PhotographyBlogが富士フイルム「GFX 100S」のレビューを公開。GFX100の性能をほぼそのままに、小型軽量化を実現しつつ、低価格化で魅力的なカメラに仕上がっていると高く評価しています。
PhotographyBlog:Fujifilm GFX 100S?Review
カメラの紹介:
- 4台目となる富士フイルムGFXカメラだ。
- 搭載している43.8×32.9mmの1億画素センサーはフルサイズ36×24mmセンサーよりも遥かに大きい。
- GFX 100Sが搭載しているセンサーはGFX 100と全く同じものだ。半値ながら同等のセンサー・プロセッサ・AFシステムを搭載している。
- ボディ内手ぶれ補正はさらに強力な6段分の補正効果を実現している。
ビルド・外観:
- サイズダウンの代償として縦位置グリップに対応していない。このため、バッテリーライフを拡張させたいのであれば他のGFXを検討する必要がある。
- サイズダウンのために、小型バッテリーを使用している。GFX100などで使用しているTP-125ではなく、X-T4と同じNP-W235を使用する。小さなバッテリーだが優れた継続能力である。
- マグネシウム合金ボディだ。作りや剛性に問題は見られない。防塵防滴仕様に加えて耐凍結仕様である。
- インターフェースは「3.5mmマイク・ヘッドホン」「USB-C」「HDMI」「シンクロソケット」に対応している。USB-C経由の給電動作に対応している。無線通信機能として「Wi-Fi」「Bluetooth」を利用可能だ。
- 右側面にSD UHS-IIデュアルカードスロットを搭載している。
携帯性:
- 古いPENTAX 645Zと比べると遥かに小さい。
- 重量は900g、サイズは150x104.2x87.2mmだ。
- 1400gのGFX100と比べると遥かに軽量である。
- サイズと重量はGFX 50Sと似ている。ただし50Sにはボディ内手ぶれ補正が無い。
グリップ:
- 非常に大きなグリップだ。長時間の手持ち撮影が簡単となる。
- 片手で操作できる中判カメラがいくつあるだろうか?
操作性:
- X-S10と同じく、シャッタースピードダイヤルやISOダイヤルが存在しない。その代わりに従来の撮影モードダイヤルを搭載している。カスタムモードはなんと6つもある。
- 1.8型サブ液晶モニタに3つの露出ダイヤルを仮想的に表示することが出来る。
- サブ液晶モニタにヒストグラムを表示することも可能だ。
- ドライブダイヤルは無いが、ドライブボタンからモード変更が可能だ。
- 露出ダイヤルも無くなったが、代わりに露出補正ボタンを配置している。
- Xシリーズでお馴染みのシャッターリリースケーブルには対応していない。
- 背面には8方向に操作できるジョイスティックを搭載している。これにより素早くAFエリアを操作できるほか、モニタのタッチ操作でAFエリアを指定することも可能だ。
- マニュアルフォーカスのアシストは自動拡大とピーキングを利用可能だ。
手ぶれ補正:
- このセンサーサイズでボディ内手ぶれ補正を搭載したカメラはGFX100に次いで2番目である。最大6段分の補正効果を得ることが出来る。
- 解像度を考えると手ぶれ補正の実装は非常に歓迎すべきメリットだ。
- ピクセルシフトマルチショットにより4億画素相当の高解像撮影が可能だ。16枚合成時のDNGファイルサイズは1.5GBである。
ファインダー:
- GFX 50Sと同じ369万ドットのOLEDファインダーだ。ただしファインダー倍率は50Sのほうが高い。
- GFX 100と異なり、ファインダーの脱着は出来ない。
モニター:
- 3.2型 236万ドットの見事なモニターを搭載している。これはGFX 50SやGFX 100と全く同じだ。
- 上下にチルトさせることが出来る。
メニューシステム:
- Qメニューのボタンはサムレストに配置されている。頻繁に使う機能に素早くアクセスが可能だ。
オートフォーカス:
- 像面位相差AFに対応しており、第4世代のXシリーズと同じアルゴリズムを使用している。旧世代のGFXと比べてAFは遥かに高速だ。測距点は最大で425点から選ぶことが出来る。
- より小さなセンサーと比べてAF性能は見劣りするが、他のミディアムフォーマットカメラと比べると大きく改善している。
連写性能・ドライブ:
- 16Bitの圧縮RAWで5fpsの連続撮影が可能だ。1億画素の解像度を考慮するとこのクラスでは最も速い連写速度である。電子シャッターを使用すると2.9fpsまで速度が低下する。
- より小さなセンサーと比べて連写性能は見劣りする。
- サイズダウンのため、新開発のシャッターユニットを採用。それでも1/4000秒?60分のシャッタースピードに対応している。さらに1/16000秒の電子シャッターを利用可能だ。
- 電子シャッター使用時のISO感度は100?12800に限定されている。フラッシュは使用できない。
高感度ISOノイズ:
- ISO50からISO3200までノイズフリーだ。
- ISO6400からノイズが出始める。
- ISO12800?ISO25600も実用的だが、ISO51200以上の設定は避けたい。
- RAWはISO50?12800の間で使いやすい画質である。
ダイナミックレンジ:
- 作例のみ。
仕上がり機能:
- 作例のみ。
動画:
- GFX100に匹敵する機能を備えている。
- 4K 30p・FullHD 60pの動画に対応している。
- HDMI出力時に4:2:2 10Bitを利用可能だ。
- 内部記録では4:2:0 10Bitとなる。
- GFX100よりも長時間の連続撮影が可能となっている。
総評
- GFX 100Sの登場により、中判カメラはこれまでにないほどコンパクトで、持ち運びやすく、使いやすく、汎用性の高いものとなった。驚くほどコンパクトなデザインで、1億画素の高解像センサーを搭載し、効果的な手ぶれ補正システム、完全な耐候性などを含めて、スタジオでもフィールドでも同じように使用できる中判カメラだ。GFX100を選ぶ理由はほとんど無い。
- GFX 100Sは、他社の35mm一眼レフやミラーレスのフラッグシップ機と同等のサイズでありながら、1.7倍も大きなセンサーと手ぶれ補正ユニットを搭載し、比較的コンパクトなサイズにまとめている。
- 確かに、GFレンズは大きく重く、GFXシステム全体の重量はフルサイズに比べて重くなるだろう。とは言え、フルサイズと比較できるようになったこと自体が注目に値する。
- GFX 100Sがソニーα、キヤノンEOS R、ニコンZシリーズなどに比べて文字通り遅れをとっているのはオートフォーカス性能だ。中判カメラとしてはまだクラストップレベルだが、より高度な瞳AFや追従AFを備えたフルサイズカメラには及ばない。
- また、5コマ秒の連写性能は中判カメラの中ではトップクラスだが、20コマ秒や30コマ秒に対応する同価格帯のフルサイズカメラとは比較にならない。
- しかし、動きのある被写体の撮影がメインではない場合、特に風景や静物、ポートレートの撮影がメインの場合は、GFX 100Sの真価が発揮される。
- 高解像1億画素のイメージは、富士フイルムの優れたカラーサイエンス、豊富なダイナミックレンジで、まさに目を見張るものがある。特に、静物を撮影する場合は4億画素のピクセルシフトモードが魅力的だ。
- GFX 100Sは、スタジオでのポートレートや静物の撮影はもちろんのこと、屋外での風景やストリート撮影にも対応しており、非常に汎用性の高い中判カメラとなっている。
- ビデオグラファーにとっても、GFX 100Sは、4K/30p・400Mbps。10bitの動画機能を搭載し、120分の長時間録画が可能だ。これらは他の中判カメラでは夢のような仕様である。
- GFX 100Sがサイズとコストの両面で小型化を実現するため、必然的にいくつかの妥協点がある。解像度の低い電子ビューファインダーや、バッテリーグリップが装着できないことなどは、一部ユーザーがGFX 100を検討するきっかけとなるかもしれない。
- とはいえ、GFX 100とほぼ同じ機能・性能を、価格が40%も安く、サイズも小さく、さまざまな意味で使い勝手の良いモデルとして実現したことは正直言って驚くべきことだ。人によっては最新のフルサイズフラッグシップカメラより適しているかもしれない。
とのこと。
小型軽量化を実現した手ごろな価格の中判センサーカメラですね。GFX 50Sと同程度の価格設定で、1億画素とボディ内手ぶれ補正、像面位相差AFを手に入れることが出来るのは魅力的。50Sや50Rと比べて1世代新しいプロセッサを搭載しており、新しい仕上がり機能やフイルムシミュレーションも搭載しています。手ぶれ補正を活かした4億画素の高解像撮影モードも面白い。
システムサイズが大きくなりがちなGFXですが、最近では小型軽量なGFレンズも増えてきています。今後はより携帯性の良い中判システムとなるかもしれませんね。気軽に屋外で使うことが出来る中判センサーカメラとなりそう。
Flickr上では既にGFX 100Sユーザーが専用ページに写真を投稿し始めています。ポートレートから風景、スナップまで様々なシーンの写真があるので参考となるかもしれません。
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