タムロン「50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、α7R IVと組み合わせた際の近距離解像性能をチェック。
50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDのレビュー一覧
- タムロン 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD 徹底レビュー完全版
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.5 ボケ編
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.4 諸収差編
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.3 解像チャート編
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.2 遠景解像編
- 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.1 外観・操作性編
Index
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:α7R IV
- 交換レンズ:50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
50mm
テスト結果
中央は絞り開放から4500に近い非常に良好な解像性能を発揮し、F5.6以降は撮影条件で解析できる上限に当たっています。F11以降は回折の影響で徐々に性能が低下するものの、F16付近までは良好な性能を維持。周辺部や隅は中央と比べてワンランク低下するものの、極端な画質低下は見られず、使い勝手は良好。α7R IVの解像性能を最大限活かしたいのであれば、F8?F11まで絞るのがおススメ。無限遠側の撮影結果とほぼ同じ傾向。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F4.5 | 4440 | 3669 | 3221 |
F5.6 | 4822 | 3448 | 3119 |
F8.0 | 4784 | 4023 | 3253 |
F11 | 4784 | 4106 | 3679 |
F16 | 3962 | 3774 | 3583 |
F22 | 3246 | 3108 | 2950 |
実写確認
70mm
テスト結果
中央は絞り開放から測定上限のピークが続きF11に至る。周辺部や隅も50mmと比べてパフォーマンスが改善し、絞り開放から4000前後の非常に良好な結果を得ることが出来ます。絞っても大きく改善しないので、露出や被写界深度の調整に使えば良いでしょう。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F5.0 | 4787 | 4127 | 3783 |
F5.6 | 4884 | 3947 | 3811 |
F8.0 | 4775 | 4340 | 3768 |
F11 | 4842 | 4209 | 3965 |
F16 | 3949 | 3663 | 3301 |
F22 | 3284 | 3161 | 3084 |
F25 | 2965 | 2863 | 2725 |
実写確認
100mm
テスト結果
広角側と同じく、中央は絞り開放から抜群の解像性能を発揮。周辺部や隅も4500に近い非常に良好な結果を絞り開放から得ることができ、均質性も良好です。回折による画質低下は早いものの、開放F値が暗い望遠ズームレンズで開放付近の性能が高いのは強みと言えるでしょう。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F5.6 | 4890 | 4457 | 4387 |
F8.0 | 4908 | 4356 | 4164 |
F11 | 4437 | 4101 | 3812 |
F16 | 3675 | 3509 | 3333 |
F22 | 3144 | 3041 | 3018 |
F25 | 2896 | 2675 | 2579 |
実写確認
200mm
テスト結果
100mmと比べると絞り開放の性能が低下するものの、それでも中央は4500に近い非常に良好な結果を得ることができます。周辺部も4000を維持していますが、隅は性能が1グレード低下(それでも良好な結果ですが)。全体的に絞っても改善することは無く、回折の影響を迎えます。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F6.3 | 4379 | 3980 | 3491 |
F8.0 | 4637 | 4023 | 3391 |
F11 | 4172 | 4107 | 3457 |
F16 | 3807 | 3722 | 3457 |
F22 | 3014 | 3044 | 2887 |
F32 | 2553 | 2392 | 2326 |
実写確認
300mm
テスト結果
200mmと比べて中央の絞り開放における性能は少し低下するものの、周辺部や隅の画質が良好で、均質性が非常に高いのが特徴的。望遠側までズームしても極端な画質低下が見られないのは使い勝手が良い。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F6.3 | 4068 | 3940 | 3828 |
F8.0 | 4616 | 3936 | 4004 |
F11 | 3786 | 3940 | 3397 |
F16 | 3726 | 3852 | 3269 |
F22 | 3009 | 3047 | 2966 |
F32 | 2373 | 2208 | 2248 |
実写確認
400mm
テスト結果
望遠端となる400mmは流石にパフォーマンスが低下するものの、中央から隅まで画質差の少ない、それでいて非常に良好な結果を得ることが出来ます。50mmをカバーする高倍率の望遠ズームレンズとしては優れた結果。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F6.3 | 3874 | 3873 | 3816 |
F8.0 | 4086 | 4037 | 3892 |
F11 | 3909 | 3886 | 3889 |
F16 | 3750 | 3457 | 3285 |
F22 | 2974 | 3047 | 2794 |
F32 | 2303 | 2309 | 2263 |
実写確認
まとめ
50mmから400mmまで幅広い焦点距離をカバーしている高倍率の望遠ズームレンズとしては驚くほど良好な結果になったと感じています。広角端から望遠端まで、これと言って欠点を感じる領域は無く、ズーム全域で中央は非常にシャープで、周辺部や隅まで均質性が高いのも特徴的。ズームレンズらしく望遠側でピークの性能は低下するものの、それでも3000万画素や2400万画素のセンサーを搭載するカメラであれば全く気にならないはず。
遠景など風景シーンの解像性能も良好だったので、概ねピント全域で安定した解像性能が得られるレンズだと思われます。利便性に妥協することのない高い光学性能を備えた、おススメしないわけにはいかない高性能ズームレンズに仕上がっています。
購入早見表
作例
関連レンズ
- FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS
- FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
- 100-400mm F5-6.3 DG DN OS
- 70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD
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