キヤノンEFマウントの撒き餌レンズ「EF50mm F1.8 STM」が4500万画素のフルサイズミラーレス「EOS R5」でも十分使えるレンズなのか、前回の解像力チャートテストに続き、無限遠の風景撮影でレンズの性能をチェックしてみました。
EF50mm F1.8 STMはR5でもイケちゃうか?
レンズのおさらい
レンズ概要
初代「EF50mm F1.8」が1987年に登場、その後1990年に「EF50mm F1.8 II」が投入され、25年のロングセール後に現在の「EF50mm F1.8 STM」がリリースされました。
レンズ構成は初代から変わらない「標準の定石」と言われた5群6枚のガウスタイプを継承。ただし絞り羽根は5枚から7枚に増え、AF駆動はギアタイプのステッピングモーターを採用してフルタイムマニュアルに対応しています(ワンショットAF限定)。さらに従来より最短撮影距離が短くなり、クローズアップ撮影の可能性が高まっています。
晩酌を我慢することで購入できた先代と比べるとやや高くなってしまいましたが、それでもフルサイズ用の50mm F1.8としては非常にリーズナブルな価格設定で購入可能。フルサイズユーザーを始め、APS-Cユーザーも最初に手にした単焦点レンズという方も多いのはず。
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EF50mm F1.8 II | |||
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レンズポーチ LP1014 | |||
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レンズフード ES-68 | |||
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レンズキャップ E-49 | |||
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撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:EOS R5
- 交換レンズ:EF50mm F1.8 STM
- LEOFOTO LS-365C+G4
- EOS R5のRAWファイルを使用
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
テスト結果
中央 | 周辺 | 四隅 | |
F1.8 | |||
F8.0 |
基本的に解像力チャートと同じ傾向。絞り開放からキレッキレの光学性能と言う訳ではありませんが、極端に甘い描写でもありません。そして絞ると十分満足のいく解像性能を発揮します。
中央領域は絞り開放付近で軸上色収差・球面収差の影響と見られるコントラストの低下が発生しています。ピントの芯はしっかりと掴めますが、キレを求めるのであれば1段程度は絞りたいところ。F2.8まで絞るとコントラストが向上し、F8までピークが継続します。F11付近から回折の影響で画質が軟化し始め、F22で最もソフトとなります。キレを求めるのであれば使ってF11まで。
周辺領域は絞り開放で中央より1?2ランク画質が低下します。正直、開放付近を風景撮影で使うのは忍びなく、少なくともF2.8、出来ればF4~F5.6まで絞りたいところ。ピーク時は中央とほぼ同等のパフォーマンスを発揮しているように見えます。
四隅領域は解像性能云々の前に周辺減光による影響が大きい。デジタル補正可能ですが、増感分のノイズが目立つので注意が必要。減光を解消するにはF4まで絞る必要があります。それでも画質的にはまだ甘さが残っているので、出来ればF5.6~F8まで絞りたい。特にF8まで絞れば中央と遜色の無い解像性能を得ることが出来るので、積極的に絞りたいところ。シンプルな光学設計ながら、ここまで安定するのは凄い。
EF50mm F1.8 STMはまだまだ現役
EOS R5の解像性能を最大限活かすにはあと一歩及ばずのピーク性能ですが、小さいことに拘らなければ十分以上の結果を期待することが出来ます。絞り開放の解像性能はやや甘めのため、少なくともキレを求めるのであればF2.8~F4まで絞ると良いでしょう。
EOS R5のために追加購入する価値はあるか?と言うと、現時点でRF50mm F1.8が存在しないので、購入するか価値はあるとお思います。ボケや色収差には多少の妥協が必要ですが、少なくとも解像性能は絞ることで十分に満足のいく性能と言えるでしょう。
購入早見表
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