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キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.7 メニュー・カスタマイズ 編

キヤノン「EOS R8」のレビュー第七弾を公開。今回はカメラのメニューシステムの操作性やボタンカスタマイズなどをチェックしています。

EOS R8のレビュー一覧

メニューシステム

動画でメニュー一覧を確認する

操作性

  • フロントダイヤル:ページ移動
  • リアダイヤル:上下カーソル移動
  • INFOボタン:カテゴリ移動(右方向)・ヘルプ・機能ごとの役割
  • MENUボタン:前に戻る

基本的には従来通りの操作方法。3ダイヤルの上位機種と異なり、リアダイヤルが上下カーソル移動で、INFOボタンを押すことで右方向のカテゴリ移動が可能となっています。(R5などはリアダイヤルでカテゴリ移動、INFOボタンは移動に使用せず)

INFOボタンでカテゴリ移動ができることを把握しておかないとペース数が多いEOS R8は操作し辛いはず。右方向のみで使い辛いですが、無いよりまし。タッチパネルの操作も可能ですが、ボタン操作と組み合わせるのは難しいです。

厄介なのは「戻る」機能を備えたMENUボタンが左肩にあること。このボタンを操作するためには左手を使う必要があります。ボタンカスタマイズで他のボタンに登録可能ですが、ソニーのように戻る機能まで共有することは出来ません。もしも右手で「戻る」を押したい場合はタッチパネル上のボタンを押す必要があります。

撮影メニュー

10ページ50機能。従来と比べてカメラが高機能化しており、同時に設定項目が増え、ページ数も増加しています。フロントダイヤルでページを素早く移動できるとは言え、ページ数が少し多すぎるように感じます。そろそろカテゴリ分けした第二層を作ってほしいところ。

ラインアップの中では下位の位置づけとなる本機でも撮影機能が一通り充実しているのは強み。RAWバーストやフォーカスBKTをはじめ、OVFビューアシストやクイック設定カスタマイズなど、最新の機能が備わっています。

AFメニュー

このクラスのEOSとしては珍しく、充実したAFシステムに対応。撮影メニューと同じく、キヤノンの最新AFシステムとしては一通り揃っています。サーボAFのカスタマイズをはじめ、フルタイムマニュアルなどフォーカスリングの調整、縦位置・横位置の切替など。

EOS R8はAFジョイスティックがないので、初期設定ではオフとなっている「タッチ&ドラッグAF」をオンにしておくことをおススメします。タッチ判定のエリアや感度などを調整可能となっているので、他社と比べると使い勝手の良いシステム。

再生メニュー

再生メニューも4ページ26機能と充実。ボディ内RAW現像やHEIF/JPEG変換、クラウドRAW現像などにも対応しています。40fpsの高速連写に対応しているので、連写時における一連のカットをグループ化できる機能が欲しかったところ。

通信メニュー

特筆すべき項目がないので割愛。従来通り使いやすい通信機能です。

セットアップメニュー

特筆すべき項目がないので割愛。あえて言えば、上位機種と異なりシャッター閉幕機能がないため、センサーに小ゴミが付く機会は多いはず。センサークリーニングの回数は多いほうが良いかもしれません。

カスタムメニュー

特筆すべき項目がないので割愛。カスタマイズについては後述します。

マイメニュー

従来通り、使用頻度の高い機能をマイメニューにまとめることが出来ます。機能の追加は全項目から一つ一つ選ぶ必要あり。追加したい機能を見つけるのに苦労します。個人的にはオリンパス/OMデジタルのように、通常のメニュー画面から登録できる方式が好み。

カスタマイズ

カスタマイズボタン・ダイヤル

半押し時にAF・AEを連動させるか、させないかを変更できます。全押し時のレリーズを他のボタンに割り当てることは出来ません。

M-Fnボタンと同じく人差し指で素早く操作できる場所にあります。使用頻度の高い設定を登録しておきたいところ。登録できる機能が多く、自由度が高い。

基本的には動画撮影ボタンと同じ。初期設定ではEOSではお馴染みのダイアルファンクション機能が登録されています。便利な機能であり、このまま使う人も多いはず。ただし、従来のダイヤルファンクションとは操作性が異なるので注意が必要です。(8つの設定を登録でき、2つ同時に操作が可能)

基本的にはM-Fnや動画撮影ボタンと似ていますが、「AF開始」を登録できる点で異なります。もしも一眼レフライクな「親指AF」でカメラを操作したい場合、レリーズボタンのAF動作をオフにして、AF-ONボタンでAFを動作させることで対応可能。

AF-ONボタンと同じ。こちらにも「AF開始」を登録できます。

「*」ボタンの下部にあるボタンですが、こちらでは「AF開始」を登録することができません。

上下左右の方向ボタンは「AFフレームダイレクト選択(ボタン押せば直ちにAFエリアの移動が可能)」以外を選ぶことで4か所それぞれに任意の機能を割り当てることが可能。これにより、コンパクトなEOS R8でも物理ボタンに豊富なショートカットを登録することが出来ます。

積極的に活用したいところですが、EOS R8にはAFジョイスティックがありません。「AFフレームダイレクト選択」を利用しない場合、素早くAFエリアを微調整する手段がなくなってしまうのが悩ましいところ。タッチ&ドラッグAFを利用するか、どこかのボタンに「AFフレーム選択」を設定する必要があります。

方向ボタン中央のSETボタンもカスタマイズ可能。個人的にはここに「AFフレーム選択」機能を割り当てることで、方向ボタンの役割を素早く切り替え、AFエリアの移動ができるようにしています。

レンズ側にFnボタンがある場合はカスタマイズした機能を利用可能。登録可能な機能は非常に多く、AF-ONボタンと同様にAF開始を登録することが出来ます。

新しい接続方式のスピードライト装着時には専用ボタンをカスタマイズ可能。

前後の電子ダイヤルはそれぞれ機能の変更が可能。前後のダイヤルで登録できる機能が異なるものの、カスタムメニューの「前後ダイヤル入れ替え」機能を使用することで役割を入れ替えることが出来ます。

レンズのコントロールリング機能をカスタマイズ可能。誤操作しやすいので、気になる場合は「測光ボタン(シャッター半押し等)押しながら」に限定した操作を選ぶのがおススメです。

ボタンカスタマイズ

古いEOSミラーレスと比べると登録できる機能が増えています。MENUボタンやクイックメニューボタンも自由にカスタマイズできるため自由度が高い。ボタンごとの割り当て可能な機能一覧はコチラを参照してください。

ダイヤルカスタマイズ

前述の通り、ダイヤルによって登録できる機能が異なります。(画像を確認してください。)

クイックメニュー

他の最新EOS Rシリーズと同じく、Qメニューをカスタマイズできるようになっています。最大で11枠に機能をそれぞれ設定可能。物理ボタンの少ないEOS R8だからこそ、使えるショートカットの枠は最大限活かしたいところ。

登録できる機能は実用的な機能が揃っていますが、中には「メインメニューへのショートカット」的な場合もあります。(例えばRAWバーストやHDRなど)これらはマイメニューなどから呼び出す手間とほぼ同じであるため、他の機能を優先して登録するのがおススメです。

設定後は実際の配置を確認しながら表示順の変更が可能。

カスタム撮影モード

EOS R8はモードダイヤルにカスタム撮影モード枠が2つあります。応用撮影モード(P/Tv/Av/Fv/M/B)の撮影設定やカスタマイズ設定などを記憶させておくことが可能。例えば風景撮影用と動体撮影用の設定を素早く切り替えたい場合などで重宝します。

現在の設定をカスタム撮影モードC1/C2に登録できるほか、「自動更新」をオンにすることでカスタム撮影モード中にリアルタイムで設定を変更することが可能。ただし、他社のカスタムモードと比べて残念と感じるのは以下の通り。

  1. カスタム撮影モードの設定読み出しができない
    (上位機種は対応しています)
  2. カスタム撮影モードのバックアップができない
    (上位機種は対応しています)
  3. 電源オフでも”一時的”に設定を維持できる機能がない

1と2はカメラのクラスを考慮すると妥協範囲内ですが、3は将来的に対応すると嬉しいです。

まとめ

小型軽量で手ごろな価格のフルサイズミラーレスとしては充実したメニューシステム。タッチ操作に対応しており、良好な操作性で応答性も良好。このクラスとしてはカスタマイズの自由度も高く、初心者から玄人まで、長く使えるカメラに仕上がっています。

一方で、従来のEOSユーザーからすると少し気になる部分もあります。2ダイヤル操作は少し面倒で複雑。そしてMENUボタンの位置も微妙で操作性が良いとは言えません。さらにINFOボタンを使った右方向のカテゴリ移動に関しては慣れが必要と感じました。また、豊富なカスタマイズもAFジョイスティック非搭載をカバーするために、自由度が少し低下することでしょう。

EOS RPと同じデザイン、サイズを継承しているのは理解できるものの、価格も上昇しているので操作性にはもう少し力を入れてほしかったところ。個人的にはEOS R10のようなデザインが良かったです。

重箱の隅を楊枝でほじくるのような見方をすると操作性が気になるものの、サイズと価格のわりに機能的なカメラに仕上がっています。Qメニューやボタンカスタマイズ、M-Fn機能を活かすことで、操作し辛いメインメニューを呼び出す機会は少なくなるはず。

参考情報

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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