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ニコンNIKKOR Z 50mm f/1.8 S 徹底レビュー

このページでは「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」のレビューを掲載しています。

  • 2018-12-10:「まとめ」「AF項目の動画」を追加しました。
  • 2018-12-08:インプレッションを少し書き足しました。今後は使いこみながらこまめに修正します。
  • 2018-12-07:ひとまず作例を掲載してページを公開しました。管理人のインプレッションは今夜か明日の朝にでも追記予定

管理人の個人的評価

項目 評価 Tips
遠景解像 F1.8からフレーム全域でシャープ
近景解像 F2.8~F4以降は良好・フォーカスシフトあり?
軸上色収差 ゼロでは無いが非常に良好
コマ収差 F1.8~F4で像高9割から外側に僅か
光条 F8-F16で発生
周辺減光 F1.8-F2.5で目立つ
歪曲 補正無しでも僅かな樽型
玉ボケ 四隅の変形大・非球面レンズの影響あり
前ボケ 近接時にとても硬調
後ボケ まずまず滑らか
逆光耐性 フレア・ゴーストは僅か
AF 静かで程よく速い
MF 幅広いフォーカスリング
鏡筒 金属製・防塵防滴

収差をしっかりと補正した優秀な光学性能の50mm。

悪く言えば個性が見えず、良く言えばそつが無い。優等生な描写にしっかりとした鏡筒・防塵防滴仕様が合わさり、オールラウンドレンズとして活躍が期待できる。

おススメ度
90%

NIKKOR Z 50mm f/1.8 Sの仕様確認

型式 ニコン Zマウント
焦点距離 50mm
最大口径比 1:1.8
レンズ構成 9群12枚
最短撮影距離 0.4m
最大撮影倍率 0.15倍
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
最大絞り f/1.8
最小絞り f/16
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) 62mm
寸法 約76.0mm×86.5mm
質量 約415g

ニコンZシステムにおいて3本目となる交換レンズ。

「AF-S NIKKOR 50mm F1.8G」と比べてサイズや重量が大きくなっているものの、レンズ構成はより複雑となり、鏡筒は防塵防滴仕様・そして金属パーツを多く採用している。肥大化・重量増は妥当と言えるクオリティの50mm F1.8。

防塵防滴・金属鏡筒・ナノクリスタルコート、この3つを兼ね備えて7万円ちょっとという価格設定は豊富なAF-S NIKKORを見渡してもそう無いはず。基本スペックは至って平凡な50mm F1.8に見えるので高価に感じるが、実はそうでもない。

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
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レビュー

外観

箱・付属品

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ニコンZシリーズらしいデザイン。以前のように縦長ではなく、倒れにくい横長スタイルを採用している。

付属品

レンズフード・ソフトケース・説明書・保証書。

この価格帯のレンズとしてはまあこんなもんでしょう。

レンズ鏡筒

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サイズ・重量

一眼レフ用「AF-S 50mm F1.8G」と比べるとかなり大きく、重い。特に重量はなんと倍以上。

ボディが軽いのでシステム全体の重量としては同程度か。

レンズ全長は長いものの、お散歩用レンズとして使うにはまだ許容範囲。レンズフードを装着すると僅かに長いと感じる。

質感

ニコン一眼レフ用レンズのようにプラスチッキーな印象な無い(AF-S 58mm F1.4Gなどは価格から想像もできない程プラスチッキーだった)。

レンズマウント付近とフォーカスリングは金属製。なぜかフォーカスリング前後はプラスチック製となっている。質感が少しチグハグしているのはモッタイナイ。しかし、AF-Sのようなプラスチックが軋むような感触はない。

前玉・後玉

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前玉

レンズ構成から確認できるように、標準単焦点レンズとしては凹タイプの珍しい前玉となっている。ソニーEマウントの「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」も同じく凹タイプだったりする。

凸タイプよりレンズ周辺部をメンテナンスしやすく特に問題は無し。

S-Lineはナノクリスタルコートが標準採用されているものの、24-70Sのようにフッ素コーティングは施されていないらしい。

後玉

レンズマウントよりもセンサー側に突き出した形状となっており、バックフォーカスがかなり短くなっている。ニコンの光学設計者がFマウント(マウント径が小さく・フランジバックが長い)から解き放たれた喜びを表現しているかのよう。

レンズキャップせずにレンズを垂直に立てると後玉を傷つける可能性が高い。

また、カメラに装着する際もうっかり硬いものにぶつけ無いように気を付けたい。

フィルター径

35mm F1.8Sと同じく62mmを採用。今後登場が予想されるF1.8 Sシリーズで統一するのかは不明。

レンズフード

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プラスチック製花形フード。ニコンらしいデザインで相変わらずボタン式ロック機構は無い。

逆光耐性が良好なので前玉保護が必要なければレンズフードを装着する必要性は低い。

Nikon Z 7との組み合わせ

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既存のNIKKOR Zレンズ3本はサイズや重量が統一されている。

Nikon Z 7とのバランスはどれも良好で特にフロントヘビーとは感じないが、フードを装着すると全長が少し長く感じる。

カメラグリップとレンズのクリアランスは良好で厚めのグローブを装着していても問題無いはず。

オートフォーカス

ステッピングモーターでとても静かな駆動音だが、ゼロでは無く動画撮影では音を拾う可能性が高い。

フォーカス速度は速くも無く、遅くも無く。素早く動く小動物やアクションスポーツでも撮らない限り不満は感じない程度の速度。

Nikon ZカメラはF5.6まで実絞り測距となるため、絞った状態だと低照度でオートフォーカスの動作が遅くなる。絞り開放F1.8を使うことで2EVのオートフォーカス改善が可能だが、後述するフォーカスシフトには気を付けたい。

マニュアルフォーカス

幅広いフォーカスリングは滑らかかつ均質な動作で特に不満は無し。

フォーカスリングの回転角はゆっくり回すと360°以上、素早く回すと約180°でピント距離全域を移動可能。

レンズ側の問題では無いが、Nikon Z 7のフォーカスエイド表示がファインダー左下に配置されているため非常に見づらい。キヤノンのフォーカスガイド方式を採用してくれるとかなり使いやすいのですが…。

解像力テスト

中央から像高5割まで開放から4000本を超えるとても良好な解像性能。

F2.8まで絞るとさらに解像力が向上し、Z 7で回折が影響し始めるF8まではパフォーマンスを維持しています。とは言え、F16まで絞っても良好な性能と言えるでしょう。

四隅も良好なパフォーマンスを維持。中央と比べて数値は低いものの、等倍で確認しない限りほぼ均質。目に見える解像差は感じません。やはりF2.8まで絞ると大きく改善し、中央と変わらない解像力を発揮します。

ピークのパフォーマンスはF2.8からF5.6ですが、F8-F11までは高水準なパフォーマンスを維持しています。F16では回折の影響が大きくなるものの、実用的な画質と言えるでしょう。

相場6万円台のフルサイズ用標準単焦点レンズとしてはとても良好で、特にフレーム全域で安定したパフォーマンスは特筆すべきポイント。近接の解像チャートでこれだけの数値が出るのであれば御の字。

Nikon Z 7
4575万画素
中央 周辺部
(50%)
四隅
(70%)
F1.8 4323 4241 3486
F2.0 4245 4480 3506
F2.8 4303 4780 4577
F4.0 4750 4800 4420
F5.6 4479 4800 4479
F8.0 4245 4359 4499
F11 4128 4359 4342
F16 3688 3765 3856
サンプル(F1.8)

中央のピント位置

少し気になったのが中央の解像力。

F1.8でピントを固定したまま絞っていくと、F4~F5.6で解像力が低下します。フォーカスシフトの影響を考えましたが、周辺部や四隅は影響を受けていないので別問題の可能性あり。3回ほど検証を繰り返しても同程度の数値となります。

絞り値ごとにピントを合わせて撮影したところ、周辺部や四隅と同じ傾向を示すようになりました。

今のところ原因は謎。ニコンZカメラは開放測距では無くF5.6までの実絞り測距となるので実使用で特に問題と感じるシーンは少ないはず。

中央
(固定)
中央
(AF)
F1.8 4336 4323
F2.0 4357 4245
F2.8 4316 4303
F4.0 4071 4750
F5.6 3650 4479
F8.0 4112 4245
F11 3764 4128
F16 3662 3688

遠景解像

中央

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4500万画素のNikon Z 7ですら、ピント面はF1.8からジャギーが出る程に解像する。開放からシャープなので絞り値による変化は感じられない。

24-70 Sと比べて回折による解像性能の落ち込みが少ないように感じる。

当然ながらDXクロップの実用性はとても高い。

四隅

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中央と同じく開放からとてもシャープ。従来のNIKKOR 50mmと比べて解像力は雲泥の差。ただただ凄い。

ただし、周辺減光が大きいため、補正後のノイズ増加を考慮しF2.8まで絞ることでフレーム全域がピーク画質に達する。

周辺減光が問題なければ、F1.8を使った遠景もやぶさかではない。後述する像面湾曲・コマ収差補正も良好のため夜景や天体撮影との相性が良い。

像面湾曲

像面湾曲によるピントのズレは特に感じられない。

良好なコマ収差補正も併せて天体撮影や夜景撮影に強いレンズ。

近景解像

端のみ作例を掲載(中央は絞り値によらず良好)

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最大撮影倍率は50mm F1.8Gと同程度だが最短撮影距離は5cmほど短くなっているので「寄りやすい」と感じるかもしれない。

解像力はF1.8~F2.8まで僅かに甘いものの、それ以降はとても良好。

ただし、近接では僅かにフォーカスシフトの影響があるように思える(後述)。

F値によるピントの移動

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接写時に絞り開放でピントを固定し小絞りを使うとピントの山が僅かに奥へ移動する。

開放におけるピント面がピントから外れることは無いものの、手前の被写界深度は広がり難い。

Nikon ZのライブビューではF5.6まで実絞り測距となるため特に問題はないと思うが、F1.8でピントを合わせてから絞る場合には注意したい。

軸上色収差・ボケ質

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軸上色収差はゼロでは無いが良好に補正されている。実写で特に目立つシーンは限られてくるはず。

前ボケがやや硬調で、後ボケが僅かに滲みをともない柔らかい描写。

ボケの色づきは硬調な前ボケで少し目に付き、滲む後ボケでは特に気にならない。

コマ収差・光条

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大口径単焦点の50mmとしては非常に良好。

像高8~9割はコマ収差の影響を受けず、絞り開放から実用的なパフォーマンス。四隅の端の部分のみ僅かに変形しており、これを完璧に補正するにはF4まで絞る必要がある。

強烈な光源であるイルミネーションでこの程度まで抑えられているので、夜景や天体で気になるシーンは少ないと思われる。

前後のボケ

前後の玉ボケに大きな違いは無く、球面収差は良好に補正されているようです。僅かに非球面レンズの影響を見ることが出来ますが、これが目立つことはそう無いでしょう。

軸上色収差の補正はとても良好ですが、玉ボケの縁撮りで僅かに色づきを確認できます。

口径食と絞り羽根の影響

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周辺減光から予想していましたが、それなりに口径食の影響は大きい。F2.8まで絞るとほぼ改善しますが、解消するためにはF4まで絞る必要があります。

9枚円形絞りと言うこともあり、絞り羽根の影響は少ない。ただし、口径食の影響でF2~F4付近では玉ボケがいびつな形状に見えます。

逆光耐性・光条

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NIKKOR Zレンズはどれも逆光耐性が良好で、このレンズも例外ではありません。完璧では無いものの、レンズフレアはほぼ皆無で、ゴーストも目立ちません。

光条はF2.8付近から発生し始め、F11付近からシャープな描写へと変化します。

周辺減光

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F1.8~F2.5で目立つ。特にF1.8の減光は大きく、一眼レフ用レンズと比べてアドバンテージはあまり感じない。

ただ、緩やかに減光効果が発生しているので個人的には好みの描写傾向。

歪曲

僅かな樽型歪曲。建築物でも撮らない限り補正オフで問題無い。

24-70Sは「ゆがみ補正」をオフにできないが、本レンズは同機能をオフにすることが可能。

つまりは…そういうことです。

ボケ

玉ボケ

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周辺減光である程度予想していた通り、口径食の影響は大きい。

F1.8というレンズ口径を考慮するともう少し頑張って欲しかったところ。このあたりは「レンズのサイズ」を優先した結果のような印象を受ける。

この作例では分かりづらいが、玉ボケ周辺のコントラストによっては非球面レンズの影響を受けた「玉ねぎボケ」が少し現れる。

前後ボケ F1.8 比較

ミニスタジオではやや硬調な前ボケだったが、実写では特に不満を感じないレベル。

全体像
クロップ

後ボケ(クロップ)

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前ボケ(クロップ)

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逆光耐性

強烈な光源の直射を受けると僅かにゴーストが発生するものの、一般的なシーンでは特に問題と感じることは少ないと思われる。とても良好な逆光耐性。

実写作例

玉ボケ

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まとめ

優秀な光学性能

価格・ビルドクオリティ・光学性能のバランスが良く、従来のNIKKORには無かった汎用性の高いウォークアラウンドレンズ。

AF-S NIKKORのように接写時の「柔らかさ(球面収差による滲み)」は無く、クリアでシャープ。これを「パキっとした硬い写り」と捉えるか、「ヌケが良くメリハリの効いた描写」と捉えるかは人それぞれ。

個人的に滲む描写は「AF-S NIKKOR 58mm F1.4G」があればおなか一杯なので、こういったNIKKOR 50mmがあっても良いかなと思うのです。既にAF-S 50mmを持っていたとしても使い分けができる。

注意点は主に周辺減光とボケの口径食。周辺減光はデジタル補正可能ですが、あえてオフにすることで雰囲気が出る時もあるので私はオフで使用しています。玉ボケは四隅にさえ配置しなければ特に気になるシチュエーションは少ないでしょう。

Points

購入の決め手は「F1.8~F2.8」あたりまでのシャープネスとコマ収差補正・色収差補正、防塵防滴と金属鏡筒と言ったところ。そして動画撮影で使いたいのであれば静かなオートフォーカスが役に立つ。

そのあたりに価値を見いだせればAF-S 50mm F1.8Gとの価格差も納得できるはず。逆に「開放接写時の柔らかさ」を重視しているのであれば逆効果となるので注意。

Pros

  • 金属パーツが多い&防塵防滴仕様
  • ナノクリスタルコート採用レンズとしては安価
  • 幅広いフォーカスリング
  • 静かで程よく高速なオートフォーカス
  • F1.8からフレームの大部分がシャープ
  • 接写でもF2.8~で大部分がシャープ
  • 像面湾曲は問題無し
  • 良く補正されている軸上色収差(ゼロではない)
  • 像高8~9割までF1.8から実用的なコマ収差補正
  • RAWでも僅かな樽型歪曲
  • 後ボケがまずまず柔らかく滑らか
  • 良好な逆光耐性

Cons

  • 50mm F1.8としては比較的大きく重い
  • プラスチック製フードにボタン式ロック機構が無い
  • 接写でフォーカスシフトあり
  • F1.8~F2.5で周辺減光が目立つ
  • 玉ボケが口径食の影響を受けやすい
  • 玉ボケは場合によって非球面レンズの影響が目立つ
  • 前ボケが期待していたよりも硬調

購入早見表

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