Phillipreeveが「VILTROX AF 50mm F2」のレビューを公開。逆光耐性には改善の余地があるものの、その他は非常に良好か許容範囲内のようです。この価格帯では圧倒的なパフォーマンスと評価。
Phillipreeve:REVIEW: Viltrox AF 50mm F2 Air (FE)
- 外観:レンズは硬質プラスチック製だが、マウントプレートは金属製。Air シリーズの一部として軽量・コンパクトかつ安価でありながら、造りは安っぽさを感じさせない。レンズフードは反射防止のマット内面を備え、逆さ付けが可能。前後キャップに加え、布製ポーチも付属する。
- 構造:電子接点によりカメラとの通信が可能で、金属マウント部には USB-C ポートでのファームウェア更新が行える。耐候性シーリングおよび手ぶれ補正機能は搭載されていない。
- 携帯性:インナーフォーカスでピント調整時も鏡筒の長さや前玉の回転は生じない。
- 操作性:ミニマルな設計で、操作系は比較的大きなフォーカスリングひとつのみである。
- AF:駆動はリードスクリューSTM によるもので、ギア付き STM よりも精度・静音性・速度に優れる。
- MF:フォーカスリングの機能はカスタマイズ不可。軽微ながらフォーカスブリージングが見られる。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:F2 から中央は非常にシャープで、中間域と隅も良好。F4 では全域が非常にシャープとなる。広めの絞りでは中間域のわずかな低下が見られるが、F5.6 以降で改善。近距離撮影では F2 でも良好、F4~F8 間では卓越したシャープネスを誇る。F11 以降は回折による低下が見られる。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:中央以外では玉ボケに玉ねぎボケが明瞭に現れ、シャボン玉状の縁取りや二線ボケも見られる。背景が混み合う場面では、ボケがやや雑然と感じられることがある。美しさは主観に依存するが、最も滑らかという印象は受けない。
- 軸上色収差:F2 では最小限にとどまり、F2.8 で消失。実写でも目立ちにくい。
- 倍率色収差:ごくわずかに色収差が見られるが、非常に小さく通常は気にならない。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:ほぼゼロに近く、わずかな糸巻き型歪みが存在。補正には Lightroom/Photoshop にて -3 の設定が有効。
- 周辺減光:開放 (F2) では強く、補正が必要な場面が多い。F2.8 でやや改善、F4~F5.6 でさらに穏やかになり、F8 以降では無視できるレベル。大口径レンズとしては特別強いわけではないが、改善のペースが遅め。Nikon Z の補正機能はあまり効果的でない。
- コマ収差:開放では顕著だが、F2.8 で大幅に軽減され、F4 ではほぼ消失する。
- 逆光耐性:このレンズ最大の弱点であり、ベール状およびゴーストフレアが頻出。広い絞りではベールフレア、小絞りでは両方が目立つ。
- 光条:F8 から現れ始め、F16 で最も良好。ただし形状は比較的小ぶり。
- 作例集:作例多数。
- 総評:Air シリーズらしい軽量・コンパクト設計ながら、フレーム全域で非常に高いシャープネスを発揮する。色収差・歪曲・コマ収差の補正は非常に良好で、堅牢なつくりも魅力。光条・ブリージング・周辺減光には改善の余地があるが、致命的ではない。フレア耐性だけは明確な弱点である。それを除けば、$199 という価格に対して圧倒的な性能を持ち、このクラスの標準レンズの中でも抜きん出ている。
- 競合について:
Nikon Nikkor Z 50mm F1.8 S:
ほぼすべての面で本レンズを上回る光学性能を持ち、1/3段明るい。ただしサイズ・重量・価格すべてが大きい。最高を求めるならこのレンズが最適。
Sony FE 50mm F2.5 G:
コンパクトで優れた性能を持つが、本レンズより高価かつ暗い。コストパフォーマンスでは劣る。- 備考:
2025年4月に発表されたVILTROXのフルサイズ対応標準レンズ。
ラインアップが拡大中の「Air」シリーズであり、小型軽量で低価格な製品。少し前のVILTROX製レンズは「金属鏡筒」「絞りリング」など機能的で比較的高価な製品が多かったものの、Airシリーズは鏡筒の素材やコントロールを省略することでコストダウンを実現。
ただし、コストダウンほど光学性能に妥協は見られず、定評のあるAirシリーズレンズが多い。この「50mm F2」はフルサイズ用のAirシリーズとしては「20mm F2.8」「40mm F2.8」に次いで3本目となりますが、APS-C Airシリーズと同様にコストパフォーマンスの高い製品となっているのか気になるところ。
Phillipreeveのレビューでは、他のレビューサイトと同じく、低価格で小型軽量ながら優れた結果が得られたようです。絞り開放からシャープな結果で、色収差も良く抑えられている模様。ボケに関しては指摘する部分があり、DCWやOpticalLimitsのレビューと同じく騒がしいと感じる場合があるようです。ただし、全体的に見て低価格のレンズとしては良好な結果であるとのこと。
この価格帯で絞り開放からしっかり使えるレンズを探しているのであれば、面白い選択肢となりそうです。
レンズの仕様
発売日 | 2025.4.2 |
初値 | ¥32,900 |
レンズマウント | E / Z |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 50mm |
レンズ構成 | 9群13枚 EDレンズ3枚 高屈折率レンズ4枚 非球面レンズ1枚 |
開放絞り | F2 |
最小絞り | F16 |
絞り羽根 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.51m |
最大撮影倍率 | 不明 |
フィルター径 | 58mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | 不明 |
サイズ | φ65×56.5mm E-mount |
重量 | 205/220g |
防塵防滴 | - |
AF | STM |
絞りリング | - |
その他のコントロール | - |
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