NiSi 9mm F2.8は優れた逆光耐性とコマ収差補正が強みとなる

Sony Alpha Blogが「NiSi 9mm F2.8」のレビューを公開。競合レンズと比べて隅の解像性能は劣るものの、良好な逆光耐性と絞った際の光条、そしてコマ収差補正を評価しています。

Sony Alpha Blog：NiSi 9mm F2.8

（基本的なスペックなどの紹介は割愛しています）

外観・構造：

• 電子接点のないフルマニュアルレンズだ。
• 総金属製であり、ビルドクオリティは良好だ。
• マウント付近にシーリングが施されている。

携帯性：

• 記載なし。

操作性：

• フォーカスリングは滑らかに回転する。
• フォーカスリングのストロークは90度と良好だ。
• フォーカスリングは十分なトルクを持つ。

フォーカス：

• フォーカスブリージングはほとんどない。

手ぶれ補正：

• 記載なし。

解像性能：

• α6000でテストした。
• 中央は絞り開放から良好で、F5.6で優れた結果が得られる。
• 隅は絞り開放で平凡、絞っても「良好」以上となることはない。
• 価格を考慮すると平凡な性能だ。

像面湾曲：

• 記載なし。

ボケ：

• 玉ボケは良好だ。
• 後ボケは少し騒がしい。
• 発色は良好だ。

色収差：

• 少ないが発生している。

球面収差：

• 記載なし。

歪曲収差：

• 歪曲はとても少ない。

周辺減光：

• F2.8で目立つ。
• F11まで絞ると穏やかだ。

コマ収差：

• F2.8からわずかだ。
• F4でゼロになる。

逆光耐性：

• フレア耐性は良好だが、たまにハロが出る。
• F4まで絞ると素敵な光条が発生する。

競合レンズ：

• Laowaと比べると遥かに安い。
• NiSiのサイズはLowaとMeikeの中間だ。
• ビルドクオリティはMeikeが最も良好だ。
• 解像性能はMeikeとLaowaのほうが良好だ。NiSiは主に隅のパフォーマンスが良くない。
• 後ボケがLaowaが最も滑らかだ。
• 玉ボケはNiSiが最も良好だ。
• 発色はMeikeが最も良好だ。
• どのレンズも歪曲収差は補正されている。
• Laowaは近距離で像面湾曲が発生する。
• LaowaとNiSiは周辺減光が目立つ。
• NiSiは逆光耐性と光条が最高だ。Laowaは最悪である。
• 全てのレンズに長所と短所がある。優先順序によって選ぶべきレンズが異なってくるだろう。
  ・LAOWA：小型軽量・全体的に良好な解像性能・高価・周辺減光 大
  ・Meike：最高の解像性能・最高の色・周辺減光が小さい・大きく重い
  ・NiSi：最高の逆光耐性、最高の光条、隅と周辺減光がソフト。

作例集

総評

APS-C用の良好な広角レンズだ。歪曲収差がなく、コマ収差もよく抑えられている。フォーカスブリージングが目立たないので、動画撮影でも優れた結果が得られるだろう。フレームの大部分はとても良好な解像性能で、優れた発色や光条にも対応している。競合レンズと比べた際は長所と短所があり、このレンズの強みは逆光耐性・光条となる。ただし、周辺減光が悪く、隅の解像性能は最も低い。

• 長所：
  ・全体的に良好なシャープネス
  ・低歪曲
  ・ファー化すブリージングが目立たない
  ・コマ収差の補正
  ・光条
  ・ビルドクオリティ
  ・色収差の補正
  ・防塵防滴
  ・フレア耐性
  ・玉ボケ
• 平凡：
  ・サイズと重量
  ・最短撮影距離
  ・後ボケの質感
  ・発色
  ・価格
• 短所：
  ・周辺減光が目立つ
  ・隅の解像性能

とのこと。
角型・円形フィルターメーカーとして知られているNiSiが手掛ける2本目のMFレンズですね。いくつか競合する製品があるものの、逆光耐性や光条、そしてコマ収差の補正が強みとなる模様。ただし、Phillipreeveのテストでは隅にいくらかコマ収差が残存していることが分かるので、補正状態は好みが分かれるかもしれません。あくまでも「LAOWAやMeikeとの比較では良好」と考えたほうが良さそう。

逆光耐性が比較的良好となっているのはフィルターメーカーとしてコーティングに力が入っているということでしょうか？その性質から、夜景などを撮る際に適していると思われます。また、超広角ながら、67mmフィルターに対応しているので使い勝手は良好。

NiSi 9mm F2.8 最新情報まとめ

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レンズの仕様

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