Phototrendが「RF16-28mm F2.8 IS STM」のレビューを公開。歪曲収差がソフトウェア補正必須で、望遠側の周辺部がソフトと指摘。ただし、小型軽量ながら大口径で手振れ補正搭載である点を評価し、フレーム中央は非常にシャープと言及。
Phototrend:Test Canon RF 16-28 mm F2,8 IS STM : zoom grand-angle lumineux, léger et réussi
- 外観:RF28-70mm F2.8 IS STMとのデザインの共通性が目立つ。コンパクトかつ軽量でありながら、F2.8の明るさと手ぶれ補正機能を持つ。フィルター径67mmは両モデル共通である。ジンバルを用いた動画撮影にも実用的。ただし、レンズフードが付属しない点は批判されるべきである。
- 構造:ポリカーボネート製の堅牢な構造で、鏡筒全体とマウント部分に防塵防滴シールが施されている。一方でスイッチ部分にはシールがなく、雨天時の使用は注意が必要。
- 携帯性:長さ9.1cm、最大径7.65cm、重量445gとコンパクト。使用時にはレンズの展開が必要だが、携帯性は概ね良好。EOS R6 Mark IIと組み合わせると全体重量は約1.1kg。
- 操作性:ズームリングは幅広で操作しやすい。ノッチのないコントロールリングは、AFMF切替スイッチにより多用途に使用可能。安定化専用のスイッチも搭載されている。
- AF:STMモーターを採用し、高価なUSMモーターと比べてコストパフォーマンスに優れる。動作は遅延なく正確で、低光量や低コントラスト環境以外では非常に良好。
- MF:記載なし。
- 手ぶれ補正:光学式手ぶれ補正を搭載。超広角レンズでは少ない補正量で済むが、特にセンサーシフトのないEOS RPやR8と好相性。EOS R6 Mark II使用時には、16mmで2.5秒までの撮影が可能であり、手ぶれ補正性能は非常に優秀。
- 解像性能:16-20mmの広角域では開放F2.8でも中央は非常にシャープ。エッジはやや柔らかいが、F4で均一性が向上し、F5.6~F8で最良の結果を得られる。24-28mmではエッジのシャープネスが弱まり、F5.6まで絞る必要があるが、中心部は良好。F16では全体的な画質低下が見られる。広角域での性能が最適化されている。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:16mmで最短撮影距離25cm、28mmで20cmまで接近可能。F2.8と9枚羽根の絞りにより滑らかなボケが得られるが、逆光では軽微な玉ねぎボケ効果が見られることもある。
- 色収差:全焦点距離で色収差はほぼゼロ。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:樽型歪みが顕著で、JPEGやRAWでの自動補正が必要。Lightroomでのプロファイル対応が重要。
- 周辺減光:全焦点距離でF2.8では軽微な周辺減光があるが、F4で消失。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:ゴーストは見られないが、強い斜め光でフレアが発生しやすい。逆光時のコントラスト低下は穏やか。
- 光条:絞り込むことで美しい18芒星が得られる。
- 作例集:リサイズのみ。
- 総評:優れた画質、応答性の高いAF、効果的な手ぶれ補正を備えた高コストパフォーマンスのレンズ。特に16-20mmの広角域での性能が光る。価格は約1,300ユーロで、RF15-35mm F2.8 L IS USMやRF 15-30mm F4 IS STMと比較して明るさや価格面で優位性がある。ソフトウェア補正が必須な点は課題だが、多用途性とコンパクトさを両立した選択肢として非常に優れている。
- 競合について:競合は全てCanon製。RF15-35mm F2.8 L IS USMはより高性能だが、重量と価格が大幅に上回る。RF14-35mm F4 L IS USMは多用途性が高いが、明るさで劣る。RF15-30mm F4.5-6.3 IS STMは軽量かつ低価格だが、暗所性能が限定的。RF16-28mm F2.8 IS STMは明るさと価格のバランスが取れた魅力的な選択肢である。
- 備考:
2025年1月23日に発表されたキヤノン2本目となる「非L」のRF F2.8 大口径ズームレンズ。1本目の「RF28-70mm F2.8 IS STM」と同じ特徴を備え、沈胴構造で非常にコンパクトなレンズサイズを実現。常用できるサイズで大口径ズームを携帯できるのは魅力的ですね。
販売価格は同じ非L ズームの「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」と比べて高めですが、明るさを重視した広角ズームとしては手頃な価格。
Phototrendのレビューによると、歪曲収差や周辺減光がレンズプロファイルによる補正前提の設計となるものの、要所で優れた光学性能に仕上がっているとのこと。望遠側のフレーム隅で低下が目立つらしいので、そのあたりは絞って使ったほうが良さそうです。全体的にDigital Camera Worldの初期レビューと同じ評価。広角ズームとしてボケの評価が肯定的に見えますが、Phototrendの作例だけでは判断できません。
キヤノン RF16-28mm F2.8 IS STM 最新情報まとめ
- 発売日:2025年2月下旬
- 予約開始日:2025年1月28日(火)AM10:00
- 希望小売価格:オープン価格
- キヤノンオンラインショップ:188,100円
レンズの仕様
発売日 | |
初値 | |
レンズマウント | RF |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 16-28mm |
レンズ構成 | 13群16枚 |
開放絞り | F2.8 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.2m/0.66ft.(28mm時) |
最大撮影倍率 | 0.26倍(28mm時) |
フィルター径 | Φ67mm |
手振れ補正 | 5.5段 |
テレコン | - |
コーティング | 不明 |
サイズ | 約Φ76.5×91mm(収納時) ・112.8mm(16mm時) ・102.1mm(28mm時) |
重量 | 約445g |
防塵防滴 | 対応 |
AF | STM |
絞りリング | - |
その他のコントロール | コントロールリング |
付属品 | AFMFcontrol 切り替えスイッチ IS スイッチ |
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