キヤノン「EOS R8」のレビュー第三弾を公開。今回はカメラのダイナミックレンジについて、いつものテスト環境でチェックしています。
EOS R8のレビュー一覧
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.8 JPEG 編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.7 メニュー・カスタマイズ 編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.6 解像性能 編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.5 AF編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.4 ドライブ・連写編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.3 ダイナミックレンジ編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.2 ISO感度編
- キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.1 外観・操作編
- キヤノン EOS R8 Hands-on 外観と起動時間やシャッター音の確認
テスト環境
- EOS R8
- 70mm F2.8 DG HSM + MC-21
- Leofoto LM-363C
- Leofoto G4
- NANLITE Pavo Tube II 6C
・CCT mode
・5600K
・100%
・G/M ±0 - 露出:
・適正:1/5秒・ISO 100・F5.6
・アンダー:1/160秒・ISO 100・F5.6
・オーバー:6秒・ISO 100・F5.6 - 撮影
・シングルショット
・メカニカル / 電子 - RAW
・Adobe Camera RAW
・シャープネスオフ
・ノイズ補正オフ
・レンズ補正オフ
・色温度:5600K 固定
・色被り:-17 固定
メカニカルシャッター
RAW
5EVのアンダーから復元してもノイズが少なく良好な画質を期待できます。ノイズフリーとまでは言えませんが、よく抑えられています。3EVのオーバーまでは白飛びが無く、良好な画質を維持しています。 競合カメラの裏面照射型2400万画素センサーと比較して差はほとんどありません。
C-RAW
過去のC-RAWはシャドウ 側のダイナミックレンジが少し狭くなる傾向が見られました。EOS R8でも極端なシャドウにおいて、RAWと比較してカラーノイズが若干 目立ちます。深いシャドウを復元しない限り、通常のRAWと比べて遜色なく、画質に目立った欠点はありません。RAW現像の主な目的な色の調整であればC-RAWで全く問題ないでしょう。露出やトーンの調整を重視するのであれば、RAWの使用がおススメです。
電子シャッター
RAW
キヤノンの電子シャッターはダイナミックレンジが狭くなる傾向があり、 このカメラも例外ではありません。メカニカルシャッターでC-RAWを使うよりもダイナミックレンジは狭くなります。風景撮影など シャッター ショックを抑えたい場所で電子シャッターを使いたいところですが、ダイナミックレンジの低下を考慮すると 電子先枠 シャッターを使用した方が良いでしょう。
C-RAW
メカニカル シャッターと電子シャッター ほどの大きな違いではありませんが、 電子シャッターでC-RAWを使用するとさらにダイナミックレンジが低下します。 このカメラで最もダイナミックレンジは狭くなるのは電子シャッターでC-RAW使用時。ただし、 最もダイナミックレンジが狭くなる 設定でも適正露出周辺のノイズやハイライトの白飛びはよく抑えられています。RAW現像でシャドウを極端に持ち上げない限り、電子シャッターのC-RAWで問題ありません。
高輝度・諧調優先
高輝度・諧調優先モードでメカニカルシャッター・RAW出力
(ISO 200に増感するものの、露出は上のテストと同じになるように調整)
通常と露出を揃えた状態でも高輝度・諧調優先モードでは ハイライトの白飛びがよく 抑えられていることがわかります。 被写体にハイライトが多かったり、白飛びを避けたい場合は高輝度・諧調優先モードを積極的に使いたいところ。 現状でメニュー画面に戻らないと設定を変更できないのは悩ましいところ。ボタン カスタマイズで素早く切り替えたいのです。白飛びに強くなる一方、シャドウ側のノイズはやや強めに発生。それでも電子シャッターを使った時よりも柔軟性が高いため 特に問題はありません。 もちろん 電子シャッターを使い高輝度・諧調優先モードを 使用した際は さらにダイナミックレンジが狭くなると思われます。
まとめ
キヤノンカメラのダイナミックレンジが狭かったのは過去の話。EOS RPは6D Mark II由来と思われる2620万画素センサーを使用しており、ダイナミックレンジは当時の最新モデルと比べると狭かったです。しかし、このEOS R8はR6 Mark IIと同じ最新の2420万画素センサーを搭載し、裏面照射型の競合モデルと比べて遜色のないパフォーマンスを発揮。輝度差のあるシーンでも柔軟性の高いRAWで後処理することができます。
注意点として、電子シャッターやC-RAWを使用することでシャドウ側のダイナミックレンジが狭くなります。静穏性を重視したり、低反動や大口径レンズの露出ムラを回避するために電子シャッターを利用したいところですが、ダイナミックレンジが犠牲となってしまいます。これは連写時のみならず、シングルショットの電子シャッターでも影響があるので避けることができません。特に電子シャッターとC-RAWの組み合わせでノイズが発生しやすい点に気を付ける必要があります。
参考情報
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