このページでは一眼カメラ用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」の情報を収集しています。
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レンズデータ
レンズ仕様
焦点距離 | 8mm(35mm判換算16mm相当) |
---|---|
レンズ構成 | 15群17枚 |
防滴処理 | 防塵防滴機構 |
フォーカシング方式 | ハイスピードイメージャAF (MSC) |
画角 | 180度 |
最短撮影距離 | 0.12 m |
最大撮影倍率 | 0.20倍(35mm判換算0.40倍相当) |
最近接撮影範囲 | 154 mm × 82 mm |
絞り羽枚数 | 7枚(円形絞り) |
最大口径比 | F1.8 |
最小口径比 | F22 |
大きさ 最大径×全長 | Φ 62 mm x 80 mm |
質量 | 315g |
引いてよし、寄ってよしの大口径魚眼レンズ
Check Points
- 開放F値 F1.8の大口径魚眼レンズ
- 魚眼レンズとしては素晴らしい解像力
- 防塵防滴・耐寒性能
- 堅牢な金属製の鏡筒
- 四隅の色収差は魚眼レンズとしては一般的
- 出目金レンズでフィルター装着不可(リアソケットも無)
- マニュアルクラッチ・L-Fn非搭載
解像力
絞り開放付近では、中央と四隅の描写性能に差がある魚眼レンズ特融の傾向は他のレンズと同じ。
ただし、中央および周辺部については開放からとてもシャープに写るレンズで広角レンズとしても非常に優秀なレンズ。
さらに四隅の解像力もF4付近から徐々に立ち上がりはじめ、F8まで絞ると十分に解像しフレーム全体でのピークとなる。
色収差
魚眼レンズの宿命である四隅の色収差はやはり目立つ傾向にある。特にハイコントラストな部分については気を付けた方が良いだろう。
絞る事で四隅の解像力は増すが、ハロっぽさは残る感じ。
反面、中央はとても良く抑えられているように感じる。
周辺減光・歪曲
絞り開放時に1段程度の減光を確認できる。デジタル処理するという手もあるが、魚眼である事を活かして中央に視線誘導するには良いアクセントになっているとも言える。
歪曲については魚眼なので特に言及しない。
逆光耐性
ZEROコーティングを施された本レンズは出目金の魚眼レンズだが、かなり良好な逆光耐性を持っている。
外装
PROシリーズの流れをくむ本レンズは高品質を感じさせてくれる金属製の鏡筒でできている。
6か所の密閉シーリングによる防塵防滴・耐寒性能からハードなロケーションにも安心して持っていける。特に魚眼レンズはその独特のパースを活かすために、地面すれすれのローアングルなどでラフに使う事が多い。この耐候性のおかげで表現の幅が広がっているのは間違いないだろう。
堅牢で明るい魚眼レンズだが、そのスペックからするとレンズが小さいと感じる。これをフルサイズで実現しようとすると携帯するのも億劫になるレンズに仕上がる事だろう。
機能性
絞り開放が脅威のF1.8
なんといってもその特徴は絞り開放F1.8を使える点。特に水中や夜景 などの光量が不足するシーンで活躍が期待出来る。特にマイクロ・フォーサーズ規格においてはF1.8の絞り開放で使用したとしても、3m以上先の被写体で あれば全域にピントを合わせることが出来るのは便利な点だ。
また、点光源で目立つコマ収差を抑えるために少し絞りたい場合にも有効。明るい分、少し絞って光量に余裕があるので感度やシャッタースピードを維持する事が出来る。
フォーカス
広角魚眼レンズと言うこともあって、オートフォーカスはきわめて高速。
反面、マニュアルフォーカスは被写界深度が深いので、ピーキングを活用してもピントの芯が分かりづらい。また、電子制御式のマニュアルフォーカスなので、距離指標を確認できない点はマイナスポイント。
他のPROレンズで採用されているマニュアルフォーカスクラッチ構造が省略されているので、クイックなフォーカス方式の切り替えができない点は大きくマイナス。
純正防水レンズポート
明るい魚眼レンズが唯一無二とあって、特に水中シーンで活躍が期待される。それをオリンパスも把握しているため、純正の防水レンズポートが販売されている。
ワーキングディスタンス
被写体に2.5cmまで寄る事ができるので、被写界深度の深い魚眼レンズながらボケをしっかりと作る事ができる。
マイクロフォーサーズらしからぬ強烈なデフォルメ効果が引き出せるのはこのレンズだけ。
総評
この画角の魚眼としては初となる絞り開放F1.8を実現したオリンパスの高級レンズ群「PROシリーズ」の単焦点レンズだ。
珍しい性能と言うだけでなく、高い描写性能と堅牢性を兼ね備えているのでプロユースにも使っていける。マイクロフォーサーズのユーザーで、特に広角の作品を意識しているのであれば持っておいて損はしないレンズだ。
唯一気になる点としては、その価格。フルサイズ用のフィッシュアイに比肩する価格であり、APS-C対応のフィッシュアイよりは高価なレンズとなってしまっている。
特に明るさと防塵防滴を必要としてないのであれば、このレンズ以外の選択肢も存在するので購入前にはじっくり検討しよう。
海外の評価
Lenstip
- とても複雑な光学設計だが、一眼レフ用「ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheye」と比べて遥かに大きくも重いレンズでは無い。
- 製造国は日本だ。
- 鏡筒は全体的に金属パーツで構成されている。手に取った質感も良く、デザインはスタイリッシュだ。
- 解像性能
・マイクロフォーサーズにおける最高の結果は約80lpmmだ。
・良像の基準値は44-45lpmmである。
・中央解像は拍手喝采だ。開放から何の問題も無いばかりか70lpmmと非常に高い数値だ。F2.8-F4ではレコードに近いパフォーマンスとなる。
・周辺解像は数値だけ見ると悪く見えるが、これは魚眼レンズとテストチャートの相性が良くないからだ。実際に撮影した写真を見れば開放付近ですでに良好なパフォーマンスであることが分かる。 - 軸上色収差には何の問題も無い。
- 倍率色収差は開放付近で0.1%に近いが、絞ると減少しF4以降は0.08%で安定する。これらの結果は低?中の間に位置する水準だ。心配する必要は無いだろう。
- このような焦点距離で球面収差は確認するのが難しい。
- 歪曲収差は魚眼レンズの特徴であり、大きくて問題は無い。ここでは-24.6%の樽型歪曲だ。
- コマ収差の補正はとても良好で開放から無視できるレベルだ。拍手喝采!
- 非点収差は11.8%と中程度の数値を示した。
- 魚眼レンズの周辺減光を測定するのは難しい。それでもこのカテゴリを評価するとしたら、絞り開放でー1.8EVだ。大きな減光量だが、8mm F1.8という数値を考慮すると理解できるものだ。
- 逆光耐性は複雑な光学設計を考えると悪く無いが良くも無い。
- オートフォーカスは速すぎて正確な数値を計ることが出来ない。ピント全域を移動するのに0.3秒はかからない。
長所:堅牢で良好な仕上がりの鏡筒・F1.8と個性的な明るさ・センセーショナルな中央解像・目に見えない軸上色収差・倍率色収差の問題なし・わずかなコマ収差・高速で正確なAF
短所:周辺減光はもう少し良好でも良かった
とても優れたレンズだ。堅牢性と明るさを必要としベストな結果を求める場合は本レンズを、それらが必要なければ「7.5mm 1:3.5 UMC Fish-eye MFT」を選べば良いだろう。
価格は競合するレンズが存在しないため、高いのか安いのか判断が出来ない。
Admiringlight
- レンズフードを組み込まれた総金属製の外装で悪天候でも使用できる防塵防滴仕様だ。
- マイクロフォーサーズマウントにおける他の魚眼レンズと比べて大きく重いが、大口径と高いビルドクオリティを考慮すると小さいくらいだ。OM-D E-M10 Mark IIとの組み合わせでハンドグリップの必要性は感じない。
- フォーカスリングはバイワイヤ式で他のPROレンズのようなクラッチ機構とL-Fnは装備されていない。
- 他の魚眼レンズと同様、固定式のレンズフードだ。
- オートフォーカスは高速で静かである。一般的な魚眼ならオートフォーカスの必要性は小さいものの、大口径と接写性能の高さを考慮するとオートフォーカスの重要性は高い。
- 接写性能と大口径の組み合わせで背景の後ボケをゴージャスに演出することが可能だ。このレンズの個性的な性能の一部である。
- 中央のシャープネスはNoctironや75mm F1.8に匹敵する。四隅はソフトだが、F2.8まで絞ると急速にシャープとなる。
- 私の個体は少し偏芯の傾向を示しているが実写での影響は極わずかだ。
- 驚いたことにボケは私が気に入るクオリティだ。滑らかで良好、玉ボケは均質で縁取りは穏やかである。
- 発色とコントラストは優れている。絞り値による変化は全くない。極端に接写時のみコントラストが僅かに低下する。これは球面収差による可能性が高い。
- 倍率色収差はとても少ないが、絞り開放付近で軸上色収差が確認できる。
- 逆光耐性は並み程度だ。
- 周辺減光はF1.8で目立つもおの、F4で解消する。
長所:美しく頑丈なレンズの造り・程よく高速でとても静かなAF・接写性能がとても高い・F1.8・絞り開放から信じられない程シャープ・美しいボケ・全ての絞り値で優れた発色とコントラスト・倍率色収差の補正
短所:場合によって軸上色収差が発生する・逆光耐性・高価
M.ZUIKO 8mm F1.8 PROは優れた画質とビルドクオリティのプログレードなレンズだ。問題は常用し辛い魚眼レンズに1,000ドルの価格設定を許容できるかどうかだ。マイクロフォーサーズで最も優れた魚眼レンズに違いないが、多くのカメラマンにおススメは出来ない。
1,000ドルの価値が無い、と言う訳では無く光学性能と価格のバランスを自身の使用環境で正当化出来ないのではないかと感じている。
そのようなジレンマはさておき、素晴らしいレンズである。
CAMERA LABS:このレンズがあるからこそMFT
このレンズはマイクロフォーサーズのためのグレートな品質のレンズです。他のPROレンズ同様に絞り開放から高品質な描写を提供し防塵防滴と優れた造りを持っています。
さらにF1.8という世界最高の明るさを持つ魚眼レンズはこのレンズを置いて他にありません。低輝度なシーンにおいて、静止画や動画で高速シャッタースピードを保つために恩恵を受けます。近距離でフォーカスすればより浅いボケを実現することも可能です。
開放からフレーム全体で非常に良好な描写ですが、周辺減光があります。しかし、これはF2.8まで絞り込めば解消されます。
競合レンズと比べると大きくなってしまいますが、それはまだかなりコンパクトです。あなたのバッグの多くのスペースを占領することは無いでしょう。
サムヤンの7.5mmと比べると解像力は同程度ですが、2段明るいのでシャッタースピードやボケ味、耐候性、絞り羽根の枚数が多い、AF対応、という点で有利です。
このレンズの存在は、これが必要な写真家にとってマイクロフォーサーズを選択する理由となりうるレンズだろう。
IMAGING RESOURCE:まさにスペシャルなレンズ
風景撮影で遭遇するハイコントラストな部分では絞り込んでも色滲みが目立つ。
私たちが撮影した写真から周辺減光を確認するのは難しです。
オートフォーカスは高速で、近接から無限遠まで1秒未満で動作します。フォーカスリングはプラスチック製の幅広いもので、どちらに回転させても無限に回転します。
フィルターホルダーは前後どちらにも採用されていません。また、フォーカスリング以外にスイッチ類はありません。
あなたが非常に明るい大口径の魚眼レンズを探しているのならば、これがまさにそのスペシャルなレンズです。
PhotographyBlig:競合レンズが存在しない
中央は非常に良好な画質で周辺部はやや落ちるもののF4まで絞る事で十分な品質の像を提供する。色収差は良好に補正されており、周辺減光は問題無い程度に抑えられている。
唯一のネックはフロントにもリアにもフィルターを装着できない点だ。
競合するレンズが存在しない機能と画質を持ち合わせる高性能な魚眼レンズなので、このレンズに対する価格が見合っているのかどうかを判断するのは難しい。
ePHOTOzine:必要な人には安く感じるレンズ
中央の解像力は高いものの、周辺部の解像力は競合クラスと同程度で標準的なものだ。周辺部が中央に追いつくためにはF11まで絞り込む必要がある。
色収差は魚眼レンズとしては小さくも大きくも無く、典型的に四隅でとても顕著に発生する。倍率色収差を含めてハイコントラストな部分では目立つ。
周辺減光は良好に補正されており、F4まで絞る事で解消する。
逆光耐性は非常に良好でZEROコーティングにより太陽をフレーム内に入れてもフレアが抑制されている。その結果コントラストも良好だ。
このレンズは他にないスペックであり価格を比較する事が難しい。このレンズの明るさを必要とするならば、価格は安いと感じるはずだ。暗所での撮影が得意である上に解像力も良好で耐候性も備えている。
競合レンズ
実際のところレンズの明るさでオンリーワンなのだが、「魚眼レンズ」と括る場合には選択肢が結構ある
LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5 H-F008
わずか165gという軽量でコンパクトなパナソニックの魚眼レンズ。
F値はF3.5と本レンズと比べれば暗いと感じるものの、魚眼レンズとしては一般的な明るさ。さらにF値を欲張っていない為か絞り開放から四隅まで安定した解像力を発揮する。特に周辺部の色収差に関する補正は8mmPROよりも上手。
また、小型軽量路線のパナソニック一眼との相性は抜群で、片手でひょいと扱える点は8mmPROに無い魅力。価格も3分の2程度なのでお買い求めやすいので、タフネスさや明るさが必要なければ訴求力は十二分にある。
フィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980
魚眼にそんなお金はかけられないというのであれば、こんな選択肢もある。
F値はF8固定でマニュアルフォーカス限定と機能面ではかなり制約が多い。とはいえ、わずか30gとキャップのようなレンズなので、胸ポケットにも携帯できる収納性はポイント。
魚眼レンズを使う予定が無くても気軽に持っていけるメリットは大きい。私も実際に使っていますが、案外写りもしっかりしてる(価格・サイズを考えると)
Samyang 7.5mm 1:3.5 UMC Fish-eye MFT
オリンパスやパナソニックの純正魚眼と比べるとはるかにお手頃価格で手に入るマニュアルフォーカス限定の魚眼レンズ。
フォーカシングが電子制御ではないマニュアルフォーカス専用だが、距離指標があるのでピント合わせは思ったほど苦にはならない。レンズが軽量と言うこともあってボディキャップレンズほど機能性を低くしたくないが、5万?10万する魚眼は買えないのならこの選択肢。
解像力は8mm PROと同程度とCAMERA LABSが語っている。
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