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フルサイズミラーレス徹底比較 EOS R・Nikon Z 7・α7 IIIの違い【レンズマウント編】

ソニーα7 IIIを使い始めて約1年(間3か月のブランクあり)、ニコンZ 7・キヤノンEOS Rを使い始めて約半年。ある程度使い込んだので腰を据えてじっくり比較レビュー。全てを1ページに詰め込むと凄まじい量となるため、細分化して徐々に掲載していこうと思います。

第一回は各社のレンズマウントについて。2010年にAPS-C用マウントとしてスタートしたソニーEと、2018年に従来のレンズマウントから一新したキヤノン・ニコンにはどのような違いがあるのか見てみましょう。

徹底比較 レンズマウント編

サイズ比較

マウント RF Z E
内径 54mm 55mm 46mm
フランジバック 20mm 16mm 18mm
電子接点 11ピン
(レンズ側は12ピン)
12ピン 10ピン
マウント固定ネジ 5本 4本 6本
バリューアングル 30.03 40.26 8.99
センサーシフト式手ぶれ補正 - 5軸 5軸

内径はキヤノン・ニコンとソニーで大きな差

「レンズ内径にバヨネットの爪が含まれる・含まれていない」という細かい話を抜きにして、ソニーEマウントとキヤノンRF・ニコンZマウントとの内径差は歴然。フジフイルムが提唱するバリューアングル値を見てもかなりの差があることが分かります。

これが光学性能にどうのような影響をもたらすのかはさておき(キヤノンRF・ニコンZのレンズがまだ出揃っていない)、レンズ設計の自由度と言う意味では既に「RF28-70mm F2」「Z 14-30mm F4 S」など、今までに存在しなかった仕様のレンズが登場しています。

一方、ソニーEマウントは高い光学性能を実現しつつもレンズラインナップは従来の一眼レフとよく似た仕様だったりしますね(似せようとして似せたのか、似せざるを得なかったのかは分かりませんが…)。これがバリューアングル値の差なのかもしれません。とは言え、FE28mm F2やFE24mm F1.4 GMなど、(一眼レフと比べて)小型軽量の広角レンズを多数リリースしており「フランジバック短のほうが大口径マウントより目に見える恩恵があるのではないか」と感じる部分もあるのです。

ちなみにレンズマウントを固定するネジは口径が小さいソニーが最も多く、口径が最も大きいニコンが最も少ない。

電子接点の数

キヤノンRFは現在11ピンのみ使用し、将来を見据えて1ピン追加した12ピン構成。(EOS Rは11ピンですが、レンズ側には12ピンある。これは8ピン構成だったキヤノンEFマウントと比べると大きく拡張されています。通信できる情報量が増えているのでレンズ側にコントロールリングを配置するなどこれまでになかった新機能が盛り込まれていますね。

ニコンZはキヤノンと同じく12ピンでソニーは少し少ない10ピン構成。ニコンも24-70mm F2.8 Sのように独自のコントロールリングを備え、ソニーはフォーカスホールドボタンや絞りリングなどを備えたレンズをリリースしています。今のところ、どのマウントも一眼レフより多機能なレンズ仕様。

ボディ内手ぶれ補正の有無

マウントとは話が変わってくる上に話が長引きそうなのでページを分けて詳しくやりたいところ。

ざっくり言うと、ニコンとソニーは5軸手ぶれ補正を内蔵して、キヤノンは内蔵していない。個人的に「(光学手ぶれ補正では難しい)シフトブレ・回転ブレに対応できる」違いは大きいと思っているので、キヤノンもさっさとボディ内手ぶれ補正を導入するべき。

そして、今のところ3機種ともライカLマウントの「LUMIX Sシリーズ」が実装した「レンズとボディ内補正の協調補正」は実現していない。特に望遠側の手ぶれ補正はLUMIX Sが有利となるか?

そもそもボディ側やレンズ側に手ぶれ補正を導入していないキヤノンRFやニコンZはともかく、OSS内蔵レンズの多いソニーEで対応は期待できるかも?

マウント回転方向

キヤノンとソニーは差し込む際に「時計回しで固定、反時計回しで外す」。マイクロフォーサーズやフジXマウントなども同様の回転方向。

一方でニコンは逆方向となっており、Fマウント同様の仕様。(古い話で「コンタックスのレンジファインダーカメラの回転方向に合わせた」とか言われています)

一般的に「ネジを締める時は時計回し」であり、感覚的にニコン方式は馴染めない。なんでFマウントと同じにしたし、とツッコミたい。さらに、マウントは反時計回しで固定なのにレンズフードは反時計回しで緩むため、うっかりレンズフードを掴んでレンズを固定しようとするとレンズフードががっぽり外れることが多々ある。

既存Fマウントユーザーを考慮したのか、ニコン独自の哲学があるのか…。せっかくマウントを新しくするのだから時計回りにして欲しかった。

センサー除塵機能

EOS R Z 7 α7 III
除塵方式 超音波? 超音波? センサーシフト
ダストデータ取得 対応 対応 -
手動操作 対応 対応 対応
自動操作 レンズ脱着時
電源操作時
電源操作時 -
保護機能 シャッター閉幕 - -

私がソニーα7で最も不満と感じるポイント。とにかくセンサーにゴミが付きやすい。正直に言うと、コレが許容できずに一回手放しました。

個人の使い方によってゴミの付着率は違うと言えるものの、同じ使い方をしたα7 IIIとEOS RとZ 7で最も早くゴミが付着し、最もゴミが気になるのはα7 III。これは3機種を使い込んで痛感したポイント。

初号機は3日でブロアでは取れないゴミが付き、2号機は2日目で絞ると目立つゴミが付着。いかに高性能なAFを搭載し、レンズラインアップが充実していたとしてもコレは無い。Lightroomで取り除くのは簡単ですが、日々の家族写真で毎回この作業が必要と考えるとゲンナリします。このため、基本的にα7 IIIは絞り開放付近で使い、極力ゴミが目立たないようにしています。

一方、「よく考えてるな」と感銘を受けたのはキヤノンRFマウント。

電源オフ時はシャッター幕を閉じることによって、レンズ交換時にセンサーへ小ゴミが付着するのを予防。さらにレンズ脱着時は自動的に除塵ユニットが動作する仕組みとなっています。これはシャッター閉幕機能が無いEOS RPも同じ。ここ半年間はソニーα7 III以上のレンズ交換をしているにも関わらず、目立つ小ゴミの付着は無し。

Nikon Z 7はEOS Rほど高機能では無いものの、こちらも今のところ目立つゴミの付着は無し。(除塵ユニットの動作音が最も静かなのでレンズ脱着時に動作しているのか分からない)

そもそも論として、ソニーα7 IIIは除塵方式が時代遅れなセンサーシフト式である上に電源オフ時の動作に対応していない(手動操作のみ)。正直に言うと、そりゃあゴミ付くよね…という印象。初代α7は超音波センサーに加えて電源オフ時の動作に対応していたにも関わらず、手ぶれ補正ユニットを搭載してからは何故かシフト式へ移行。ちょっと理解しかねます。

レンズロックリリースボタンの場所

キヤノン・ニコンがマウント左側に配置されているのに対し、ソニーEマウントはマウント右下に配置。

好みの問題はあると思いますが、ソニーEマウントの配置を見るたび「ここにFnボタンあればなぁ…」と残念に感じます。

Nikon Z7は一眼レフと同じく前面にFnボタン2を2カ所配置。個人的に小型ボディのミラーレスで操作性を充実させるにはフロントFnボタンは必須と考えているので、Nikon Z 7の操作性には肯定的。

EOS Rはグリップーマウント間のスペースが最も広いにも関わらずFnボタンは無し。「ここは上位機種用(1系)の場所でっせ」と言わんがばかり。

攻めのキャノニコ・守りのソニー

2010年にスタートしたソニーEマウントと比べ、新しく登場したキヤノンRF・ニコンZのマウント仕様における優位性は高い。そしてすでに登場しているRFレンズ・Zレンズの一部は新しいマウントの可能性を感じる仕様となっています。

しかし、優位性を実際にレンズラインアップで体現できるかどうかは今後の展開次第。是非とも精力的にミラーレス用レンズをリリースして欲しいですねえ。

ソニーは比較的小さなマウントながら光学性能の高いレンズを矢継ぎ早にリリースし、既にかなり充実したラインアップとなっています。ソニーがこのアドバンテージを守り切れるのか、後続のキヤノン・ニコンがいかに短期間でラインアップを充実させるのか気になるところ。

ソニーは兎にも角にも第4世代で超音波除塵ユニットと自動動作対応を復活して欲しい。前述したように、いくら高機能なAFや充実したレンズラインアップでもゴミが付きやすいと萎えちゃうのです。せめてR系や9系くらい超音波仕様に出来なかったのか小一時間問い詰めたい。

今回使用した機材

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