VILTROX AF 20mm F2.8 Zマウントを補完する優れた選択肢

Dustin Abbottが「VILTROX AF 20mm F2.8」ニコンZマウント版のレビューを公開。完璧とは言えないものの、軽量・高性能で、Zマウントに欠けていた広角オプションを補完するとのこと。コストパフォーマンスの良い光学性能と評価。

Dustin Abbott：Viltrox AF 20mm F2.8 Z Review

外観：前面には52mmフィルター装着が可能。比較的小さなサイズだが、汎用性が高い。レンズ前面には情報が刻印され、クラシックな外観を醸し出す。ビネット発生を抑えるため、スリムなフィルターの使用を推奨。付属のレンズフードは非常に薄く、バヨネット方式だが固定感が弱い。レンズポーチも付属するが、保護性能は限定的。

構造：金属製マウントとUSB-Cポートを備え、ファームウェア更新が簡単。軽量なポリカーボネート製で耐候性シールはなし。フロントには防汚性を高めるHD Nanoコーティングが施されている。

携帯性：直径7cm、長さ6cm、重量173gと非常に軽量コンパクト。

操作性：絞りリングやスイッチはなく、手動フォーカスリングのみ装備。リングの操作はスムーズで、Nikonの手動フォーカス補助機能に対応。

AF：高速・静音なSTMモーターを搭載。大きなフォーカス移動でもノイズは最小限で、近距離・遠距離への迅速なフォーカスが可能。

MF：フォーカスブリージングは少なく、ビデオ撮影でも問題にならない。

マクロ：最短焦点距離19cm、最大倍率0.17倍と広角レンズとしては良好。

手ぶれ補正：記載なし。

解像性能：F2.8で中央部は高いシャープネスと強いコントラストを実現。コーナーはややソフトだが、F8で全体的に優れた描写性能を発揮。

像面湾曲：フィールド湾曲が見られるが、Zマウント版では極端ではない。

ボケ：絞りを絞ると円形が崩れる。

軸上色収差：軸上色収差は少なく、フリンジもわずか。倍率色収差も問題にならない。

倍率色収差：非常に少なく、補正なしでも問題ない。

球面収差：記載なし。

歪曲収差：非常に少なく、補正なしでも問題ない。

周辺減光：未補正の周辺減光が強く、RAW撮影での後処理を推奨。JPEG撮影では注意が必要。

コマ収差：記載なし。

逆光耐性：フレア耐性は良好だが、特筆するほどではない。

光条：14本の光条は鮮明さに欠ける。

作例集：

総評：軽量・高性能で、Zマウントに欠けていた広角オプションを補完する。価格に対して非常に優れた光学性能を持ち、携行性にも優れる。旅行やスナップ撮影で広角を求めるユーザーに最適な選択肢だ。

競合について：記載なし。

備考：

国内でも2万円台前半（PERGEAR）で手に入る、フルサイズ対応の手ごろな20mm F2.8の単焦点レンズ。ソニーEマウントではタムロンやサムヤンなどの競合製品が存在するものの、比較してより小型軽量で、手ごろな価格を実現。さらにニコンZマウントでは競合製品が存在しない面白い選択肢となります。

光学性能が気になるところですが、Dustin Abbottのレビューによると、絞れば全体的に良好な結果が得られる模様。絞り開放では像面湾曲の影響が見られるため、完璧な性能は期待しないほうが良いでしょう。全体的な均質性を必要としなければ、F2.8から中央は良好な結果を期待できる模様。このあたりの評価はMobile01やDigital Camera Worldとよく似ています。

小型軽量かつ低価格で、これだけの画質を実現しているのであれば十分と言えるかもしれませんね。完璧ではないものの、気軽に20mmの超広角を使ってみたい人にとって面白い選択肢。APS-Cクロップの場合、欠点がスポイルされて使いやすいかもしれません。

私はZ 8と組み合わせるためZマウント版を購入しました。2万円前半で購入できる20mm広角レンズとしては十分過ぎるパフォーマンスを発揮します。F2.8を活かした遠景の撮影には不適ですが、それ以外であれば概ね期待通りの結果が得られます。フレーム端の画質低下は像面湾曲の影響があるため、基本的に絞らないとフレーム全体の画質向上は期待できません。F2.8を活かした低照度でのパンフォーカス撮影には不向き。

とはいえ、リバースエンジニアリングの社外製レンズである点を考慮しても、気軽に超広角を体験してみたい人にとって面白い選択肢になるのかなと。

VILTROX AF 20mm F2.8 最新情報まとめ