PhotographyBlogがパナソニック「LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 O.I.S.」のレビューを公開。周辺部は絞る必要があるようですが、中央は良好なパフォーマンスを発揮。さらにハーフマクロが魅力的と述べています。
300mmとハーフマクロが魅力
PhotographyBlog:Panasonic Lumix 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.?Review
レンズの紹介:
- パナソニック初となるフルサイズミラーレス用の70-300mm望遠ズームレンズだ。
- Lマウントのため、シグマ「fp」やライカ「SL2」などでも使用可能である。
- 11群17枚のレンズ構成にEDレンズ2枚、UED1枚、UHR1枚を使用している。絞り羽根は11枚だ。
- 光学手ぶれ補正を搭載しており、補正効果は最大で5.5段分と言われている。
- 最短撮影距離は0.54mで、撮影倍率は0.5倍だ。
- 防塵防滴と-10℃の耐寒仕様、そして前玉はフッ素コーティング処理された頑丈な作りだ。
- イギリスでは1259.99ポンドで発売する。
ビルドクオリティ:
- 70-200mm F2.8やF4と異なり、脱着可能な三脚座に対応していない。
- 付属品は円形フードのみだ。
携帯性:
- 重量790g、全長148mmは決して軽量でもコンパクトでもない。
- LUMIX S1Rとの組み合わせでバランスは悪くない。
- ズームすることでレンズは60mm伸び、全長が208mmとなる。
操作性:
- ズームリングには70mm、100mm、135mm、200mm、300mmの焦点距離表示がある。
- ズームリングの操作は全体で90度だ。大部分のLマウントレンズと同じである。
- ズームリングはきちんとした抵抗量を持ち、滑らかに動作する。ズーム操作中はライブビュー上に焦点距離が表示される。
- フォーカスリングはS PROシリーズと異なりクラッチ機能を搭載していない。
- リングの他に、AF/MFスイッチやAFリミッター、手ぶれ補正スイッチなどがある。
- ズームリング用のロックスイッチもある。
オートフォーカス:
- 480fps駆動の高速センサードライブにより、オートフォーカスは高速かつ正確で静かに動作する。
- とても静かなので、動画撮影にも最適だ。
- フォーカスブリージングは最小限だ。ズーム中のピントシフト量も最小限である。
- 動画撮影でも滑らかに動作する。
- フォーカスリミッターに対応しており、近距離と遠景を分離することが可能だ。
マニュアルフォーカス:
- フォーカスクラッチ機構が無い。
- 両端にハードストップが無いので無限遠に合わせづらい。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 70mm:
・中央はF4.5でも良好だ。F16までパフォーマンスは維持される。
・端は中央ほどではなく、F5.6?F11で最良となる。- 100mm:
・中央はF5でも良好だ。F16までパフォーマンスは維持される。
・端は中央ほどではなく、F8?F11で最良となる。- 135mm:
・中央はF5.2でも良好だ。F16までパフォーマンスは維持される。
・端は中央ほどではなく、F8?F11で最良となる。- 200mm:
・中央はF5.5でも良好だ。F16までパフォーマンスは維持される。
・端は中央ほどではなく、F8?F11で最良となる。- 300mm:
・中央はF5.6でも良好だ。F16までパフォーマンスは維持される。
・端は中央ほどではなく、F8?F11で最良となる。像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 作例のみ。
色収差:
- とても良好に補正している。あらゆる色ずれを見つけるのが難しい。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 300mmで僅かな糸巻き型だ。とても良好に補正している。
周辺減光:
- 絞り開放では70mmで若干の周辺減光が発生する。
- 一般的な被写体では目立たないが、白い壁を撮影すると目立つ。
- 300mmでは光量落ちが顕著となり、F8まで絞るとほぼ解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F22まで絞るととても良好な光条が発生する。
- 逆光耐性はフードの有無にかかわらずとても良好だ。
総評
- 高価なLUMIX S PRO 70-200mm F2.8・F4のような華やかさはないかもしれない。しかし、一部のフォトグラファーにとって、300mmの焦点距離とハーフマクロ機能はより魅力的な選択肢になるだろう。
- 70-300mmズームレンズはアマチュアフォトグラファーに人気のある定番レンズだ。パナソニックがLマウント用でこのレンズを追加したのは素晴らしいことである。野生動物やスポーツ、結婚式やポートレート写真まで、さまざまなユーザーがこのような焦点距離のレンズを使うことだろう。
- レンズの描写は素晴らしい。シャープネスはS1Rの高解像度センサーを活かすものだが、周辺は中央ほどシャープでは無いため、絞り込まないと最高の結果が得られない。
- 11枚羽根の絞りで後ボケや浅い被写界深度の効果を魅力的に表現し、色収差、歪曲収差、周辺光量は大良好に補正されている。焦点距離300mmでハーフマクロが撮影できるのは、本当に便利だ。
- このクラスのレンズは決して小さくはない。しかし非常によくできていて、少なくともS1Rカメラとのバランスは取れている。とは言え、大きく重い組み合わせになってしまうので注意が必要だ。
- Dual.I.Sシステムは、暗い開放F値を補い、低照度でスローシャッターを余儀なくされるシーンでも、結果をシャープに保つために良い仕事をしている。
- 1749.99ポンドのLUMIX S PRO 70-200mm F4と比較すると、この70-300mmは少し手の届きやすいものとなっている。
- 今のところパナソニックのLマウントレンズの中では最も長い焦点距離をカバーしているので、一部のユーザーにとっては必携レンズとなることだろう。(ただし、シグマの100-400mmが存在する)
とのこと。
レビュー本分はいつも通り簡潔にまとめられているので、実際に作例を見ながら確認するのが良さそうです。作例を見てみると、望遠側の絞り開放でも顕著なコントラスト低下が見られず、まずまず良好な光学性能であることが分かります。望遠端付近は少し非点収差のような乱れがあるものの、フレーム周辺部まで安定した描写です。ボケも悪く無さそう。色収差は良く抑えられていますが、倍率色収差が僅かに残存しており、S1Rで大きく拡大すると目に付く場合があるかもしれません。幸いにも補正しやすい収差なので、大きな問題となることは無いでしょう。
70-300mmクラスとしては少し高い値付けですが、ソニーEマウントのFE70-300mmもそれなりに高価なモデルに仕上がっています。ズームレンジにコストパフォーマンスを求める場合はシグマ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS」も要検討か。
高価ではありますが、480fps駆動AFやハーフマクロなど、フォーカス性能は魅力的と言えそうです。日頃からクローズアップの撮影が多いのであればS 70-300mmは使い勝手が良さそうですね。
LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 O.I.S.交換レンズデータベース
主な仕様
品番 | S-R70300 |
---|---|
レンズ構成 | 11群17枚(UEDレンズ1枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ1枚) |
マウント | ライカカメラ社L-Mount規格準拠 |
画角 | W(f=70mm):34°?T(f=300mm):8.3° |
光学式手ブレ補正 | ○(O.I.S.) |
Dual I.S. 対応 | ○(Dual I.S.2) |
焦点距離 | f=70-300mm |
開放絞り | F4.5-5.6 |
最小絞り | F22 |
絞り形式 | 11枚羽根 円形虹彩絞り |
撮影可能範囲 | 0.54m?∞(W端) / 0.74m?∞(T端)(撮像面から) |
最大撮影倍率 | 0.5倍 |
フィルター径 | Φ77mm |
防塵防滴※1 | ○ |
最大径×長さ | Φ84mm×約148mm※2 |
質量 | 約790g (レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップを含まず) |
動作環境(使用可能温度 / 湿度) | -10?40 ℃ / 10?80 % |
付属品 | レンズフード、レンズキャップ、レンズリアキャップ |
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