Sony Alpha Blogがソニー「E PZ 10-20mm F4 G」のレビューを公開。解像性能の一貫性ではタムロンに及ばないものの、動画に適したズーム操作やフォーカス性能を評価しています。
Sony Alpha Blog:Sony E PZ 10-20mm F4 G
外観・構造:
- ビルドクオリティはとても良好だ。
携帯性:
- 前モデルと異なりインナーズームを実現している。
- 小型軽量でジンバルやVlogにも適している。
操作性:
- 前モデルと異なりパワーズームに対応している。ズームリング、ズームスイッチ、カメラ側の操作の3系統で操作が可能だ。
- リモコンやスマートフォンでの遠隔操作でもズーム操作が可能である。
- エルゴノミクスは良好だ。
フォーカス:
- AFは高速かつ正確で静かに動作する。
- 瞳AFはとても良好だ。
- トラッキングAFは良好に機能する。
- フォーカスブリージングは最小限だ。
手ぶれ補正:
- 前モデルと異なり光学手ぶれ補正を搭載していない。
解像性能:
- 2400万画素のα6600でテストした。
- 中央はズーム全域でVery good?Excellentな結果が得られる。
- 隅はGood~Very goodだ。
- このサイズのズームレンズとしてはとても良好な性能だ。
- 遠景ではF5.6で隅まで非常に良好な結果が得られる。
- 10mmの隅は20mmの隅よりも性能が少し低下する。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは丸いが、絞ると羽根の形状が角ばる。
- 後ボケは広角レンズとしてはとても柔らかい描写だ。
- 複雑な背景で少し騒がしくなる。
- 発色は良好だ。
色収差:
- とても少ない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 10-15mmで非常に強い樽型歪曲だ。
- 20mmで僅かな糸巻き型歪曲となる。
周辺減光:
- 目立ちやすく、解消することはない。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光への耐性はとても良好。
- F16まで絞ると綺麗な光条が発生する。
競合レンズ比較
- このレンズは最小最軽量だ。
- 高価なレンズだが、タムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」ほどではない。
- 唯一、パワーズームに対応している。
- 解像性能は古いE 10-18mm F4よりもかなり良好だが、タムロンほどフレーム全体の一貫性は優れていない。
- 全体的に見て、タムロンは最もシャープでコントラストのある結果が得られる。F2.8を利用可能でボケも大きい。
- E 10-18mm F4のボケはあまり良くない。
- 歪曲収差や周辺減光の点でソニーPZは最も悪い。
- 逆光耐性はタムロンがあまり良くない。
解像性能とボケの点で純粋に静止画用として使うならタムロンがベストだ。動画や携帯性を重視するのであれば、ソニーPZがベストである。
総評
パワーズーム対応のコンパクトでハイクオリティなレンズだ。旅行やVlogに適している。解像性能や発色、逆光耐性が良好だが、歪曲収差や周辺減光はライバルと比べて見劣りしている。ただし、パワーズームやフォーカスブリージング耐性、インナーズームや小型軽量などを考慮すると動画撮影に最適だ。おススメできるレンズである。
- 長所:
・とても良好なシャープネス
・玉ボケ
・後ボケ
・良好な発色
・小型軽量
・AF性能
・逆光耐性
・低コマ収差
・エルゴノミクス
・動画撮影との相性
・ビルドクオリティ- 平凡:
・価格
・手ぶれ補正がない- 短所:
・歪曲収差
・周辺減光
とのこと。
小型軽量であることに加えて、インナーズーム構造を採用した驚きの携帯性を実現した広角レンズですね。コンパクトながらズームスイッチやAFLボタンまで搭載した機能的なレンズに仕上がっています。価格はAPS-C用のレンズとしては少し高いですが、このクラスのレンズとしては手ごろな価格に収まっているように見えます。
解像性能はより高価で大きなタムロンF2.8ズームほどでは無く、歪曲収差や周辺減光も目立つと指摘されています。純粋に静止画用として利用を考えているのであれば、サイズや価格に妥協してもタムロンが良い選択肢となるかもしれません。しかし、動画撮影に使用したり、携帯性を重視するのであれば、このレンズの強みが魅力的となりそうです。
かくいう私も、家族写真などでの使用を想定してE 10-20mm F4 Gを既に予約済み。手ぶれ補正を搭載していないので、ボディ側をどうするか検討中です。将来的に手ぶれ補正搭載のZVシリーズ登場に期待ですねえ。
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