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AstrHori 120mm F2.8 Macro 2X レンズレビューVol.3 ボケ編

岩石星「AstrHori 120mm F2.8 Macro 2X」のレビュー第三弾 ボケ編を公開。マクロレンズとしては球面収差の影響が強く、ポートレートにも適した滑らかで柔らかい後ボケが得られました。

おことわり

今回は2ndFocusより無償貸与の「AstrHori 120mm F2.8 Macro 2X」を使用してレビューしています。提供にあたりレビュー内容の指示や報酬の受け取りはありません。従来通りのレビューを心がけますが、無意識にバイアスがかかることは否定できません。そのあたりをご理解のうえで以下を読み進めてください。

This time, we are reviewing the “AstrHori 120mm F2.8 Macro 2X” lens, which was provided free of charge by 2ndFocus. We received no instructions on the content of the review or any compensation for providing it. We will continue to provide reviews as we have done in the past, but we cannot deny that unconscious bias may be present. Please read the following with this in mind.

今日のまとめ

マクロレンズらしからぬ描写。
球面収差の影響が強く、柔らかい後ボケと硬めの前ボケとなります。ポートレートのような長い撮影距離でも美しいボケが得られるのは強みとなる一方、ピント面のコントラストはいまいち。最近の低コントラストな作風とは相性が良いかもしれませんが、ピント面のパンチを重視する場合は少し絞ったほうが良いかもしれません。

The image is not like that of a macro lens.
The effect of spherical aberration is strong, resulting in a soft background blur and a hard foreground blur. On the one hand, the ability to achieve beautiful bokeh even at long shooting distances, such as in portraits, is a strength, but the contrast of the in-focus plane is not very good. It may be compatible with the recent low-contrast style, but if you want to emphasize the punch of the in-focus plane, it may be better to stop down a little.

AstrHori 120mm F2.8 Macro 2Xのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

残存する球面収差の影響で滲むように柔らかい後ボケ。ボケの縁取りは全く目立たず、輪郭が溶けるようにだボケていく描写。

前ボケ

後ボケとは打って変わって縁取りが強い騒がしい描写。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

縁取りが弱く、滑らかな玉ボケ。口径食の影響が若干あるものの、気にならない程度。F5.6で隅まで円形。

ボケ実写

至近距離

撮影距離が短く、ボケが大きい場合に欠点は見当たりません。ピント面から背景へのグラデーションは滑らかで綺麗。

近距離

撮影距離が少し長い場合も綺麗で滑らかな描写。若干の口径食はあるものの問題なし。色収差も良く抑えられています。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。球面収差のためかコントラストはやや低め。ただし、滲むようなボケとなり、全身をフレームに入れる際にも非常に柔らかく滑らかな描写。周辺は非点収差かコマ収差の影響が見られるものの、広い範囲は良好。撮影距離が短くなるほど欠点は抑えられ、隅まで良好な描写。

まとめ

マクロレンズらしからぬ描写。
球面収差の影響が強く、柔らかい後ボケと硬めの前ボケとなります。ポートレートのような長い撮影距離でも美しいボケが得られるのは強みとなる一方、ピント面のコントラストはいまいち。最近の低コントラストな作風とは相性が良いかもしれませんが、ピント面のパンチを重視する場合は少し絞ったほうが良いかもしれません。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開。

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