PENTAXレンズ カメラ レンズ

PENTAX「70-150mm F4.5-5.6 SR」「150-250mm SR」「70-180mm F4-6.3 SR mirrorless」を想定したような特許出願

2025年5月30日付けでリコーの気になる特許出願が公開。「70-150mm F4.5-5.6 SR」「150-250mm SR」「70-180mm F4-6.3 SR mirrorless」などを想定したような光学系の実施例が掲載されています。

概要

  • 【公開番号】P2025083507
  • 【公開日】2025-05-30
  • 【発明の名称】ズームレンズ、レンズ鏡筒及び撮像装置
  • 【出願日】2025-03-14
  • 【分割の表示】P 2021020788の分割
    【原出願日】2021-02-12
  • 【出願人】
    【識別番号】000006747
    【氏名又は名称】株式会社リコー
  • 【課題】撮影距離の変化に伴う収差変動を抑制することができるズームレンズ、レンズ鏡筒及び撮像装置を提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    従来、デジタルカメラ用のズームレンズとして各種タイプが知られている。特に望遠側の焦点距離を伸ばしたズームレンズとしては、一般的に、最も物体側から順に、正、負、後群と続くポジティブリードのズームタイプが使用されており、全ズーム・撮影距離範囲で高い光学性能を有する小型のズームレンズであることが要求されている。また、高速な自動合焦動作(オートフォーカス)を実現するべく、フォーカシングレンズ群の軽量化のために重量の大きい前玉よりも内側のレンズ群を動かすインナーフォーカス方式が知られている。特に、レンズ外径を小さくしやすく軽量な像面に近いレンズ群をフォーカシングレンズ群として用いるリアフォーカス方式が近年多く使用されている。
  • 【0003】
    しかし、従来のリアフォーカス方式では、短焦点距離端側において像面湾曲の変化が大きく、長焦点距離端側において球面収差やコマ収差の変化が大きいことにより、撮影距離の変化に応じて画質が低下するという課題があった。特に、高速AFを目的とするレンズは、フォーカシングレンズ群を更に軽量化するために、少ない枚数で構成されることが多いが、当然ながら、少ない枚数であるほど、撮影距離に応じた収差変動を抑制することが難しい。また、フォーカシングレンズの軽量化のために低比重の硝材を使用する方法もあるが、一般に低比重の硝材は低屈折率なものが多いため、収差変動の抑制効果が弱くなってしまう。
  • 【0007】
    本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、撮影距離の変化に伴う収差変動を抑制することができるズームレンズ、レンズ鏡筒及び撮像装置を提供することを目的とする。
  • 【0013】
    まず、本明細書における用語の定義を行う。本明細書における「レンズ成分」とは、正規光路にて空気と接する屈折面が物体側面と像側面の2つのみのレンズを意味し、例えば、単レンズ又は接合レンズが「レンズ成分」に該当する。本明細書における「防振」とは、撮影時にレンズが振れることに起因する像ぶれを防止することを意味しており、本明細書における「防振レンズ」とは、撮影時にレンズが振れることに起因する像ぶれを防止するために駆動されるレンズを意味している。
  • 【0020】
    第2レンズ群G2の一部(ここでは6枚のレンズのうちの第1、第2レンズ)は、像ぶれ補正時に光軸と垂直方向に移動することで像ぶれを可能とする防振レンズ群である。

実施例1

  • 焦点距離:72.08-157.13
  • F値:4.6-5.7
  • 半画角:17.2-4.4
  • 像高:21.64
  • 全長:190.18-259.23
  • バックフォーカス:42.56-66.55

実施例3

  • 焦点距離:103.00-170.29
  • F値:4.6-5.2
  • 半画角:11.7-3.5
  • 像高:21.64
  • 全長:234.40-340.41
  • バックフォーカス:55.31

実施例4

  • 焦点距離:72.10-180.33
  • F値:4.1-6.1
  • 半画角:17.4-3.6
  • 像高:21.64
  • 全長:198.41-285.17
  • バックフォーカス:8.34-32.23

実施例6

  • 焦点距離:154.50-242.46
  • F値:5.3-7.9
  • 半画角:7.8-2.0
  • 像高:21.64
  • 全長:302.82-411.23
  • バックフォーカス:50.52-84.97

PENTAXの現状から、このような特許の光学系を採用した新製品が登場する可能性は低そうです。とはいえ、70-210mmF4もディスコンとなってしまったので、手頃な価格の望遠ズームレンズを新たに投入する必要性は高そうに見えます。光学手振れ補正を搭載するらしく、PENTAX用としては使いやすそうに見えますが…。また実施例の中にはバックフォーカスの短いミラーレス、またはブリッジカメラ用の光学系も含まれているようです。

特許関連記事

-PENTAXレンズ, カメラ, レンズ
-