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LAOWA 10mm F2 Zero-D MFTはポケットサイズで優れた光学性能

Amateur PhotographerがVenus Optics「Laowa 10mm F2 Zero-D MFT」のレビューを公開。小型軽量ながら優れた光学性能を備えた貴重な超広角単焦点レンズと評価しています。

Amateur Photographer:LAOWA MFT 10MM F2.0 C&D DREAMER REVIEW

外観・構造:

  • マイクロフォーサーズシステムは2008年にパナソニックとオリンパスが立ち上げた。最も息の長いミラーレスシステムである。
  • マイクロフォーサーズには100を超えるレンズがラインアップされているが、驚くべきことに広角単焦点レンズはそれほど多くない。実際、最も画角の広い単焦点AFレンズは12mmだ。
  • 12mm以上に広い画角をカバーするレンズはフォクトレンダーの10.5mm F0.95と魚眼レンズを除けばVenus OpticsのLAOWAシリーズくらいである。
    (訳注:KOWAのPROMINAR 8.5mm F2.8 MFTもあります)
  • このレンズは10mmの広い画角をF2の明るい絞り値でカバーしている。さらに価格は399ポンドと手ごろだ。
  • 電子接点を搭載しているので、レンズの情報や絞り値をカメラ側に記録可能だ。
  • 7群11枚のレンズ構成には3枚のEDガラスと2枚の非球面レンズを使用している。絞り羽根は5枚だ。
  • フィルターサイズは46mmに対応している。
  • 花形の金属製レンズフードが付属する。
  • 軽量ながら総金属製でしっかりとした作りである。ただし防塵防滴には対応していない。

携帯性:

  • 全長はわずか41mm、直径53mmだ。パナソニックの15mm F1.7やオリンパスの17mm F1.8と同程度のサイズ感である。
  • 同社の7.5mm F2や9mm F2.8よりもコンパクトである。
  • 125gと軽量だ。

操作性:

  • 従来のLAOWAレンズと異なり、このレンズには絞りリングが無い。これはレンズの電子接点を介してカメラ側の絞り制御が可能となっているためだ。
  • フォーカスリングは滑らかに回転し、適切な抵抗量で誤操作の可能性は低い。

フォーカス:

  • MF限定だが、電子接点を備え自動アシストに対応している。
  • 最短撮影距離はわずか12cmだ。
  • 比較的小さなセンサーの広角レンズであり、被写界深度が深い。このため、ハイパーフォーカルやゾーンフォーカシングが簡単だ。
  • 鏡筒にはピント位置と被写界深度指標があり、ピントを位置を1mに、絞りをF8に設定すると、0.5mから無限遠までシャープに写すことが可能だ。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 絞り開放を近距離でテストすると周辺部が甘く見えるかもしれない。しかし、長所を活かすと驚くほどシャープな結果を得ることが出来る。
  • フレーム中央は絞り開放から見事なシャープネスだ。隅は非点収差の影響で少しソフトである。
  • 絞ると劇的にシャープとなり、F5.6までに隅から隅まで優れた水準のシャープネスを得ることが出来る。
  • F11まで絞ると回折の影響が出始める。

像面湾曲:

  • 像面湾曲の影響が残っているので、長距離の全体的なシャープネスが必要な場合は無限遠を少し超えたあたりでピントを合わせるのがおススメだ。

ボケ:

  • 記載なし。

色収差:

  • 倍率色収差の影響は極僅かだ。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 光学的にきちんと補正されている。

周辺減光:

  • 小型軽量レンズらしく周辺減光がかなり目立つ。
  • F2で非常に暗くなるが、F2.8で大きく改善、F4で解消する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 正面の逆光は問題とならないが、斜めに光が入ると問題が最大化する。
  • 絞ると魅力的な10本の光条が発生する。

総評

そのコンパクトサイズとシャープな光学系は、マイクロフォーサーズの優位性を示す典型的な例と言える。絞り開放から極めて良好な画質が得られ、絞ると素晴らしい結果となる。しかも、とても小さくて軽いので、バッグやポケットに入れて一日中持ち歩いても気にならない。AFレンズではないが、MF限定でも気にならないほど簡単に操作できる。また、電子接点のおかげで、その他は従来のAFレンズとほぼ同じように動作する。

システム全体にもうまく適合している。標準ズームを補完するものとして、より広い画角とより大きな口径の開放F値を実現している。建築物や風景、光量の少ない場所での撮影に適している。

オリンパスの9-18mm F4-5.6よりもはるかにシャープで、しかも小型・軽量・低価格だ。また、小型化、大口径化、電子制御化のおかげで、LAOWA 9mm F2.8以上の選択肢となるだろう。マイクロフォーサーズユーザーで、ポケットサイズの広角レンズを探している方には、最適な選択肢となる。

  • 長所
    ・小型で超軽量
    ・絞ると非常にシャープ
    ・電子接点対応
    ・MFが簡単
  • 短所
    ・F2の周辺減光
    ・絞り開放の端や隅がソフト
    ・MF限定

とのこと。
マイクロフォーサーズ用レンズは数あれど、10mmの超広角単焦点は貴重で、さらに小型軽量で開放F値の小さなレンズはLAOWA 10mm F2のみ。AFには対応していませんが、電子接点により自動アシストやレンズ情報の記録、電子制御に自動絞りに対応しています。距離エンコーダーに対応していないのが残念ですが、10mmの広角レンズであれば特に問題はないはず。

私もLUMIX GM・GFシリーズと組み合わせるためにLAOWA 10mm F2を購入。確かに絞り開放からシャープなレンズで、近距離でも周辺部や隅まで良好な解像性能を発揮。ハイレゾショットを使った風景写真にも使える優れた単焦点レンズだと思います。ただし、逆光時にフレアが発生しやすく、周辺減光が強いので夜景や星空撮影に使う場合は注意が必要です。

Venus Optics「Laowa 10mm F2 Zero-D MFT」交換レンズデータベース

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