VILTROX AF 13mm F1.4 STMはXマウントの可能性を開く優れたレンズ

Phototrendが「VILTROX AF 13mm F1.4 STM」のレビューを掲載。少し大きいレンズと指摘しつつも、良好な光学性能やAF性能を評価し、Xマウントの可能性を切り開くレンズと述べています。

Phototrend：Test Viltrox 13 mm f/1,4 AF?: un vent de fraicheur pour la monture Fujifilm X

（基本的なスペックなどの紹介は割愛しています）

外観・構造：

全体的に黒を基調としたカラーリングのレンズだ。

XFレンズのオマージュのような赤バッジを採用している。

仕上がりはとても良好だ。外装は総金属製で、付属のレンズフードも頑丈だ。

防塵防滴ではない点を除けばトップクラスのビルドクオリティだ。

レンズマウントにはファームウェアアップデート用のUSB-Cポートを搭載している。

携帯性：

コンパクトなレンズではない。

33mm F1.4 STMと比べると遥かに大きい。

420gであり、33mm F1.4の270gと比べると重い。

サイズはXF10-24mmF4とよく似ている。

X-T4との組み合わせでバランスは取れている。

操作性：

シグマDC DNシリーズと異なり絞りリングを搭載している。

絞りリングは1/3段ごとにクリックがある。トルクは理想的で、富士フイルムも見習ってほしい。

絞りリングにデクリック機能はない。

カスタマイズ可能なボタンは無い。

フォーカス：

ステッピングモーター駆動で動作する。

滑らかで高速かつ静かなAFだ。

フォーカスブリージングは目立たない。

手ぶれ補正：

光学手ぶれ補正は搭載していない。

解像性能：

中央はF1.4から非常に良好で、フレーム端も十分すぎるほどだ。

F2まで絞っても改善しないが、F2.8で跳ね上がる。

F4まで絞ると完璧だ。

XF F1.4 WRの水準とは言えないが、前世代の富士フイルムレンズよりも優れている。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

ボケは決してベストとは言えないが、広角レンズとしては素晴らしい描写だ。

色収差：

控えめだが、皆無ではない。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

歪曲収差はとても小さいが、陣笠状の歪みを伴うので簡単に手動補正はできない。

周辺減光：

周辺減光が目に付くので、後処理する場合、特に高ISO感度では問題が発生する可能性がある。

補正用のプロファイルが無いので自動補正されない。

F5.6まで絞ると弱くなるが、少し目立つ。

コマ収差：

多少のコマ収差が残っているが、きちんとした補正状態だ。

逆光耐性：

フレアはこのレンズのける本当の欠点だ。

美的とは言えないゴーストが多数発生するが、幸いにも影響は小さい。

絞った際の光条も特に綺麗とは言えない。

競合レンズ：

Samyang AF 12mm F2 X：
VILTROXのほうが良好な光学性能だが、小型軽量や防塵防滴を優先する場合はサムヤンも検討してみると良いだろう。逆光耐性も良好だ。

XF14mmF2.8 R：
2段暗いが、逆光耐性が良好で遥かにコンパクトだ。AFやF1.4と言った点でVILTROXは優れている。価格も考えるとXF14mmをおススメするのは難しい。

総評

大口径の超広角レンズとしては許容範囲内のレンズサイズで、外装の作りは良好で、AFは効果的だ。シャープネスの競争力も抜群である。欠けているとすれば防塵防滴や逆光耐性だが、価格設定を考えれば許容できる。AF 13mm F1.4 STMは優れたレンズであるのみならず、Xマウントの新しい可能性を切り開くものである。

長所：
・ネイティブに近い仕上がり
・F1.4
・操作性
・価格

短所：
・周辺減光
・逆光耐性
・陣笠状の歪曲

とのこと。
競合レンズ不在となる超広角の大口径レンズですね。最も近い存在がサムヤン「AF 12mm F2.0」ですが、携帯性で見劣るものの光学性能は良好となっている模様。広角で明るいレンズを探しているのであれば面白い選択肢となりそう。コマ収差などもまずまず良好に補正しているらしいので、F1.4を活かした夜景や星景写真に使えるかもしれません。まだまだレビュー数が少なく未知数な部分の多いレンズですが、手ごろな価格でコストパフォーマンスは良さそうです。

VILTROX AF 13mm F1.4 STM 最新情報まとめ