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キヤノン EOS R8 徹底レビュー Vol.4 ドライブ・連写編

キヤノン「EOS R8」のレビュー第四弾を公開。今回はカメラの連続撮影速度やバッファ、ドライブ性能などをチェックしています。

EOS R8のレビュー一覧

連写・ドライブ

仕様の確認

撮影速度

  • 高速連続撮影+:
    ・最高約6.0コマ/秒 (電子先幕)
    ・最高約40コマ/秒 (電子シャッター)
  •  高速連続撮影:
    ・最高約6.0コマ/秒(電子先幕)
    ・最高約20コマ/秒(電子シャッター)
  • 低速連続撮影:
    ・最高約3.0コマ/秒(電子先幕)
    ・最高約5.0コマ/秒(電子シャッター)
  • 全速 AF/AE 追従

価格設定を考慮するとメカニカルシャッターの撮影速度が非常に遅いものの、電子シャッターは驚異の40fpsに対応。同クラスでは間違いなく最速で、この上ない選択肢。高速連続撮影の「20fps」ですら実現しているカメラは少ないです。

連続撮影可能コマ数 RAW

  • 電子シャッター40fps:約51枚
  • 電子シャッター40fps SD UHS-II:約56枚
  • 電子先幕 6fps SD UHS-II:1000枚以上

使用するメモリーカードがSD UHS-IIまでのため、連続撮影可能なコマ数は少なめ。40fpsを使用すると1秒ちょっとでバッファが詰まる点には注意が必要です。

シャッタースピードなど

  • 電子先幕シャッター:1/4000~30秒
  • 電子シャッター:1/8000~30秒
  • 電子シャッター Tv・M:1/16000秒~30秒
  • ステップ幅:1/3、1/2、1ステップに変更可能
  • 撮影モードMでは900秒まで延長可能
  • 電子先幕、電子シャッター
  • 同調速度:電子先幕 1/200秒

EOS R8は先幕メカニカルシャッターが無いため、電子先幕限定。この仕様はEOS RPと同じであり、大口径レンズ使用時には注意が必要です。(電子先幕シャッターで高速シャッタースピードを利用すると露出ムラやボケが欠ける現象が発生する)

電子シャッターで1/8000秒、1/16000秒まで利用でき、ローリングシャッター性能も良好であるため、基本的には電子シャッターを使うのが基本になるのかなと思います。ただし、電子シャッターではダイナミックレンジが低下するため、風景シーンなどでは電子先幕シャッターを使用したほうが良いでしょう。

RAWバーストモード

最新のEOS RシリーズらしくRAWバーストモードを搭載。撮影後の写真はひとまとまりの「RAWバースト」ファイルとなり、任意のコマを抜き出してRAWやJPEG、HEIFとして出力することが出来ます。失敗したカットをまとめて削除したり、成功カットを選びながらRAw出力できる点が便利。

さらにEOS R8では約40コマ秒の撮影速度で0.5秒までのプリ連写機能に対応しています(=最大20枚までのプリ連写が可能)。オリンパスの120fpsプロキャプチャーモードほどではありませんが、RAW出力対応でプリ連写機能を使えるフルサイズカメラは貴重な存在です。

バッファ・バッファクリアのテスト

撮影環境

  • RF24-105mm F4 L IS USM
  • MF
  • 1/8000秒・F4・ISO 64
  • RAW/C-RAW/JPEGをそれぞれテスト
  • 5秒/10秒/15秒の連続撮影で得られた枚数を計測

RAW

5秒 10秒 15秒
5コマ秒 25 51 75
20コマ秒 54 79 101
40コマ秒 52 69 92

高速連写に対応していますが、50枚程度のバッファは5秒と持たずに使い切ってしまいます。結果として、20コマ秒と40コマ秒の撮影枚数には大きな違いがありません。そして、面白いことに40コマ秒より20コマ秒のほうが撮影コマ数が多くなっています。

これは40コマ秒時にバッファが詰まるとある程度のバッファが回復するまでシャッターが切れなくなってしまうため。20コマ秒でもバッファが詰まると撮影が止まってしまうものの、今回のテストではタイミングの問題か20コマ秒に軍配が上がる。

C-RAW

5秒 10秒 15秒
20コマ秒 100 113 147
40コマ秒 89 108 142

ファイルサイズが小さいC-RAWに切り替えると、5秒までなら倍近い撮影枚数を稼ぐことが出来ます。その後はバッファが詰まり、急降下。最終的には20コマ秒でも40コマ秒でもSD UHS-IIの書き込み速度が足を引っ張ります。

JPEG

5秒 10秒 15秒
40コマ秒 98 148 206

最もファイルサイズが小さなJPEGの場合、5秒までならC-RAWと同程度。10秒以降はバッファクリア速度の差なのかC-RAWよりも多くの撮影が可能となっています。

オートISOの低速限界

EOS RシリーズはISOオートの場合にシャッタースピードの下限を設定して自動的にISOを調整する機能を搭載しています。下限設定を下回りそうな場合、ISO感度が自動的に上昇し、シャッタースピードを維持。

自動設定では装着したレンズに合わせて手ぶれが発生しない程度に自動的に下限が変更されます「(1/焦点距離=低速限界のシャッタースピード)。また、自動設定の場合は1段刻みで前後3段分の調整が可能。

手動設定時は1段刻みで1秒から1/4000秒までの設定変更が可能。被写体ぶれを抑えたい時は1/60秒や1/500秒など、シチュエーションに合わせたシャッタースピードを選ぶと良いでしょう。ただし、この設定を忘れていると、必要ないのに高速シャッタースピードを維持しようとするので注意が必要です(無駄に高ISO感度になる)。

ローリングシャッター

イメージセンサー全体を一度に露光出来るのが理想的ですが、現在は発熱やノイズなど、様々な問題から(民生用カメラでは)実現に至っていません。現在はイメージセンサーの上から下まで段階的に読みだしていく「ローリングシャッター」方式が一般的。言葉で説明しても難しいので、下部の動画を参考にしてください。

コンシューマー向けのデジタルカメラは大部分が動画のようなローリングシャッター方式を採用したイメージセンサーを使用。海外企業で「PIXII」のようなカメラがグローバルシャッターを採用しているものの、国産ミラーレスでこの方式を採用しているカメラは存在しません。(キヤノンの業務用向けカムコーダーくらい)
実際にEOS R8の電子シャッターを使用して、ローリングシャッター歪の影響を調べた結果が以下の通り。

ご覧のように扇風機の羽根が不自然な描写となっています。ローリングシャッター方式では、このように高速移動する被写体を撮影する際に問題が発生。他のカメラではどのような影響があるのか?は以下の通り。

積層型CMOS以外の35mmフルサイズセンサーでは少なからずローリングシャッターの影響が目立ちます。積層型以外で良好な結果が得られているのはEOS R5で、EOS R8(R6 II)はその次くらいに良好な結果と言えるでしょう。競合機種となるα7 IVやα7 III、Z 6IIなどは比較的良くありません。EOS R8はAPS-CのEOS R7よりも良好な結果が得られています。

あくまでも今回のテストは「フレーム一杯で高速移動する被写体を撮影した場合」の影響であり、フレーム上に小さく写る場合は影響が小さくなります。例えばモータースポーツなどで高速回転するタイヤや航空機のプロペラなど。一方で水平方向を高速で通り過ぎる人工物(電車など)がフレームに入る場合はローリングシャッターの影響あり。

まとめ

20万円台で40fpsの撮影速度を実現している驚異的なミラーレスカメラ。連写性能に対してバッファ・バッファクリアは貧弱だと感じるものの、少なくとも決定的瞬間を撮影する能力は競合機種を圧倒しています。RAWバースト機能にも対応しており、多少の反応速度はカメラ側で補うことができるのも便利。

バッファを使い切ることが多いシチュエーションではSD UHS-IIが足かせとなって満足に撮影することが出来ないかもしれません。その場合は20fpsなどに撮影速度を落とす必要があります。

ローリングシャッター歪みの許容範囲はシチュエーションによって異なるものの、非積層型CMOSセンサーとしてはほぼ最上級のパフォーマンスを発揮しています。この上が必要であれば、高価な積層型CMOS搭載モデルか、EOS R5を選ぶしかありません。20万円台でこのパフォーマンスの電子シャッターを利用できるのはEOS R8のみ。贅沢は言えません。連写速度は遅いものの、電子先幕を使用したメカニカルシャッターを利用可能。

参考情報

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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