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ソニー FE 24-50mm F2.8 G レンズレビューVol.5 ボケ編

ソニー「FE 24-50mm F2.8 G」のレビュー第五弾を公開。全体的に使い勝手の良い綺麗な描写で、少し騒がしいと感じるのは24mmで撮影距離が離れたときくらい。

FE 24-50mm F2.8 Gのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

ボケが大きくなる50mmでテスト。後ボケは適度に柔らかく、輪郭が少し残る描写。軸上色収差が少し残存しています。基本的にはニュートラル寄りで個性的なボケではありません。

前ボケ

後ボケとほぼ同じ。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

24mm

大部分は良好ですが、フレーム隅における口径食が強め。玉ねぎボケの兆候はありません。

35mm

24mmと同じ。

50mm

広角側よりも口径食が強めに発生します。

ボケ実写

24mm

口径食は目立ちますが、ボケそのものは綺麗な描写。撮影距離が長くなると縁取りが若干強くなるものの、極端に悪目立ちする描写ではありません。縁取りが気になる場合は2段ほど絞ると改善します。

50mm

やはり四隅に向かって口径食が強め。ボケは綺麗で滑らか。広角側よりもボケの縁取りが目立ちにくくなっています。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

全体的に綺麗なボケで、悪目立ちする要素は良く抑えられています。あえて言えば24mmの周辺から隅が少し騒がしい。

24mm

50mm

まとめ

接写時も収差変動の少ない綺麗なボケが得られます。滲むような柔らかい描写ではないものの、前後の質感に大きな差のない、使い勝手の良い描写。24mmは撮影距離が離れると少し騒がしい場合もありますが、最短撮影距離が短いので、被写体にぐっと近寄って撮影するのも一つの手。望遠端が50mmと言うこともあり、大きなボケが得られる大口径ズームではありません。それでも24-50mmの範囲内できちんとしたボケが得られるレンズに仕上がっています。

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