LenstipがニコンのZマウント交換レンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」のレビューを掲載しています。
Nikon Nikkor Z 35 mm f/1.8 S
- Fマウント用35mm F1.8と同じレンズ構成枚数だが、重く大きなレンズだ。
- 27mm径の後玉周辺はマットブラックの塗装が施され、電子部品を目視で確認することは出来なかった。
- マウント付近の外装は金属製だ。レンズ製造国は中国である。
- 39mm幅のマニュアルフォーカスリングは回転速度に応じてストロークが変化する。素早く回転するとピント全域で90°未満、ゆっくり回転すると180°に達する。電子的な距離指標が表示されないので回転量を掴むのは難しい。
- 解像度
・Nikon Z 7のRAWファイルに基づいて測定している。
・良像の基準値は42?44lpmmだ。
・非常に良好なレンズで85lpmmを超えることがある。
・中央は絞り開放から58?60lpmmと基準値は遥かに上回る結果となった。絞ると急速に向上し、F2.8で79lpmmに達し、F4でピークの82lpmmとなる。
・APS-C領域も絞り開放から完全に実用的だ(約45lpmm)。F5.6まで絞ると60lpmmの高い数値に達する。
・フルサイズ四隅の絞り開放付近は33lpmmと良像の基準値以下となる。唯一指摘するポイントだ。幸いにも絞ると急速に改善し、F2.5で楽しめる解像度となる。
・画質の均質性には改善の余地があるものの、これを達成するのは非常に難しい課題だ。他のレンズも同様の傾向である。全体的な評価はとても好ましいものだ。 - Fマウントの35mm F1.4・35mm F1.8は軸上色収差の問題が大きかった。しかし、このレンズは色ずれが目立たない。
- 倍率色収差は最大値で0.04%と非常に低い数値だ。AF-S 35mm F1.4Gが0.14%だったことを考えると非常に優れたパフォーマンスである。ちなみにタムロン35mm F1.4やキヤノンEF35mm F2 ISよりも少し優れている。
- 球面収差は残存しているように見えるが、大きな問題は無い。
- 35mmの歪曲収差は一般的に良いもので-0.5%、最悪の結果で-2%ほどだ。このレンズはAPS-C領域でわずか-0.43%、フルサイズ領域で-1.28%だ。一眼レフ用と比べて明らかに改善している。
- コマ収差補正は称賛すべきカテゴリだらけの本レンズにおいて最初に取り上げる弱点だ。APS-C領域からコマ収差の影響が確認でき、フルサイズ四隅ではさらに目立つ。1段絞っても改善しない。
- 非点収差の平均値は11.4%と中程度の数値だ。一眼レフ用と比べて明らかに改善しているが、キヤノンEF35mm F2やタムロン35mm F1.4と比べて見劣りする。
- ボケに関して非難するのは難しい。とても素晴らしいボケ描写だ。敢えて挙げるとしたら非球面レンズの影響と口径食の影響だ。
- 周辺減光はフルサイズのF2.8で-2.46EVだ。一眼レフ用よりも目立つが、タムロンやキヤノンよりも優れている。F4まで絞ると穏やかな減光量となる。
- 逆光耐性は十分なパフォーマンスだ。大部分の状況でフレアに気が付くことは無いだろう。フレアが発生したとしても非常に弱い。
四隅に光源を配置した時のみ顕著な斜めの光線が発生する。 - オートフォーカスは静かだが、ノイズレスではない。幸いにも僅かな動作音なので欠点と言うべきものでは無い。
- フォーカス速度は中程度だ。ピント距離全域を0.6?0.7秒で移動する。ミスショットは2%未満と非常に良好な精度だ。
長所:頑丈な防塵防滴仕様の鏡筒・中央画質が優れている・APS-C領域の画質が非常に良好・軸上色種巣あが穏やか・倍率色収差は無視できる・球面収差は特に騒がしくない・歪曲収差の問題がない・周辺減光はAPS-C領域で穏やか・オートフォーカスは静か・逆光耐性がきちんとした性能・ボケが素晴らしい
短所:周辺減光はフルサイズ領域で目立つ・コマ収差の問題が目立つ
ニコンFシステムの単焦点レンズは重要な焦点距離をF1.8とF1.4のレンズでカバーする完璧に近いラインアップだった。そしてZシステムはF1.8シリーズからラインアップの穴を埋め始めている。この取り組みは本当に素晴らしいと思う。比較的高価なF1.8レンズではあるが、F1.4やF1.2レンズよりも遥かに手頃な価格設定だ。
このレンズの価格設定はFマウントレンズよりも高く、タムロン35mm F1.4よりも少し高い。2/3の価格設定であればなお良かったと思うが、光学性能は価格を正当化するに十分過ぎるものだ。
とのこと。
Lenstipは価格設定に厳しいレビューサイトですが、光学性能と合わせて評価の高いレンズとなった模様。確かに、Z 50mm F1.8 Sと同じ価格帯であればより評価できるレンズとなっていたのかもしれません。このレンズに関連した特許がコニカミノルタと共同申請されており、その辺りが価格設定に絡んでいるのかもしれませんね。
解像性能と共にボケ描写の評価が高いのも良いですねえ。Z 7ユーザーとしてはいずれ使ってみたい1本。
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