えず、残念ながら絞り羽根が7枚なので、F8まで絞ると羽根の形状が見え始める。ボケを重視するなら絞り開放を活用したい。
- 口径食は四隅に向かって影響を受ける。絞ると改善し、F11で四隅の玉ボケも丸くなる。
- 後ボケはとても滑らかだが、前ボケはとても目立つ2線ボケとなる。
コンパクトサイズを実現するため、ソニーがいくらか妥協していることは明らかだ。しかし、基本的にこのレンズにはとても満足している。70mmから250mmまでとても高いシャープネスを実現している。350mmも悪くはないが、違いは分かる。
糸巻き型歪曲と周辺減光が目に付くので、自動補正をオンにしておくのがおススメだ。ボケは玉ボケが少し粗いものの、超望遠ズームとしては典型的な描写だ。単焦点レンズと比べて見劣りするポインtのである。とは言え、後ボケはとても滑らかな描写だ。ビルドクオリティは高水準で、これまでテストした他のGレンズに匹敵する。頑丈で防塵防滴、良好なフォーカススピードを備えている。3?4段分の光学手ぶれ補正を搭載しているのも便利だ。
全体的にサイズと重量を最小限に押さえたい人にとって面白い選択肢だ。やや高価かもしれないが、光学性能とビルドクオリティを考慮すると驚くような値付けではない。
Optical Limits:Sony E 70-350mm f/4.5-6.3 G OSS - Review / Test Report
とのこと。
他のレビューサイトと同じく歪曲収差と口径食の問題を指摘していますが、全体的にバランスの良い超望遠ズームに仕上がっているみたいですね。350mmでパフォーマンスのピークを得るにはF8まで絞る必要があるので、状況によって高感度ISOとの取捨選択が必要となってくるかもしれません。
APS-C用レンズとしては決して安くない価格設定ですが、富士フイルムの超望遠ズームの値付けを考えるとまだ安い(焦点距離や開放F値に違いはありますが…)。光学性能とビルドクオリティを考慮すると悪く無い値付けに見えます。
個人的にこのレンズをα6xxxのようなデザインのボディで使う気にはなれませんが、α7R IVのAPS-Cクロップで使うと案外便利で使いやすいと感じるかもしれません。
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