2023年7月6日付けでOMデジタルの気になる特許が発行。ボディ内手ぶれ補正に加えてレンズ側の補正装置まで利用して天体の追従撮影を可能にする技術のようですね。
概要
- 【登録日】2023-06-28
- 【発行日】2023-07-06
- 【発明の名称】追尾装置および追尾方法
- 【出願日】2019-04-10
- 【公開日】2020-10-22
- 【特許権者】
【識別番号】321001056
【氏名又は名称】OMデジタルソリューションズ株式会社- 【背景技術】
【0002】
天体は天の北極を中心に回転移動しているため、長時間に亘って撮影すると光跡が流れた写真となってしまう。そこで、撮影装置内に設けられた防振機構を利用して、天体像を追跡し、天体像を静止させて撮影できるようにしたデジタルカメラが提案されている(特許文献1参照)。このデジタルカメラの防振機構は、撮像素子と撮影レンズ内の光学系を移動させることができ、天体像の移動に応じて、撮像素子と光学系を移動させ、天体像を静止させている。- 【0004】
特許文献1に開示されたデジタルカメラでは、天体等を追尾する際、カメラ本体側の防振機構は、天体像の回転運動を打ち消すことによって静止させるためのみに使用し、撮影レンズ側の防振機構は天体像の水平および垂直方向の運動を打ち消すことによって静止させるために使用している。カメラ本体側の防振機構と、撮影レンズ側の防振機構の両方を使用しても良い旨の記載はあるが、具体的に2つの防振機構をどの様に制御するかについて記載はない。そのため、算出した最長駆動可能位置へ、撮像素子を移動させるための可動部を制御することについて記載がない。特許文献1に記載のデジタルカメラは、最も長く駆動する際の初期位置は光軸位置であり、撮影レンズ側の防振機構のみを駆動するので、露光時間(観察時間)を長くすることができない。このため、露光時間を長くするために、カメラ本体を動かすことによって被写体との位置を再設定し直し、また、再設定し直す前の設定との整合を取らなければならなかった。- 【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、長時間の露光時間(観察時間)の間、天体等の被写体を追尾可能な追尾装置および追尾方法を提供することを目的とする。
HOYA時代におけるPENTAXの特許を特許文献として参照しつつ、カメラとレンズの手振れ補正装置を連動して長時間の露光を実現するための技術のようです。ボディ側の手振れ補正を使った天体追従はPENTAXが実現していますが、Kマウントはレンズ側に手振れ補正を搭載しているモデルがほとんどありません。もしもOMデジタルがこの技術を使った長時間露光を実現するとしたら、面白そうな機能となりそうですね。ただし、天体撮影に使えるような大口径レンズに手振れ補正を搭載しているレンズは今のところありません。(現状、F3.5・F4の高倍率・望遠レンズのみ)
将来的に、このような技術を利用できる手振れ補正搭載の大口径レンズが登場すると良いですねえ。とは言え、この機能が商品化されると決まったわけではありません。過度な期待は禁物です。特許の出願そのものはオリンパス時代の2019年に実施されていますが、2023年現在で未だ実装する気配は無し。
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