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ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.4 諸収差編

ソニー「FE 24-50mm F2.8 G」のレビュー第四弾を公開。諸収差は全体的によく補正されており、これと言って目立つ欠点は無いように見えます。

FE 24-50mm F2.8 Gのレビュー一覧

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ズーム全域で若干の色収差が残存しているものの、ズーム全域・絞り全域で大きな問題はありません。

24mm

28mm

35mm

50mm

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

24mm

完璧な補正状態ではなく、ピント面の前後に色収差が発生しています。実際に使った経験から言うと、常時目立つような量ではありません。ただし、高コントラストな領域で少し目立つ可能性があります。

35mm

24mmと同程度。大部分の状況で色収差に気が付くことはありません。

50mm

広角域や準広角よりも良好な補正状態。厳しい状況でも目立つことはありません。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

ミラーレス用の標準ズームらしく、広角側でやや目立つ樽型歪曲が発生。とはいえ、魚眼レンズほどの歪みではなく、像高もフルサイズセンサーをカバーしています。歪曲が気にならなければ、そのまま使うのもあり。標準ズームとしては比較的穏やか。一般的に望遠端は糸巻き型歪曲となるものの、このレンズは望遠端でもわずかな樽型歪曲を維持しています。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

全体的に良好な補正状態です。35mm付近で点像のわずかな変形がみられるものの、四隅を拡大しないとわからない程度に抑えられています。

24mm

28mm

35mm

50mm

球面収差

24mm

前後のボケ質にほとんど差が無い良好な補正状態。

50mm

広角側と比べると前後のボケ質にムラがあるように見えます。軸上色収差のテスト結果を見る限り、フォーカスシフトの兆候はありません。

まとめ

全体的に良好で、特筆するような欠点はありません。テストシーンでは軸上色収差が残存しているものの、実写で目立つ機会はほとんどないでしょう。倍率色収差も同じ。敢えて言えば、ミラーレス用ズームレンズらしく歪曲収差がカメラ側補正に依存しています。ただし、他のズームレンズよりもカメラ補正への依存度が低く、例えば「FE 20-70mm F4 G」ほど目立つ歪みは発生しません。球面収差も良好に補正されており、大部分の状況でボケが悪目立ちすることはありません。24mmで若干目立つ場合もありますが、それも撮影距離によって異なります。

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