パナソニック「LUMIX S PRO 50mm F1.4」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。大きく、重く、高価な製品らしく、近距離でも非常に良好な結果が得られるようです。
今回のまとめ
大きく重く、高い値札は伊達じゃない。
パフォーマンスが低下しやすい近距離でも非常に良好な結果が得られる50mm F1.4となっています。全体的に欠点のような領域はなく、絞れば隅まで非常にシャープな結果。少なくとも、ここ最近登場した50mm F1.4としてはトップクラスか、クラスリードの性能を備えています。
The large, heavy, and expensive price tag is not for show.
It is a 50mm F1.4 that delivers very good results even at short distances, where performance tends to deteriorate. There are no areas that seem to be flaws, and if you stop down the lens, you can get very sharp results even in the corners. At the very least, it is one of the top-class 50mm F1.4 lenses to have appeared recently, or it has class-leading performance.
LUMIX S PRO 50mm F1.4のレビュー一覧
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:LUMIX S9
- 交換レンズ:LUMIX S PRO 50mm F1.4
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
中央から広い範囲でシャープな結果。F1.4から間違いなく実用的な良像が得られ、絞ることで隅が追い付いてきます。9600万画素のハイレゾモードでも中央は極めてシャープな結果が得られ、周辺も絞ることで向上。隅はやや遅れるものの、しっかりと絞ればよく伸びる模様。
中央
コントラスト低下の要素となる諸収差は近距離でも良く補正されています。絞りによる変化はほとんど見られず、少なくとも現行の2400万画素や4500万画素の製品では絞り開放からピークの性能。
周辺
絞り開放付近は中央よりもソフトな画質。F2-2.8まで絞ると画質が改善、F5.6付近でピークの結果が得られています。
四隅
周辺よりもさらにソフトですが、コントラストの低下のみ。解像性能はまずまず良好な結果が得られています。絞ることで結果は向上するものの、周辺と比べると改善速度は遅め。とはいえ、F5.6-F8まで絞ると、非常に良好な結果が得られます。
数値確認
通常
中央 | 周辺 | 隅 | |
F1.4 | 3646 | 3120 | 3347 |
F2.0 | 3655 | 3120 | 3724 |
F2.8 | 3620 | 3400 | 3609 |
F4.0 | 3594 | 3427 | 3567 |
F5.6 | 4088 | 3880 | 4016 |
F8.0 | 3594 | 3589 | 3304 |
F11 | 3604 | 3653 | 3648 |
F16 | 3257 | 3227 | 3288 |
ハイレゾ
中央 | 周辺 | 隅 | |
F1.4 | 4642 | 3886 | 3601 |
F2.0 | 4742 | 4212 | 3701 |
F2.8 | 4657 | 4413 | 3153 |
F4.0 | 4657 | 4808 | 3815 |
F5.6 | 4685 | 4821 | 4819 |
F8.0 | 4670 | 4794 | 4821 |
F11 | 4698 | 4548 | 4851 |
競合製品
テスト機が異なるので参考までに。
最も近い競合製品であるシグマは中央こそよく似た傾向ですが、周辺や隅は近距離でパフォーマンスが低下しやすい。絞れる場合に大きな差はありません。将来的にサムヤン50mm F1.4 II L-mountが登場したとしても、近距離における性能差は歴然。ソニーGMも高性能ですが、隅の性能は絞っても伸び悩んでいます。
まとめ
大きく重く、高い値札は伊達じゃない。
パフォーマンスが低下しやすい近距離でも非常に良好な結果が得られる50mm F1.4となっています。全体的に欠点のような領域はなく、絞れば隅まで非常にシャープな結果。少なくとも、ここ最近登場した50mm F1.4としてはトップクラスか、クラスリードの性能を備えています。
おそらく、問題となるのはカメラ側の性能。
静止した被写体であれば問題ありませんが、近距離で動く被写体をAF-Cで、F1.4の浅い被写界深度で捉え続ける際に難易度が高くなることでしょう。他社でも厳しいシーンですが。カメラ・レンズの応答性から、やや不利と感じます。ピントを正確にとらえ続けることが出来れば、50mm F1.4の中でも指折りの高性能レンズと感じるはず。
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