パナソニック「LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3」のレビュー第二弾 遠景解像編を公開。前評判やレンズの外観から予想していたよりも良好な結果を得ることが出来ました。
今回のまとめ
テスト環境が良くなかったものの、それでもズーム全域で良好な結果を得ることができました。もう少しソフトな結果を予想していましたが、思いのほか健闘しているように見えます。主な妥協点は歪曲収差で、これを補正する際に四隅を引き延ばすため、JPEGへの処理方法によっては隅の画質が低下する可能性があります。
Although the test environment was not good, we were still able to get good results across the entire zoom range. We had expected a little softer results, but it seems to have performed better than we expected. The main compromise is distortion, and when correcting for this, the corners are stretched, so depending on how the JPEG is processed, there is a possibility that the image quality in the corners will deteriorate.
LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3のレビュー一覧
- LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3 レンズレビューVol.3 解像チャート編
- LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3 レンズレビューVol.2 遠景解像編
- LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2024.10.25 風やや強め(ストーンバッグで対応)
- カメラ:LUMIX S9
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
- 露出:ISO 100 絞り優先AE 通常/ハイレゾモード
- RAW:Adobe Lightroom Classic CC現像
・シャープネスオフ
・ノイズリダクション オフ
・レンズ補正オフ - 以下のクロップした作例はハイレゾモードの結果を掲載しています。
(部分的に合成処理にしっぱいしている場合があります)
18mm
中央
F4から非常にシャープな結果。F5.6まで絞るとコントラストが少し改善しますが、F4.5の絞り開放から良像。
周辺
中央と比べると倍率色収差の影響が僅かに発生しています。ただし、目立つ影響ではなく、シャープでコントラストの高い結果。
四隅
極端な画質の低下はなく、細部までシャープな結果が得られています。
20mm
中央
18mmと同じく、絞り開放から非常にシャープ。絞る必要性はほとんどありません。
周辺
周辺部も良好な結果で問題ありません。
絞るとコントラストが僅かに改善する程度。
四隅
18mmと同じく良好な結果。小型軽量なレンズサイズを考慮すると健闘しています。
24mm
中央
コントラストが少し低下したようにも見えますが、解像性能は引き続き良好。F8まで絞ると細部までシャープな結果が得られます。
周辺
大きな問題はありませんが、非点収差のような若干の流れがあります。F5.6-8まで絞ることで改善。
四隅
絞り開放付近でコントラストの低下あり。解像性能に問題はなく、F8まで絞れば非常に良好な結果が得られます。
28mm
中央
絞り開放の細部がやや緩くなっています。コントラストが低く、細部の解像度も低め。おそらく、残存する球面収差が影響。F8まで絞ると大幅に改善します。
周辺
大きな問題はありません。細部のコントラストを最大にしたいときはF8まで絞るのがおススメ。
四隅
コマ収差と倍率色収差の影響があるのか、コントラストが低く、色ずれが多少目立ちます。F8まで絞ると少し改善します。
35mm
中央
開放からシャープで問題ありません。
周辺
中央と同じく、絞り開放からシャープな描写。
四隅
中央や周辺と比べるとソフトですが、大きな乱れはありません。少なくとも2400万画素では何の問題もないはず。
40mm
中央
9600万画素を活かせるとは言えないものの、小型軽量なズームレンズとしては十分な解像性能。
周辺
中央と同じく良好な画質。
四隅
おそらく画質が最も低下するポイントの一つですが、これと言って問題はないように見えます。
まとめ
テスト環境が良くなかったものの、それでもズーム全域で良好な結果を得ることができました。もう少しソフトな結果を予想していましたが、思いのほか健闘しているように見えます。主な妥協点は歪曲収差で、これを補正する際に四隅を引き延ばすため、JPEGへの処理方法によっては隅の画質が低下する可能性があります。
開放から実用的な画質ですが、ズーム全域でベストを尽くしたいのならF8くらいまで絞って使用すると安定します。広い範囲でハイレゾモードにも耐えうるため、LUMIX S9と組み合わせればコンパクトで携帯性の高い風景写真・旅行写真用のシステム。
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