Optical LimitsがVenus Optics「LAOWA 50mm f/2.8 2X Ultra Macro APO」のレビューを公開。絞り開放から極めてシャープなうえ、色収差皆無で解像感の向上に一役買っていると光学性能を高く評価。
LAOWAらしい高解像マクロレンズ
Optical Limits:Laowa 50mm f/2.8 2x Ultra Macro APO MFT - Review / Test Report
- Venus Opticsはここ数年で非常に興味深いレンズをリリースしている。多くの中国メーカーと同じく、とても極端なレンズデザインにフォーカスを当てている。
- このレンズは電子接点を搭載し、カメラ側にレンズ情報の通信が可能だ。自動絞りを採用しているが、フォーカス方式は従来通りMF限定である。
- フォーカスリングを回転させてカメラの自動アシストが可能だ。
- 小売希望価格は399米ドルと大胆な値付けだ。オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」より100ドルほど安く購入することが出来る。そのうえ、このレンズは2倍マクロに対応しているため、極端なマクロ撮影ユーザーとって価値は高い。
- マイクロフォーサーズらしく小型軽量なレンズに仕上がっている。ただし、ビルドクオリティは良好だ。防塵防滴仕様では無いが、鏡筒は総金属製である。
- フォーカシングは鏡筒内で完結するためレンズの伸び縮みは発生しない。
- フォーカスリングは滑らかに動作する。
- マクロレンズらしく、歪曲収差は皆無だ。
- 周辺減光はカメラの自動補正によって強力に補正されている。開放付近で四隅のノイズ増加に繋がるが、それ以外で何も問題は無い。
- LAOWAのマクロレンズは極めてシャープなレンズが多く、このレンズも例外では無い。中央は既にF2.8から優れており、周辺も非常に良好だ。絞っても中央は向上しないが、四隅はわずかに向上し、F5.6でさらに改善する。
- マイクロフォーサーズは基本的にF11で回折の影響をうけるものの、F11まで絞っても実用的だ。ただしF16は避けるべきであり、F22まで絞るとドロドロに溶けてしまう。
- テストした個体のセンタリングは良好だ。像面湾曲は最小限である。
- APO設計のため倍率色収差や軸上色収差は無視できる水準まで抑えられている。
- ボケは絞り開放のF2.8で良好な描写だ。縁取りはほんのわずかである。絞ると絞り羽根の形状がハッキリと現れる。このレンズは明らかに円形絞りでは無い。
- 玉ボケは四隅に向かって口径食の影響を受けている。絞ると改善するが、前述した通り絞り羽根の形状が見えてしまう。
- 前後のボケは完璧では無いものの良好だ。前ボケは確かに滑らかだが、後ボケはコントラストが高いと騒がしくなる。
- 従来のLAOWAレンズと同じく、逆光耐性がこのレンズの弱点となる。
- 絞ると光条が発生するものの、やや粗い描写だ。
見事なマクロレンズだ。絞り開放からF4-5.6でピークを迎えるずば抜けたシャープネスはこのレンズの強みとなる。さらに優れた色収差補正によって非常に高いシャープネスの解像感を高めていると言えるだろう。歪曲は存在せず、RAWでいくらか周辺減光があるものの、カメラで自動補正が可能だ。
ボケはもう少し良いと良かった。玉ボケには縁取りがあり、後ボケが少し騒がしい。さらに逆光ではフレアが問題となることがあるのでフードの装着をおススメする。
電子接点に対応したのはLAOWAにとって大きな前進だ。自動絞りに対応し、フォーカスリングの操作で自動アシストができるようになっている。少なくとも、静止体のピント合わせは簡単だ。そして小型軽量レンズながら総金属製で非常に頑丈だ。ただし防塵防滴仕様ではない。
オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」とどちらを選ぶか悩ましいところだが、極端なマクロ撮影がしたい場合、答えは簡単だ。ボケや逆光耐性、AFを重視する場合はオリンパスを選ぶと良いだろう。
とのこと。
いくつか弱点もあるようですが、マクロレンズとしては使うのであれば非常に優れたレンズであり、コストパフォーマンスも高そうですね。従来のLAOWAレンズで問題となっていた周辺減光を自動補正できるのは嬉しい。「Laowa 7.5mm f/2 MFT C-Dreamer」も電子接点追加されないかと期待していたり。
手持ちのオリンパス60mm F2.8が落下でポキリと折れてしまったので、次はこのレンズを検討中。Optical Limitsが述べているように、オリンパスはAFが使えるのは便利で、ボケが綺麗なのも確か。そして防塵防滴仕様で雨の日に使いやすため重宝していたのですよね…。しかし、LAOWAの2倍マクロ(フルサイズ換算で4倍マクロ)も非常に気になるところ。
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