パナソニック「LUMIX S 40mm F2」のレビュー第五回 ボケ編を公開しました。
簡易的なまとめ
癖が少なく、絞り開放から使いやすいボケ描写です。球面収差の変動が大きい他社の40mmレンズよりも優れた光学性能であり、より高価なソニーGに近い性能を発揮します。(ニュートラル寄りのボケ質という観点で)
絞り開放付近は軸上色収差とコマ収差の影響がありますが、影響は軽微。悪目立ちするシーンはそう多くないはず。
補足しておくと、同価格帯の「LUMIX S 50mm F1.8」と比べてボケの質感は若干劣ります。サイズや焦点距離にこだわりが無ければ、S 50mm F1.8を選ぶのが無難。
あくまでも小型軽量な40mmとしては優れているレンズです。
It produces bokeh that’s easy to use right from wide open, with minimal distortion. Its optical performance surpasses that of other manufacturers’ 40mm lenses—which tend to have significant variations in spherical aberration—and comes close to that of the more expensive Sony G series. (In terms of bokeh quality, which leans toward neutral.)
While axial chromatic aberration and coma aberration are present near wide open, their effects are minor. There shouldn’t be many scenes where they stand out noticeably.
It’s worth noting that the bokeh quality is slightly inferior to that of the “LUMIX S 50mm F1.8,” which is in the same price range. If size and focal length aren’t a priority, choosing the S 50mm F1.8 is the safer bet.
That said, it’s an excellent lens for a compact, lightweight 40mm.
*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。
LUMIX S 40mm F2 のレビュー一覧
Index
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
綺麗なボケとは、輪郭が目立たず、背景がなめらかに溶けるような描写。被写体が背景から自然に浮かび上がり、見る人の視線を主題へ導きやすい。ポートレートや花の撮影で好まれることが多く、「柔らかいボケ」「なめらかなボケ」と表現される場合もある。
騒がしいボケとは、背景の輪郭や模様が強調されて見えるボケ。木の枝や葉、フェンスなど細かな模様が二重線になったり、ざわついた印象になったりする。背景が目立ちすぎるため、主題への視線が分散することがあります。
ボケの良し悪しは単純に明るいレンズほど優れるわけではなく、球面収差の補正状態やレンズ構成、絞り羽根の形状などによって変化します。また、撮影距離や背景との距離によっても印象は大きく変わります。
ボケの評価には好みも大きく関係。一般的にはなめらかなボケが高く評価されることが多いものの、被写体や作品の雰囲気によっては、少し騒がしいボケが独特の立体感や個性を生む場合もあります。そのため、ボケの質はレンズの性能だけでなく、写真表現の一部として捉えることが重要。

後ボケ
軸上色収差の影響が少しありますが許容範囲内。
ボケは縁取りが目立たず滑らか。球面収差を活かした滲むような描写ではないものの、癖が無く使いやすい。
前ボケ
後ボケより少し硬い部分があるものの、基本的にはニュートラル。前後のボケ質に大きな差がなく使いやすい描写です。気になる場合も少し絞れば問題ないはず。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
玉ボケとは、背景や前景にある小さな光源が、丸い光の円として写るボケ表現のこと。夜景のイルミネーションや木漏れ日、水面の反射などでよく見られる。一般的に、明るいレンズほど大きな玉ボケを作りやすく、背景を印象的に演出できるため、ポートレートやスナップ撮影で人気がある。
理想的な玉ボケは、円形で輪郭が目立たず、内部の明るさが均一な状態で。しかし実際にはレンズ設計の影響により、さまざまな特徴が現れることがある。例えば、輪郭が明るく縁取られた玉ボケは背景が騒がしく見えやすく、内部に同心円状の模様が現れるものは「玉ねぎボケ」と呼ばれる。
- 影響が強い
- 影響が弱い
また、画面周辺では玉ボケが円形を保てず、楕円形や猫の目のような形に変形することがある。これは周辺部で光が一部遮られるためで、「口径食」と呼ばれる現象によるもの。
- 前ボケ
- 後ボケ
実写で確認
F2の絞り開放で縁取りが少し目立つ描写。四隅に向かって縁取りが強くなります。気になる場合、F2.8まで絞るとほぼ解消。
口径食は隅に向かって目立つものの、小型軽量な明るいレンズとして予想の範囲内。過度に目立つことはありません。


ボケ実写
至近距離
至近距離では粗が目立たず、全体的に滑らかな描写。至近距離でも球面収差は穏やかで、被写体をにじませるような収差はありません。ピント直後の描写が少し柔らかいくらい。

近距離
フレーム周辺部のボケが部分的に硬くなりますが、広い範囲は滑らかで綺麗な描写です。隅が気になる場合も少し絞れば解消します。

中距離
縁どりが強くなる領域が広くなりました。
それでも色収差の影響が少なく、縁どりが極端に強いわけでもありません。許容範囲内。

ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。
フレームに全身を入れても背景を少しぼかすことが出来ます。この際のボケ質は良好と言えませんが、ボケが小さいので粗が目立ちにくい。膝上あたりまで近寄った際はボケ質とサイズのバランスから悪目立ちする可能性あり。少し絞るのも一つの手。上半身やバストアップまで近寄ると、問題は緩和します。
問題を感じる領域が狭く、この価格の標準レンズとしては使い勝手が良好。
まとめ

癖が少なく、絞り開放から使いやすいボケ描写です。球面収差の変動が大きい他社の40mmレンズよりも優れた光学性能であり、より高価なソニーGに近い性能を発揮します。(ニュートラル寄りのボケ質という観点で)
絞り開放付近は軸上色収差とコマ収差の影響がありますが、影響は軽微。悪目立ちするシーンはそう多くないはず。
補足しておくと、同価格帯の「LUMIX S 50mm F1.8」と比べてボケの質感は若干劣ります。サイズや焦点距離にこだわりが無ければ、S 50mm F1.8を選ぶのが無難。
あくまでも小型軽量な40mmとしては優れているレンズです。
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作例
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