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NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR レンズレビュー Vol.2 遠景解像 編

ニコン「NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR」のレビュー第二弾を公開。今回は恒例の撮影地点からレンズの遠景解像性能をチェックしています。

NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRのレビュー一覧

遠景解像力

撮影環境

  • 撮影日:2023年8月31日・曇天・風強め
    (コンディション悪め、ブレを極力抑える環境で撮影しましたが、いくつかのカットでブレが発生しています。ただし、陽炎の影響はかなり抑えられています。)
  • カメラ:Nikon Z 8
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:INNOREL F60
  • 露出:ISO100 絞り優先AE
  • RAW:Lightroom Classic CC現像
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
  • 同じ被写体を中央・周辺部・隅と3回撮影、それぞれクロップして比較
    (従来は1枚の写真をクロップしますが、超望遠は被写界深度が浅いので難しい)

180mm

F5.6から中央~隅で非常に均質的なパフォーマンスを発揮。絞ると改善しますが、顕著な変化はありません。

中央

F5.6からまずまず良好ですが、若干のソフトさはF8で改善。ハイライトがやや滲みを伴うものの、600mmズームレンズとしては良好な結果が得られています。

周辺

中央とほぼ同じ結果。クロップした際の見分けがつきません。

四隅(F5.6で微ブレ?)

中央や周辺と比べて周辺減光の影響あり。解像性能は依然として良好で、中央や周辺部と比べて遜色なし。

300mm

ハイライトのコントラストが弱めと感じるものの、解像性能は非常に良好。ただし、中央から隅にかけて若干の低下が見られます。F8~F11にかけて周辺部と隅が改善し、均質性がピークとなります。

中央

150mmと同じく、何の不満もない良好な結果。やはりハイライトのコントラストが低いので、露出を上げた状態で撮影すると、もやっとした写りに感じるかもしれません。

周辺

中央と比べると絞り開放の結果が若干ソフトですが、F8まで絞るとほぼ同等。快適に使える性能。

四隅

中央や周辺部と比べると、絞り開放がソフト。と言っても極端に酷いわけではなく、画像処理できちんと修正することができそう。F8~F11で良好な結果へと改善します。

400mm

少しキレが落ちてきたかなと感じるものの、中央は依然として良好。周辺部や隅も絞れば改善します。風景撮影で均質性を重視するならF11くらいまで絞るとピークに到達。

中央

単焦点レンズの水準を期待しなければ、解像性能は非常に良好。

周辺

F6.0でコントラストが僅かに低下。F8まで絞ると中央に近い結果を得ることができます。

四隅

周辺部と遜色のない結果ですが、ピークはF11あたり。と言っても絞り開放との差は小さく、画像処理も考慮するとF6.0から実用的な画質。

500mm

中央と周辺部・隅に少し性能差が見られるものの、少し絞ると広い範囲で均質性が向上。ただし、広角側や中間域と比べて、隅のパフォーマンスは向上しなくなります。と言っても大きな弱点とはならず、問題視する必要はありません。

中央

若干の滲みがあるものの、シャープで良好な結果。色収差の影響は特になし。F8で滲みが抑えられ、コントラストが改善します。ピークはF11あたり。

周辺

開放こそ中央と差がありますが、F8~F11で近い結果を得ることが可能。

四隅

中央や周辺部よりもコントラストが低く、絞っても大きな改善はありません。ただし、特に顕著な画質の乱れはなく、安定感のある性能。

600mm

望遠端でも顕著な性能は見られず、中央から隅まで安定感のある結果を得ることができます。絞りによる性能向上はほとんどありません。

中央

焦点距離による被写体のクローズアップは可能ですが、ピークの解像性能やコントラストは低下しているように見えます。絞ると若干の向上が期待できるものの、顕著な画質向上はありません。

周辺

基本的には中央と同じ。ピークこそ低いものの、望遠端ながら広い範囲で均質性の高い性能と言えるでしょう。やはりF8でコントラストの改善が見られます。

四隅

目に見える像の甘さは無く、中央や周辺部とほぼ同じ結果を得ることができます。よく見ると少し甘いですが、F8付近まで絞るとほぼ同じ。ピークはF11あたり。

1200mm(Mid F5.6のみJPEG)

中央から隅まで一貫した性能ですが、マスターレンズの600mmと比べると結像がかなり甘め。1200mmで大きなクロップはしないと思いますが、クロップ無しでも細部のディテールはあまり期待しないほうが良いでしょう。RAWが破損したため「Mid F5.6」のみJPEG出力を使用していますが、ご覧になると分かるように、カメラの画像処理で見栄えの良い結果が得られます。

中央

周辺

四隅

まとめ

単焦点レンズとは比べ物にならないものの、20万円で手に入る600mmズームレンズとしては良くまとまっているように見えます。少なくともテレコンバージョンレンズを装着しない状態ならば、180mmの広角端から600mmの望遠端まで、これと言って弱点の無いパフォーマンス。望遠側は性能が少し低下しますが、ズームレンズとしては許容できる範囲内。×2.0コンバージョンレンズ装着時の1200mmはかなりソフトな画質となるものの、遠景を撮影する機会はそう多くないと思われます。遠方の花火や月などを圧縮効果で撮影したい場合は面白い選択肢になるかもしれませんが、600mmを高解像センサーでクロップするのも一つの手。

購入早見表

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開。

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