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EOS RとNikon Z 7とα7 IIIを実際に使って感じた良いポイント・悪いポイント

気が付いたら「EOS R」「Nikon Z 7」「α7 III」と2018年に登場したフルサイズミラーレスを全て使っていたので、ざっくり感想をまとめてみました。

  • 2018-11-28:Z 7とEOS Rの使いこみが進んでいるので記事を部分的に加筆修正しました。

管理人の個人的な評価

異論はあるでしょうけども、私の感覚では以下の通り。(撮影は主に風景・娘・スナップ、移動手段は車)

詳しくはそれぞれのレビューページにて!

デザイン…EOS R >α7 = Z 7

EOS R

「小型軽量」という観点に捕らわれなければEOS R。特にトッププレートの金属感が良く、α7やZ 7と比べてマッチョで頼もしい感じ。

操作性は一癖も二癖もあるシロモノだが、MODE機能のボタン化やサブ液晶モニタを使った表示機能は他社と比べて精力的に開発していると感じられる。

Z

EOS Rと比べると少しコンパクトでα7よりもハンドリングは良好。小型化と操作性のバランスが取れたフルサイズミラーレス。

α7はZ 7がデザインを被せてしまったので、お互いに没個性化してしまった感がある。Z 7はもう少しD系の面影が欲しい。個人的に操作体系は上位機種と同じく4つ葉ボタン式が良かった。

EOS Rと同じくフロント・トップ・リア・ボトムと全体的に金属製。かなりしっかりとした作り。

α7

α7 IIIは同価格帯のEOS RやNikon Z 6と比べてリアカバーがマグネシウム合金に非ず。「剛性」と言う意味では他2機種と比べてやや劣る。

デザインは前述した通り、Zとデザインが似ているので少し没個性化した。

グリップ…EOS R > Z 7 > α7

EOS R

上記同様、EOS Rのマッチョ感が良い。ミラーレスカメラとしてはかなり大きく良好なカメラグリップ。

Z

Z 7はEOS Rほど大きくは無いがα7よりも握りやすい。グリップにくびれがあるので指がかかりやすくホールド感は強い。

グリップ周辺のボタンやダイヤル配置は一眼レフと酷似しているので違和感なく導入できる。新鮮さは無いが安心感は高い。

α7

α7はカメラプレートか追加グリップを付けたい。むしろ追加グリップを付けて一人前。

追加グリップが無いと大きなレンズは組み合わせたくない印象。小指が余る問題よりも、カメラを手で深く握りづらいのが問題な気がする。(グリップが小さく、指がかかり辛い)

操作性(撮影時)…Z 7 > α7 > EOS R

Z

Z 7はAFスティックの使いやすさやグリップ周辺のボタン配置を評価。良くも悪くも一眼レフと似た操作性がシンプルで使いやすい

フロントのFnボタン2カ所も評価したいポイント。フルサイズミラーレスでこれを採用するメーカーはなぜか少ない。ただし、押し易さ・使いやすさはマイクロフォーサーズのOM-DやLUMIXに劣っている。

カスタマイズに制限が多く、α7やEOS Rと比べてカメラの設定に迷わない反面、自由度は低く使いこみ要素は少ない。このポジションはキヤノンEOSだったと思うのだけど…。

α7

α7はAFスティックが微妙に陥没して使い辛い形状。また、グリップ周辺のボタン(特にC1/C2)やダイヤルが押し辛いうえに、露出補正ダイヤルが地味にモッタイナイ。

このあたりにソニー独自の哲学を感じる。これが肌に合うと他社より使いやすいと感じるはずだが、個人的には少し相性が悪い。

カメラ前部にFnボタンが無いのでカメラをグリップした状態で操作できるボタン数が少ないのも要改善点。

EOS R

EOS RはAFスティックが無いものの、M-Fnバーの設定次第で拡大操作やAFフレーム操作が他2機種より素早く操作可能。しかし、「理論上は」という枕詞を付ける必要がある。実際には誤操作が増えたり、出来そうで出来ない機能が多く、ブラッシュアップの必要性が高い。

「フレキシブルAE」という新機軸のAEモードを駆使することで露出設定の柔軟性はとても良好。ただし、専用のボタン配置とカメラ操作の習熟が必須で癖は強い。

操作性(ライブビュー・メニュー)…EOS R > Z 7 > α7

EOS R

EOS Rはタッチパネルシステムのデザインとレスポンスが秀逸。間違いなく他2機種よりも優れている。背面モニタでの撮影が多いのであればおススメ。

メニュー画面やライブビューはボタンレイアウトやサイズが良く考えられている。エルゴノミクスは明らかに良い。この辺りの操作性は一眼レフ現行機種のライブビューとあまり変わらない。

Z

Z 7は健闘しているものの、EOS Rほど洗練されてはいない。

例えばタッチで機能呼び出すとダイヤル操作を受け付けなかったり、タッチ操作限定なのにスライド操作に対応していなかったりと融通が利かない。まさにニコン。

とは言え、「i」メニューなどタッチ操作が可能となっているのはソニーα7と比べて良いポイント。

一眼カメラでタッチ操作が可能となったのは一眼レフでNikon D5500(2015年)、ミラーレスでNikon 1 V3・J4(2014年)とまだ日が浅い。(キヤノンはEOS 70DやX7iなど2013年に導入済)着実に進化しているので今後のブラッシュアップに期待。

α7

α7はそもそもタッチAFやプレイバック以外でタッチ操作ができない。この辺りは3世代を経てもなかなか改善されないポイント。第4世代に期待か?

ファインダー…Z 7 ≫ α7 > EOS R

Z

Zカメラの強み。半端なく力が入っている。

ファインダー倍率が大きいというだけでなく、Z 7は見た目に忠実で広いダイナミックレンジのファインダー像が素晴らしい。ファインダーの光学系も四隅までクリアでとても見やすい。

特に風景撮影では気持ちよくファインダーを覗くことが出来るカメラ。間違いなく優れていると断言して良いくらい。

クレイジーなZ 7の価格設定からすると「当たり前」と感じるかもしれないが、同ファインダーが20万円台のZ 6にも搭載されていると考えるとオーバースペック・過剰品質。

α7・EOS R

α7やEOS Rは少し電子ファインダーっぽさが強いOLEDらしい発色で可もなく不可も無く。

Z 7もOLEDのはずなのになぜか凄く見やすい。さらにフッ素コーティングされているのでお手入れ時にコーティングを痛める可能性が抑えられています。(私はEOS Rを掃除するときにやらかしました。ちなみにα7も採用しています)

モニター…EOS R > Z 7 > α7

EOS R

個人的にバリアングル大好きなので…。おまけに使いやすいタッチ操作も相まって背面モニターを使った撮影が楽しい。

バリアングル展開時でもファインダーのアイセンサーが動作してバリアングルモニタが消灯してしまうのは頂けない。

Z

Z 7も健闘しているが、前述の通りモニタ操作性がEOS Rほど洗練されていない。

チルトモニタの開閉はα7より簡単。

α7

α7はそもそもタッチAFにしか対応していないので使い勝手としては論外。

分かりやすさ…EOS R ≫ Z 7 > α7

EOS R

EOS Rは癖の強い新機構をいくつか備えているものの、分かりやすいメニュー・カスタマイズ画面で全く問題無く操作可能。この辺はキヤノンの良いところ。

カメラの操作に慣れは必要だが、理解するのは結構簡単。

α7

α7はとりあえず使ってみないと効能が分かりづらい機能が多い。機能や操作性で干渉や制限も多いので「自分のカメラ」として落ち着くまでに試行錯誤が必要。自由度は高いのだけど…。

Z

前述したように撮影時のシンプルさはZ 7が最も良好だが、機能の呼び出し方によってボタン操作だったりダイヤル操作だったり手段がちぐはぐしているのが気になる。モニタ上の表示も不親切。

カスタマイズ…α7 > EOS R > Z 7

α7

α7は一時呼び出し系の機能が多く、素早い設定変更に優れている。種類が豊富で選択肢が多いのでニーズに合ったカスタマイズをし易いのが特徴。

機能を理解して配置しないと数少ないボタンを有効に活用できないが、使いこなす楽しさがある。ガジェット系。

EOS R

EOS Rはα7ほど専門的なカスタム機能は無いものの、ISOやAFフレームなど基本的な設定値をシームレスに変更したい場合に長けている。

従来のEOSシリーズに慣れているとカスタマイズの自由度が高すぎて混乱するかもしれない。特にEOS Kiss Mより解禁された十字キーのカスタマイズはキヤノンユーザーにとって慣れが要るかもしれない。従来通り測距フレームのダイレクト選択も可能。

Z

Z 7は他2機種と比べるとカスタマイズの自由度が低い。一つ一つは悪く無いものの、機能の種類が少なく、割り当てることが出来るボタン数が少ない。ミラーレスカメラとして他社と比較すると少し物足りない。

フロントFnなど使いやすいボタン配置なのだけど、登録可能な機能が少ないのは残念。

一眼レフにあったAFフレームの一時切り替え機能(e.g.ボタン押している間だけ1点AFとか)が無くなっているのは残念。何故これを削ったし。

さらにサブセレクターの存在でマルチセレクターが要らない子になってしまっている。なぜカスタマイズ可能としなかったのか不思議でならない。

AF…α7 > EOS R > Z7

α7

α7のレスポンスは他2機種を圧倒。特に連写時の追従性は一眼レフに近いところまで来ている気がする。

さらに、顔検出と瞳AFの使い勝手は良好。被写体が遠くても検出可能で、一度検出すると外れにくい。

オートフォーカスが重要項目ならば第一候補。

EOS R

EOS RはワンショットAFや単写でのサーボAFがなかなか宜しい。

ただし、連写時のレスポンスがイマイチ(EOS Mシリーズのような挙動)なのでスポーツや小動物の撮影には不向き。

顔検出はZ 7より良好だが、後述する測光との絡みで使い辛い部分もあったりする。EOS Rの良い部分は常時開放測距となること。F1.8のレンズであれば、F値をF8に設定していたとしてもF1.8の状態で測距開始される。このため、暗所におけるAF動作が快適。

Z

Z 7は暗所で動作が鈍くなりやすいのが悩ましいところ。特にローライトAFが絡むとかなり遅くなる。

単写での追従AFはソコソコ良好だが連写が絡むとかなり厳しい。また、ロックオン系AFシステムが洗練されておらず、かなり使い辛い。

画質…Z 7 > α7 >EOS R

Z

より高価で高画素と言うこともあってZ 7はとても良い。高感度性能はα7に劣るものの解像性能でごり押しが効くのは便利。

同価格帯で同程度の画素数となるZ 6で比べても、豊富なピクチャーコントロールの仕上がり設定と自由度のある調整項目はおススメできる。

豊富なフィルター効果はBluetoothによる自動転送でSNSとの相性が良いように感じる。

α7

高感度性能は間違いなくトップクラス。ノイズリダクションのさじ加減も良い。ISO3200~12800辺りを多用するならコレがおススメ。

ローパスフィルターは効き目が薄く、正直に言うとローパスフィルターレスのようにシャープ。

Zと比べて仕上がり設定の調整項目はシンプル(シャープ・コントラスト・彩度)だが、プリセットは紅葉・夜景・クリア・ディープ・ライトなど面白いものが揃っている。

さらに動画撮影で重宝するピクチャープロファイル(PP)が用意されている。

EOS R

2機種と比べるとおとなしい仕上がり設定。一眼レフから特に進化したポイントは無く、従来通りの使い勝手。

高感度性能はまずまず良好で悪く無い。ただ、Zやαが良すぎて比較すると悪く見えてしまう不思議。ノイズリダクションはやや強めに作用し、もともとローパスフィルターが強めと言うこともあって解像感は劣る。

連写…α7 ≫ EOS R = Z7

α7

α7は他2機種と比べて追従AE時の連写速度が倍近い。フルサイズ一眼レフで追従10コマ秒の連写速度を叩き出すのはプロ用スポーツカメラくらいであり、それをこの価格帯で実現したのは凄い。

オートフォーカス性能も良いため、AF+連写が必要な場合は「α7 IIIでスタートラインとなる実用性」と言えるかも。

ついでにバッファも豊富でデュアルSDカードスロットのためデータ格納量も多い。(ただし片方はUHS-I)

Z・EOS R

Z 7とEOS Rの性能が悪いと言うよりもライバルが強すぎる。

EOS RとZ 7はそもそも連写速度が遅く、連写時のブラックアウト時間が長い。結果的に被写体追従性能が追い付いていない印象。小動物やスポーツなどで使うにはパフォーマンスが不十分と感じる。

連写速度自体は1~2世代前の高画素一眼レフ並みなので、特にこだわりが無ければこの連写速度で十分と言えるかもしれない。

ワンショットAFやAF-Sの場合はα7に近い性能となるので、足を引っ張っているのはAFシステムか?

測光…α7 > Z 7 ≫ EOS R

Z・α7

α7とZ 7はまずまず良好な使い勝手。

設定項目の種類や自由度からα7がより良好。例えば「顔検出時の優先測光」の存在は個人的にデカい。

Z 7はシャドー重視でハイライト側が少し弱いため、適正露出で撮影すると白飛びしやすいのがネックとなるかも。その辺を頭に入れて調整すれば全く問題無し。Nikon Z 7にはハイライト重点測光があるので積極的に使っていきたい。

α7にもハイライト重点測光はあるものの、Z 7と比べてダイナミックレンジの使い方はバランスが取れているので必要性はZ 7ほどでは無い。どちらかと言えば「画面全体平均測光」が面白い。

EOS R

EOS Rは全点AF以外の場合に測光がAFフレームと連動する。

これは他のカメラでも同様だが、EOS Rの場合はシャドーとハイライトにおける測光の差が極端すぎる。大きく振りかぶり過ぎてカメラマンが付いていけない印象。特に顔検出では検出時と非検出時の差が大きく、急に顔検出が外れると一気に露出がアンダーとなる。これを設定するメニュー項目は今のところ見当たらない。

バッテリー…α7 ≫ EOS R ≫ Z 7

α7

バッテリーライフの安心感はα7が他2機種より一回り良好。USB給電にも対応しているので電源入れっぱなしの撮影も出来ちゃうのは良い。USB端子は2スロットあるので給電とリモコンの併用も可能だったりする。

追加グリップ「縦位置グリップVG-C3EM」がα9・α7 R III・α7 IIIで共有できる点も地味にGood。

電源周りは第3世代で飛躍的に進化している。これと比べるとEOS RやZ 7はまだまだ感が強い。

EOS R

Z 7とEOS Rも電源管理をしっかりすれば特に問題とは感じないバッテリーライフ。長時間の連続撮影が必要な場合は追加バッテリーグリップか予備バッテリーを用意したい。

USB充電に対応しているが、対応する電源が限定される(USB PD対応)ため、環境によっては従来のバッテリーチャージャーで充電することとなる。

Z

なんとバッテリーグリップが存在しない。開発中らしいが、今のところ登場する気配がない。

バッテリーライフが短い上にUSB給電非対応・バッテリーグリップ無し、と言うことで現状Z 7の連続撮影時間を延ばす術が無い。使い方によっては大きくマイナスポイントとなるかも。

40万円のカメラにしてバッテリーライフ拡張手段が無いというのは何とかして欲しい。

アクセサリ…α7 ≫ EOS R > Z 7

α7

社外製アクセサリが揃っているα7は強い。

特にファインダーやボディケース、カメラプレートの充実っぷりが凄い。ボディがα9やα7R IIIとほぼ同じなので共用できるパーツも多い。

Z・EOS R

EOS RとZ 7は登場したばかりなので、対応アクセサリはまだ少ない。

これから充実するかどうか気になるところ。

通信機能…EOS R = Z 7 ≫ α7

EOS R

EOS Rは全体的に安定したシステムでGood。アプリの機能は豊富でレスポンスも良い。

ニコンSnapBridgeのようにBluetoothによる自動転送機能は無いものの、WiFiを使ってパソコンやスマホへの自動転送には対応している。

初期設定の解説はとても親切で分かりやすい。これで通信接続の設定を出来ないとなると他社のアプリは使えないかもしれない…。

Z

Nikon Z 7はEOSほど多機能では無く、遠隔操作の自由度は低い。

例えばISO設定などカメラ側で「AUTO」となっているとスマホ側で操作出来ない。さらに、露出モードはP/A/S/MのみでC1?C3の場合は遠隔操作不可な上にWiFiを切られてしまう始末。これはちょっと頭が固すぎる。

しかし、Bluetoothを使った自動転送機能が個人的にツボ。と言うか、この機能が無ければ酷評していた。

転送サイズは2Mと低解像限定だが、SNSにアップロードするなら丁度いいサイズ。スマホで家族と写真をシェアする時にも丁度良い。Bluetoothによる自動転送がここまで便利だったとは…。

惜しむらくは自動転送が開始されるまで少しタイムラグがあること。

α7

EOS RとZ 7は電源オフ時でもBluetoothからの画像転送に対応しているが、α7は電源オフ時の連携が出来ない。

さらにアプリ「Playmemories Mobile」の機能は限定的。第2世代までボディ側で対応していた「ボディ内アプリ」のような機能をアプリに盛り込めば飛躍的に面白くなりそうなのですけどねえ…。

レンズラインアップ…α7 ≫ EOS R > Z 7

α7

純正・社外製ともにα7が圧倒的。特に社外製の小型レンズが揃っているので小型軽量なミラーレスシステムを組みやすいのが強み。

ネイティブEマウント参入企業は電子接点対応レンズでシグマ・タムロン・ツアイス・コシナ・サムヤンと数多い。カメラ経由でレンズのファームウェアアップデートにも対応しているのが良い。

さらに中国ブランド(電子接点無し)でF0.95やF1.2など超大口径レンズや10-18mmなど超広角ズームなど奇抜なレンズも多数存在する。

ネイティブレンズラインナップの充実っぷりはハンパ無い。

おまけにレンズアダプターでキヤノンEFマウントレンズの互換性がある程度保たれているのは便利。

EOS R

RFマウントは新登場の規格ということもあって対応レンズは純正のみ。アダプターで親和性の高いEFレンズが多いのが幸い(特にステッピングモーターやナノUSM)。

レンズサイズを気にしなければ、豊富な一眼レフ用レンズを使用可能。動作は一眼レフとそこまで変わらないので違和感は無いはず。ただし、ソニーEマウント対応小型レンズのような選択肢は非常に少ない。

Z

EOS Rと同じく新規格のZマウント。対応レンズは今のところ純正のみ。対応レンズが少ないにも関わらず、Z 50mm F1.8の納期が延長されたのが痛い。光学性能はなかなか良好なので今後のロードマップに期待したいところ。

ミラーレスの駆動方式と相性の良いレンズが少なく、一眼レフ用でステッピングモーターを採用しているのは今のところAF-P70-300mmのみ。

風景写真…Z 7 ≫ α7 > EOS R

Z

Z 7は高解像な上に手振れ補正の効き目が強く、レンズ性能も良い。

色々と不満な点もあるけれど、何よりファインダーの見え具合がとても良い。画質や操作性は置いておき、ファインダーを覗いているだけで気持ちが良い。

風景撮影ならD850よりもこの機種を選びたいところ。

α7

同じくα7もボディ内手振れ補正を搭載しているので便利だがファインダーの見やすさとAFジョイスティックの使いやすさでZ 7に軍配が上がる。

ダイナミックレンジのバランスが良いのでRAWを扱いやすい。

EOS R

EOS Rは手振れ補正が搭載されていないため、手持ちスローシャッターが難しく、手振れを抑えるため通常撮影でISO感度が上がりやすい。

また、Z 7やα7と比べてシャドー持ち上げ耐性が少し弱い。

家族写真…α7 > Z 7 = EOS R

α7

α7はFE28mmなど小型レンズと組み合わせることで携帯性の高さが強みとなる。

瞳AFが使えるシーン、連写が必要なシーン、強烈なシャドー持ち上げが必要なシーン(DLO Lv5)など色々な場面に対応できるのは凄い。

Z

Z 7は顔検出とロックオンAFのスイッチが不安定で使い辛い。また、屋内でオートフォーカス性能が顕著に悪くなるのも悩ましいところ。

EOS R

カジュアルに撮影を楽しむならEOS Rが使いやすく、バリアングルと相性も良い。顔検出も良好でサーボAFはまずまず良好に動作する。

ネックは前述したように顔検出時と非検出時における露出の変化。これが少し大きすぎる。顔検出は正面を向いていても遮蔽物や角度によって非検出となる場合もあり、露出がイチイチ変化するのがとても目障り。α7のように画面全体平均測光やスポット連動測光のオフ設定があればいいのだけど…。

スナップ…α7 > EOS R = Z 7

α7

前述したようにα7にはコンパクトなレンズが揃っている。オートフォーカス性能も良好で快適で軽快なスナップ撮影が楽しめるはず。高感度性能も良好。

EOS R

アダプター経由でEF40mm F2.8 STMなど小型レンズを装着可能。アダプターのコントロールダイヤルにより設定値を操作しやすく、Fvモードを使うことで素早く露出値の変更が可能。

Z

α7やEOS Rのような軽快さは無いものの、ピクチャーコントロールに内包されたフィルター効果が多様で面白い。

物撮り…α7 > EOS R > Z 7

USB給電に対応しているα7が便利。

EOS R

EOS Rは無線テザー撮影が出来るので便利。

カメラ別ポイント

EOS R

ここがポイント

  • バリアングル+タッチパネルが使いやすい
  • 巧みなユーザーインターフェース
  • グリップが大きく握りやすい
  • ボディ内手振れ補正が無い・マルコンが無い

使い勝手はいつものキヤノン

良くも悪くもEOSらしいミラーレス。

操作性が多少新しくなっているものの、使ってみると「いつものキヤノン」と感じるはず。カスタマイズの自由度が高まっているものの、他2機種と比べてシンプルな機能が多く戸惑うポイントは少ない。ただ、5D Mark IVなど高級機の操作性と言うよりは6D Mark IIやKiss寄り。

バリアングル+タッチパネル

おススメはフルサイズミラーレス初となるバリアングル&タッチパネルモニタの組み合わせ。

キヤノンユーザーならお馴染みの使い勝手そのままにミラーレスを使うことが出来る。カメラにタッチパネルを導入して月日が経っているだけに、他社と比べてタッチインターフェースの洗練さが明らかに違う。

ぶっちゃけると、ファインダー覗いて撮影するより背面モニタを確認しながら撮影した方が楽。

巧みなインターフェース

分かりやすく使いやすいメニュー画面、分かりやすいヘルプ画面、分かりやすいカスタマイズなどなど、説明書を読まなくてもサクッとカメラを使えてしまう。挙げるとキリが無いので、例えば…

  • ダイヤルファンクションとサブモニタが連動する表示システム
  • コントロールリングを使ったプラスαの操作性
  • 干渉機能を分かりやすく表示するメニュー画面
  • スライド操作に対応した滑らかなタッチパネル操作
  • 誤操作防止のボタン配置など細かな配慮
  • 電源オフ時シャッター閉幕によるセンサーへのゴミ付着の予防

ボディ内手振れ補正やマルコンが無い

この2点で購入に踏み切れない一眼レフユーザーも多いはず。もし迷っているなら、とりあえず次のRFマウント機を待つのが得策。正直に言うと、Z 7やα7と比べると明らかに見劣りするポイント。

タッチ&ドラッグAFはバリアングルモニタを裏返したり、グローブを装着していると使えない。十字キーによる操作は期待している移動速度に達していない、ダイヤル操作は素早く操作できるもののボタン操作と組み合わせる必要がある…などなど、マルコンの代わりとなるには力不足。

ボディ内手振れ補正を導入していない点にも注意したい。RFレンズの光学手振れ補正は優れているものの、対応できないシフトブレや回転ブレがどうしても目立ってしまう。Z 7やα7と比べて三脚が必要と感じるシーンは多い。

キヤノンユーザーならアリな1台

α7やZ 7と比べて特に秀でたカメラパフォーマンスでは無いものの、現役キヤノンユーザーやエントリーフルサイズカメラとしておススメ。

α7 III

ここがポイント

  • 5軸手振れ補正内蔵
  • レスポンスの良いオートフォーカス&瞳AF
  • カスタマイズの自由度が高い
  • 社外製アクセサリーが充実
  • 純正+社外製レンズが充実(小型軽量レンズが多い)
  • USB給電対応の端子が二つある
  • 特にこれと言った欠点が無い

改善を重ねた第3世代

元祖フルサイズミラーレスである「α7」は色々と不満な点があったものの、改善を積み重ねて信頼を勝ち得た第3世代。

ボディ内手振れ補正をM2で導入し、改良型バッテリーやAFジョイスティック、タッチパネル、高速シャッターユニット、成熟した像面位相差AFシステムなどなど、よくぞ小型ボディにこれだけ詰め込んだなと感じる出来栄え。

ボディデザインやメニューシステムなどソニー色が強い部分はあるものの、初めて触るカメラがコレなら特に問題とは感じないはず。

実用的なオートフォーカスと連写性能

従来までは「オートフォーカスなら一眼レフ」というイメージが強かったミラーレスの印象を覆すパフォーマンス。まだ、局所的に一眼レフの優位性を感じるものの「いずれは一眼レフ以上の使い勝手になるだろうな」と思わせてくれる。

この点でEOS RとNikon Z 7はα7に追いついていない。特に連写を絡めた追従オートフォーカスでは差が顕著となる。

レンズラインアップが豊富

一足先にカメラシステムを構築してるだけあって、キヤノンやニコンと比べてレンズの充実度は圧倒的。

ミラーレスに特化した小型レンズ(特に広角ズームや単焦点レンズ)が多く、フルサイズの利点と機動性を併せ持つシステムが組めるのは今のところソニーだけ。

純正は比較的高価なレンズが多いものの、オープンなEマウントだけあって安価な社外製レンズが充実しているのもGood。

無難な選択肢

特にこれと言った否定材料が無く、10コマ追従連写やAF性能を持つので比較的動き物にも強い。特に苦手な被写体が無い無難な選択肢。

敢えて問題を提起するとしたら、他2台と比べてセンサーにゴミが付きやすい(経験談)。

あとは「ははは、こいつめ!」と言った可愛げがない。ちょっと言葉では表現し辛いのだけど、カメラとして愛でる部分が少なかったり、老舗カメラメーカーのスタンダードとは少し異なる操作性だったりする。

Nikon Z 7

ここがおススメ

  • 5軸手振れ補正内蔵
  • 見た目に忠実な電子ビューファインダー
  • 使いやすいサブセレクター
  • 仕上がり設定の選択肢が幅広い
  • SnapBridgeの自動転送機能
  • 低照度でのオートフォーカス性能が悪い

とにかくファインダーが見やすい

初めファインダーを覗いた時は「普通だねえ」と感じたのですが、その目で見たまんまの「普通っぽさ」が他2台よりもかなりイイ。

特に風景撮影などコントラストが強すぎるシーンでその差を実感。

カメラ性能は置いておき、ファインダーを使った撮影体験が一番楽しかったのはこのカメラ。

操作性は良いが…

カメラをグリップした状態で最も使いやすかったのがこのカメラ。特にサブセレクターやシャッターボタン周辺のデザインがGood。良質なファインダー像と相まって気持ちよく撮影が出来る。

その一方でカスタマイズ自由度の低さやオートフォーカスシステム(F5.6まで実絞り、ロックオンAF)などは付け焼刃な印象を受ける。この辺りはキヤノンやソニーと経験値の差が大きいと感じる。

これぞミラーレスの仕上がり設定

ピクチャーコントロールの自由度が高く、デジタルフィルターを同じ枠に組み込んだのは評価できるポイント。

ファインダーで露出結果、カラープロファイルを反映できるミラーレスならではと言った高機能な仕上がり設定となっている。

SnapBridgeによるBluetooth自動転送でSNSとの親和性が高い点もGood。40万円のカメラですることでは無いかもしれないが、これが結構面白い。

連写とAFに寛容なら楽しめる1台

おそらく競合カメラはソニーα7R III。レンズは充実しているし、連写やオートフォーカスは圧倒的に有利。そして(比較して)安い。

正直に言うとスペックシートを見る限りZ 7を積極的に選ぶ理由は存在しない。しかし、実際に使ってみるとセブセレクターの使い勝手だったり、ファインダー像の見やすさだったり、レンズの描写性能だったり、Z 7を選ぶ理由はいくつかある。

まとめ

好きな部分 不足している部分
EOS R
  • 外観
  • タッチパネル
  • バリアングル
  • 分かりやすさ
  • メニュー画面
  • 通信機能
  • 連写性能
  • マルコン無
  • 手振れ補正無
  • レンズ種類
α7 III
  • 連写性能
  • AF性能
  • レンズ種類
  • アクセサリ
  • 手振れ補正
  • タッチパネル
  • 分かりやすさ
  • ボタン数
  • 通信機能
Z 7
  • 手振れ補正
  • ファインダー
  • サブセレクター
  • ピクチャーコントロール
  • SnapBridge
  • 連写性能
  • AFシステム
  • レンズ種類
  • カスタマイズ

「最終的にどれか1台を残すとしたら?」という問いに答えるのはとても難しい。

現状でソニーα7は最も完成に近いカメラシステムであり、1つのカメラシステムで写真ライフを楽しむのであれば、現状はソニー1択。

ただ、「気持ちよくカメラを使いたい」という部分がソニーには少し不足しているように感じる。要は遊び心をくすぐるポイントが少ない。

その点でニコンやキヤノンは「わかってらっしゃる」と感じる部分が多い。もちろん要改善はソニーよりも多く、現状で欲求を全て満たすような仕様ではないが、将来的にそのギャップを埋めるなら積極的に選びたいのはニコン・キヤノン。

一眼レフと併せて使うならNikon Z 7。内蔵手振れ補正で一眼レフには出来ないことを実現でき、ファインダーは光学ファインダーにとても近い描写。動き物は一眼レフ、風景や静物はミラーレスと言った使い分けが出来る。

EOS Rは将来的にソニーに取って代わるカメラシステムとなる予感。ソニーが「使いやすさ」をキヤノン並に強化するのが先か、キヤノンが「パフォーマンス」をソニー並に強化するのが先か、今後の動向が気になるところ。

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