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FE 85mm F1.4 GM II 他社製品よりも大幅に優れているのはフォーカス性能

Dustin Abbottがソニー「FE 85mm F1.4 GM II」のレビューを公開。非常に優れた解像性能で、官能的ではないものの綺麗なボケが得られると評価。ただし、価格を考慮すると競合製品は無視できないようです。

Dustin Abbott:Sony FE 85mm F1.4 GM II Review

  • 外観:前面のフィルター径は 77 mm を維持。
  • 構造
    ・マウント部、すべての継ぎ目、ボタン、スイッチは防塵防滴。
    ・レンズ前面にはフッ素コーティング。
  • 携帯性
    ・前世代のレンズよりも 20% 軽く、13% 小型化。
    ・シグマ DN より少し重く 、長いが、シグマの優位性は大幅に減少。
  • 操作性
    ・絞りリングには、1/3 段でクリック/デクリックが可能。
    ・AF | MF スイッチと、AFLボタンを2か所に搭載。
  • AF
    ・弱点だったAFが本当にレベルアップ。根本的に異なる性能。
    ・ソニーによると、これまでで最大かつ最も強力な XDモーター。
    ・何を撮影しても十分なフォーカス速度。
    ・最短焦点距離は平均より低い値でシグマと同程度。
  • MF
    ・フォーカス リングはリニアレスポンス。
    ・リング自体の減衰は軽すぎるように感じる。
    ・フォーカスブリージングは​​、長焦点に対して適切に抑えられている。
  • 手ぶれ補正:記載なし。
  • 解像性能
    ・非常に高解像度のレンズで、大きく拡大してもディテール豊富。
    ・6100万画素でも、F1.4から解像度を問題なく再現。
    ・フレームの中央から端まで、非常に一貫したシャープネス。
    ・F2 まで絞ると、シャープネスとコントラストが向上。
    ・F1.4 以降は基本的に完璧。
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ
    ・高コントラストと美しい描写の間のスイートスポット。
    ・全体的な描写は芸術的というよりは技術的に優れている。
    ・ボケが純粋にクリーミーだと感じることは稀。
    ・期待よりも少し輪郭がはっきりしているように感じることが多い。この点はシグマ DN の方がわずかに優れている。
  • 軸上色収差:適切に補正されており、ピント面の前後で色収差がほとんどない。
  • 倍率色収差:とても良好な補正状態。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差
    ・驚くほどひどい糸巻き型 に悩まされているシグマと比べて明らかに有利。
    ・わずかな糸巻き型で、補正の必要性が低い。
  • 周辺減光:良好に抑えられている、約 1 段分で、補正がほとんど必要ない。
  • コマ収差:記載なし。
  • 逆光耐性:太陽をフレームに入れても問題ない。
  • 光条:記載なし。
  • 作例集
  • 総評
    ・あらゆる点で改良されたレンズだが、F1.2の大胆な選択をしなかったことで傑出したレンズを生み出す機会を逃したのではないか。
    ・1,800 ドルという価格は、それがどれだけ優れていても少々売り込みにくい。
    ・GM II レンズが他と一線を画していると思うのは、オートフォーカスの点だけ。
    ・高速で動く被写体や低照度撮影など限界領域で素晴らしい撮影をしたいのであれば検討する価値がある。
  • 競合について:はるかに安価で入手可能であり、Samyang AF 85mm F1.4 II と シグマ 85mm F1.4 DN がずば抜けている。
  • 備考

G Masterの最古参となる単焦点レンズ「FE 85mm F1.4 GM」の後継モデルとして2024年8月末に正式発表。最新設計で光学系を一新しつつ、AFモーターはリングドライブSSMからXDリニアモーターに変更。光学性能の向上とサイズダウン・大幅な軽量化を両立し、高性能で携帯性の良い85mm F1.4となっています。

悩ましいのは価格設定。北米でも(前モデルから)300ドルの値上がりとなり、日本国内では物価上昇の影響もあって市場推定価格は30万円前後。前モデル発売時の希望小売価格が「225,000円」だったことを考慮すると、非常に高くなっています。

Dustin Abbottのレビューによると、F1.4から非常にシャープな結果が得られ、隅まで非常に良好である模様。この結果はPetaPixelやPCmag、Digital Camera Worldのテスト結果と似ており、隅までシャープな結果が得られる可能性は高いようです。

高解像であるぶん、硬いボケ質となっていないか気になるところですが、今回のレビューでは「芸術的・官能的ではない」と評価。目障りではないものの、ボケの輪郭が残る場合が多いようですね。コントラストの高い背景では少しざわつくかもしれません。ただし、悪目立ちする色収差は良く抑えられ、使い勝手が良さそうに見えます。

悩ましいのはやはり価格設定となっており、特に国内では半値以下で手に入る「85mm F1.4 DG DN」の存在が大きい。強い糸巻き型歪曲やサードパーティとしての制限はあるものの、光学性能のコストパフォーマンスだけで言えば真っ先に検討するレンズと言えるかもしれません。

ソニー FE 85mm F1.4 GM II 最新情報まとめ

  • 発売日:2024年9月20日
  • 予約開始日:2024年9月3日(火)10時
  • 希望小売価格:オープン価格
  • 市場推定価格:300,000円前後

レンズの仕様

  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:Sony E
  • 焦点距離:85mm
  • 絞り値:F1.4-F16
  • 絞り羽根:11枚
  • レンズ構成:11群14枚
    ・XAレンズ 2枚
    ・EDレンズ 2枚
  • 最短撮影距離:0.85m
  • 最大撮影倍率:0.12倍
  • フィルター径:77mm
  • サイズ:φ84.7 ×107.3mm
  • 重量:642g
  • 防塵防滴:対応
  • AF:XDリニア
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:
    ・AFLボタン×2
    ・絞りリング(A固定・デクリック対応)
    ・AF/MFスイッチ
  • ナノARコーティング II

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