Admiring lightがキヤノン「RF800mm F11 IS STM」のレビューを公開。絞りがF11固定の手ごろな価格の超望遠レンズながら、満足のいく画質が得られると高く評価しています。
Admiring light:Review: Canon RF 800mm f/11 IS STM
外観・構造:
- 数多くのキヤノンレンズとは異なる外観だ。
- 低価格のレンズのように見え、個人的な見解としては醜い外装だ。
- 外装はプラスチック製だが、あそびやガタツキは無い。
- F値は大きいが、フィルター径は95mmと大きい。
- レンズフードが付属しておらず、オプションとしての価格はとても高い。
- 三脚リングを省略した面白いデザインだ。リングはないが、1/4ネジ穴に直接固定することが出来る。
携帯性:
- 大きなレンズだが驚くほど軽量である。
- 大部分のカメラバッグに入る大きさでは無いものの、150-600mmズームクラスに対応するバッグに収納可能である。
- 姉妹レンズとなる600mm F11のほうが遥かにコンパクトである。
- 適度に重いが、長時間の撮影でも問題ない。
操作性:
- 沈胴構造をロックするリンがある。フリクション型ではないので、ロック・リリースを切り替える必要がある。
フォーカス:
- ステッピングモーター駆動を採用している。
- ナノUSM駆動のレンズほど高速ではないが、大部分の撮影で十分なフォーカス速度だ。
- フォーカスエリアは中央周辺のみに限定されるが、一眼レフと似たエリアに対応している。
- 十分なフォーカス速度だが、急激な変化には対応しきれない場合がある。
手ぶれ補正:
- 公称値の5.5段分とまではいかないが、4段分の補正効果で安定した撮影が可能だ。
解像性能:
- 絞りが固定されているので、絞りによる被写界深度や画質の向上は出来ない。
- しかし、F11で十分なシャープネスを実現している。
- 全体的にとても良好で、フレーム端が少しソフトだ。
- この価格の超望遠レンズとしては満足している。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 800mm F5.6ほどのボケは得られないが、背景から被写体を浮き上がらせるには十分だ。
- ボケは柔らかく均質的で、とても心地よい描写である。
色収差:
- 軸上色収差は見られなかった。
- 倍率色収差が僅かに発生することがあるが、簡単に補正可能だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 僅かな糸巻き型である。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 長焦点のためフレームに光源を入れる機会はほとんど無い。
- フレアによるコントラスト低下が発生する場合もあるんで、レンズフードを装着するのがおススメだ。
総評
手ごろな価格で、小型軽量な超望遠レンズを探しているのであれば、このレンズを試してみることを強くお勧めする。このようなレンズにしては画質がとても良好で、個人的にはとても満足している。白レンズほどではないが、良好なシャープネスと素晴らしいボケを備え、価格と重量以上に価値のある心地よい描写を得ることが出来る。
妥協点はF11固定の絞りだ。特に光量の少ない状況で高速シャッターを切るためには高ISO感度が必要となり、AFエリアが制限され、被写体を追跡するのが少し難しくなることがある。
ハイアマチュアであれば非常に高価な600mm F4や800mm F5.6を選ぶかもしれないが、よりカジュアルな撮影者であれば、このレンズに満足することだろう。999ドルの価格設定は本当に魅力的である。
- 長所:
・800mmとしては小型軽量
・手ぶれ補正が良好
・AFが正確
・中央画質がシャープ
・ボケが心地よい描写
・色収差がきちんと補正されている
・価格が手ごろ
・楽しい- 短所:
・F11固定
・フォーカス速度が中程度
・AFエリアが限定される
・最新レンズとしてはコントラストが低い
・三脚リングなし
・レンズフードが別売り
とのこと。
800mmという長焦点をわずか10万円ちょっとで利用できる、特殊で面白いレンズですね。非Lシリーズのレンズであり、レンズフード別売り、三脚リングなし、沈胴構造、プラスチック外装、非防塵防滴などなど、妥協点がいくつもある点は理解しておく必要があります。最も注意すべきはAdmiring lightでも指摘しているように「F11固定」「AFエリアの制限」と言ったところでしょうか。これらを考慮しても魅力的なレンズに違いありませんが、欠点は十分に理解しておく必要があります。
私もEOS R5と組み合わせるために購入しました。携帯性や使い勝手を考慮すると「RF600mm F11 IS STM」でも良かったかなと思いますが、やはり800mmを手軽に味わってみたい場合には面白いレンズです。今回のレビューで指摘されているように、コントラストはやや低めで、遠景の風景や小さな被写体を撮影する場合は少し不満を感じますが、被写体に十分近寄って撮影できる場合には満足のいく画質が得られます。ただし、日中でもシャッタースピードとの両立が難しく、撮影シーンや撮影時間、日照条件などは選ぶ必要あり。EOS R5で使うよりも、高ISO感度と両立しやすいEOS R6やEOS R3と組み合わせるのが適しているかもしれません。
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