「LUMIX S 24-105mm F4 Macro O.I.S.」妥協もあるが汎用性が高いズームレンズ

Lesnumeriquesがパナソニック「LUMIX S 24-105mm F4 Macro O.I.S.」のレビューを公開。解像性能のバラつきや玉ボケの描写について指摘しているものの、撮影倍率や効き目の高い手ぶれ補正など汎用性を評価しています。

Lesnumeriques：Test Objectif Panasonic Lumix S 24-105mm F4 Macro O.I.S. : un bon zoom à tout faire

レンズの紹介：

2019年の初め頃に発表された汎用性の高いF4ズームレンズだ。

防塵防滴性能に加え、協調手ぶれ補正に対応している。さらにわずか30cmの最短撮影距離も長所となる。

ビルドクオリティ：

他のLUMIX Sシリーズレンズと同様、頑丈な構造だ。ケチのつけようがない。

防塵防滴仕様に加えて耐寒仕様だ。

ゴム製フォーカスリング・ズームリングの使い勝手は良好だが、埃が付きやすい。

携帯性：

記載なし。

操作性：

ズームリングとフォーカスリングの使い勝手は良好だ。

フォーカスリングは「クラッチ操作」に対応しておらず、ピント距離表示もない。

カスタマイズ可能なボタンやリングが無い。AF/MF切替や手ぶれ補正、ズームリングロックのスイッチがあるだけだ。

オートフォーカス：

非常に高速で弱点はないように見える。

105mmで最短撮影距離が30cmだ。この際の撮影倍率は0.5倍となる。

マニュアルフォーカス：

記載なし。

手ぶれ補正：

とても快適な使い心地だ。

解像性能：

テスト結果はまちまちだ。

24mmで最高の結果を得ることができる。24mm最高とまではいかないものの、高水準なシャープネスだ。

しかし、ズームすると広角ほどのパフォーマンスを維持できていない。

ズーム中間域では画質が大きく低下する。

105mmは絞っても改善しない。

フレーム全体で最良の結果を得るにはF5.6まで絞る必要がある。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

玉ボケが僅かに角ばり、非球面レンズの影響がある。

色収差：

全体的によても良好に補正されている。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

24mm以外は問題とならない。

周辺減光：

24mmで最も目立つ。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

記載なし。

総評

このレンズはシャープネスを特に重視していないようだ。性能は悪くなく、必ずしも問題となることではない。ただし、均質性が悪いのは残念だ。加えて、この価格帯のレンズとしてはボケ描写について議論の余地がある。一部に気になる点があるものの、しっかりとした構造と一般的な性能に支えられ、使う喜びを感じることができた。このレンズの強みは協調手ぶれ補正を含めた汎用性の高さだと思われる。

長所：
・絞り開放F4固定
・24mmで良好なシャープネス
・良好なレンズの仕上がり
・コンパクト
・防塵防滴
・応答性が高く静かなAF
・諸収差の適切な補正
・Dual IS対応
・最短撮影距離

短所：
・光学性能の均質性
・完璧なボケではない
・絞りリングなし
・L-Fnやコントロールリングなし

とのこと
Lesnumeriquesでは防塵防滴、最大0.5倍の撮影倍率、リニアモーター駆動のオートフォーカスなど汎用性の面で高く評価しています。またフルサイズミラーレスでは珍しいレンズとボディの手ぶれ補正強調機能は効果的とのこと。

シャープネスの均質性にばらつきがあるものの、広角端と望遠端の中央性能は絞り開放から非常に良好なパフォーマンスを実現している模様。
Flickrのユーザー投稿を見る限りボケ描写は綺麗に見えますが、このサイトでのボケテストで玉ボケにいくらか問題を抱えていることがわかります。問題となるシチュエーションは少ないかもしれませんがイルミネーションなどの玉ボケが大きく多くなるシーンでは気をつけた方がいいかもしれません。

開放F値 F4の標準ズームレンズとしては比較的高価なモデルですが、ソニー「FE 24-105mm F4 G OSS」よりも安く、驚くような高い価格設定ではありません。また今のところライカLマウントで競合する標準ズームレンズは存在しません。唯一無二の汎用性が高いレンズとして活躍を期待したいところ。

パナソニック「LUMIX S 24-105mm F4 Macro O.I.S.」交換レンズデータベース