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7artisans カメラ レンズ 管理人レビュー

7Artisans AF 24mm F1.8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

「7Artisans AF 24mm F1.8」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。

簡易的なまとめ

AFの動作に癖があるものの、それ以外は手頃な価格で適切なサイズの24mm F1.8として利用可能。鏡筒の作りは良好で、絞りリングやFnボタン、AF/MFスイッチなどコントロールは充実しています。指摘するとしたら、レンズフードの装着が非常に固いくらいでしょうか。

価格とF値で直接競合するのはサムヤンとVILTROXくらい。7Artisansの価格と品質・性能のバランスは良好で、3つの中から選ぶとしたらこれ。ただし、AFと絞りの動作、MFの精度に関しては撮影体験を損なうものであり、早急なファームウェアアップデートが必須。

While the autofocus has some quirks, it is otherwise a reasonably priced and appropriately sized 24mm F1.8 lens. The build quality is good, with well-designed controls such as the aperture ring, Fn button, and AF/MF switch. The only real drawback is that the lens hood is very difficult to attach.

The only direct competitors in terms of price and F-stop are Samyang and VILTROX. The 7Artisans offers a good balance of price, quality, and performance, making it the top choice among the three. However, the AF and aperture operation, as well as the MF precision, can detract from the shooting experience, so a firmware update is urgently needed.

製品提供について

このレビューは株式会社焦点工房より無償提供された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

7Artisans AF 24mm F1.8のレビュー一覧

まえがき

七工匠 7Artisansブランドにおける5本目のAFレンズ。本製品はその中でも「AF 50mm F1.8」「AF 85mm F1.8」に続くフルサイズ対応モデルで、現時点では最も広い画角をカバーしています。

「24mm F1.8」は定番の単焦点レンズですが、中国レンズメーカーでこれをリリースしているのは他にVILTROXくらい。あとはサムヤンやシグマ、タムロンなど。

希望小売価格は6.7万円。小売店では5.5万円くらいで販売中。「驚くほど安い」というわけではないものの、「手ごろな価格のF1.8」として競合するのはサムヤンくらいで、他は小口径だったり価格が高かったり。「24mm F1.8」が必要な人にとっては面白い選択肢となりそうです。

主な仕様

最短撮影距離が0.32mと長く、撮影倍率は不明ながら低めの可能性大。シグマ「24mm F2 DG DN」で0.245m、サムヤン「AF 24mm F1.8 FE」が0.19mであることを考慮すると、接写性能は低い。また、レンズサイズは全長が最も長く、最も重い。これは、シグマよりも多い14枚のレンズを使用しているためと思われます。そのぶん光学性能には期待したいところ。

発売日 2025.5.25
初値 54,900円
レンズマウント E
Z/L(予定)
対応センサー フルサイズ
焦点距離 24mm
レンズ構成 11群14枚
開放絞り F1.8
最小絞り F16
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.32m
最大撮影倍率 不明
フィルター径 62mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング 不明
サイズ φ72mm×92mm
重量 424g
防塵防滴 -
AF STM
絞りリング 搭載
その他のコントロール AF/MF
付属品 レンズフード

価格のチェック

焦点工房ストアをはじめ、楽天市場やAmazonなどで販売中。価格は約5.5万円で、サムヤンより高いもののシグマより安い。

7Artisans AF 24mm F1.8
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PERGEAR      

外観・操作性

箱・付属品

ここ最近のAF 7Artisansレンズらしく、白を基調として赤いラインがアクセントのデザイン。箱にはレンズの図面や特徴がプリントされています。

レンズフードと前後のキャップ、さらにファームウェア更新用のUSBケーブルが付属しています。

外観

他の7Artisans AFレンズと同じく、外装やフォーカスリングは金属製。頑丈でしっかりとした質感ですが、寒い時期は素手に触るのが辛いかもしれません。外装にはマットブラックの塗装が施され、光沢を抑えています。

フォーカスリングと絞りリングはそれぞれ滑り止めの加工が施されていますが、デザインは同じ。触覚で二つのリングを識別するのは難しい。

コントロールはフォーカスリングと絞りリングそしてFnボタンとAF\MFスイッチを搭載。意匠はほとんど無く、「7Artisans」のロゴのみ。

ハンズオン

小型軽量なレンズではありませんが、24mm F1.8 としては許容範囲内のサイズと重量。同社の「7Artisans AF 50mm F1.8」「7Artisans AF 85mm F1.8」と同様のデザイン・操作性で一貫性があります。

前玉・後玉

外装から少し奥に隠れたところに前玉があります。前面にフッ素コーティング処理の記載はないため、水滴や油汚れが予想できるシーンには保護フィルターを装着したほうが良いでしょう。

フィルター径は62mmで、50mm F1.8 や 85mm F1.8 と同じ。

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金属製のレンズマウントは3本のビスで本体に固定。マウント面にはファームウェア更新用のUSBポートあり。

フォーカスリング

幅広い金属製のフォーカスリングを搭載。適度な抵抗感で滑らかに回転。個人的にはソニー純正よりも好み。

リニアレスポンスで動作するため、回転速度でピント移動量は変化しません。回転量に応じてピント移動量は固定されています。

このレンズのピント全域のストロークは90度未満。ストロークが短いうえ、ピント移動時の動作がやや粗い。フォーカスリングの感触は良好なものの、細部の微調整には不向き。85mm F1.8のストロークが360°あったことを考えるとちぐはぐな仕様。

絞りリング

従来通りクリックレスの絞りリングを搭載。静止画では使い辛いものの、リングの操作が重めで、使えなくもない操作性。しかし、個人的にはやはりクリックが恋しいので、基本的には「A」ポジションに設定してカメラ側で絞りを操作しています。

リングには「F1.8」から「F2.0」までにある謎の3目盛りも健在。もちろん、この間に設定しても動作しませんが、2/3のところでF2.0に切り替わります。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが付属。マットな塗装が施されたシンプルなデザインで、鏡筒の質感と比べると少しチープな印象。レンズ本体のバヨネットに装着しますが、非常にタイトで、装着するには力が必要。特にフードを取り外す際に苦労します。

装着例

α7R Vに装着。85mm F1.8 とほぼ同じデザイン・サイズ・重量。24mm F1.8 としては大きめですが、苦になるほどのサイズでもありません。片手での保持も可能。

AF・MF

フォーカススピード

AFはステッピングモーター駆動で動作。電光石火とは言えないものの、十分な速度で動作します。

AFの絞り駆動は「サイレント優先」に対応していないため、実絞りAF-Sには非対応。このため、AF時は絞りを開けた状態から測距がスタートします。

  1. 撮影待機状態:初期設定では設定値まで絞りが閉じる状態
  2. AF開始:絞り開放
  3. AF終了+レリーズ:設定値まで絞りが閉じる

AF時に絞りを開けて閉じる動作が入るため、合焦までに露出と被写界深度が乱れます。絞り開放を使うぶんには問題ありませんが、風景など絞って撮影する場合は注意が必要。さらに、F8~16では所定の口径以上に絞っているのか、適正露出よりもアンダーとなる傾向があります。
(下部掲載のブリージングテスト結果のように)

このため、絞った状態のままピント合わせをしたいときはAF-Cを使う必要あり。ただし、F8などでAF-Cを利用すると、周辺にピントを合わせる際に動作不良が発生する場合あり。

全体的にファームウェアアップデートによる改善が必要な部分。

ブリージング

フォーカスブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

最短撮影距離と無限遠で画角に大きな変化はありません。フォーカスブリージングは良く抑えられています。

精度

α7R Vとの組み合わせで問題無し。VILTROXではしばしば動作不良が発生する拡大AFも利用可能でした。

MF

前述したように、リングの操作性は良好ですがストロークが短い。そして、動作が粗く微調整ふは不向き。使えないこともないですが、MFメインで使うレンズではありません。

手振れ補正

カメラ側へ自動的にレンズ情報が伝達されるものの、手振れ補正がうまく動作していないようです。カメラ側の設定で「手振れ補正調整」がオートになっていると、想定よりもブレを抑えることができません。設定を「マニュアル」に切り替え、手動で24mmに焦点距離を設定したほうが良好な結果を期待できます。

まとめ

AFの動作に癖があるものの、それ以外は手頃な価格で適切なサイズの24mm F1.8として利用可能。鏡筒の作りは良好で、絞りリングやFnボタン、AF/MFスイッチなどコントロールは充実しています。指摘するとしたら、レンズフードの装着が非常に固いくらいでしょうか。

価格とF値で直接競合するのはサムヤンとVILTROXくらい。7Artisansの価格と品質・性能のバランスは良好で、3つの中から選ぶとしたらこれ。ただし、AFと絞りの動作、MFの精度、手振れ補正に関しては撮影体験を損なうものであり、早急なファームウェアアップデートが必須。

光学性能はどうか?
現在テスト中ですが、絞って風景撮影などの用途では非常に良好。中央から隅まで破綻のない結果が得られています。フレーム隅に倍率色収差が僅かに発生しているくらいでしょうか。24mm F1.8を活かした夜景や点光源の撮影は今後のテストでチェック予定。前述したように、遠景でのMFが使い辛いので、撮影結果以前に体験としてストレスが溜まるかもしれません。

24mm F1.8を活かしたボケは良いところと悪いところがあり、接写では滑らかで柔らかい描写。ただし、球面収差が変動しやすく、距離(被写体・背景)によっては後ボケが騒がしく見える場合があります。

購入早見表

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7Artisans AF 24mm F1.8
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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