Mr.Ding Studio「Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II」のレビュー第三弾を公開。今回は4500万画素のZ 8に装着して恒例の近距離チャートテスト。数値だけで言えばパッとしませんが、大口径ながら隅まで安定感のある描写が得られます。
Noxlux DG 50mm F1.1 E58 IIのレビュー一覧
- Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レンズレビュー 完全版
- Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レビューVol.5 諸収差編
- Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レビューVol.4 ボケ編
- Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レビューVol.3 解像チャート編
- Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レビューVol.2 遠景解像 編
- Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II レビューVol.1 外観・操作 編
おことわり
今回は2ndFocusより無償貸与の「Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II」を使用してレビューしています。提供にあたりレビュー内容の指示や報酬の受け取りはありません。従来通りのレビューを心がけますが、無意識にバイアスがかかることは否定できません。そのあたりをご理解のうえで以下を読み進めてください。
Index
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:Z 8
- 交換レンズ:Mr.Ding Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
数値が測定できるようになるのはF2.0以降ですが、これは球面収差が強烈でコントラストが低いため。実写を確認してみると(下部参照)、低コントラストながらも全体的にまずまず良好な結果が得られていることが分かります。F2まで絞ると中央のコントラストが改善し、F2.8~F4で周辺や隅も良好。F8まで絞れば良像と言えるくらいまで向上します。
中央(「F4.0」はF2.8の間違い)
F1.1~F1.4は強い球面収差でコントラストが低め。しかし細部はシャープ。F2.0で大幅に改善し、F2.8でヌケの良い描写へと変化。以降に大きな変化はなく、最小絞りで回折の影響を若干受ける程度。
周辺(「F4.0」はF2.8の間違い)
中央よりも細部の解像性能が低めですが、大きく乱れてはいないように見えます。F2.8~F4.0で安定し、F8まで絞ると細部までシャープな結果。絞っても軸外収差の影響が僅かに残っていますが、パッと見は許容範囲内。
四隅(「F4.0」はF2.8の間違い)
周辺よりもさらにソフトな画質ですが、極端な低下ではありません。F5.6からF8まで絞ると安定します。F2.0-2.8で中途半端に絞るくらいなら、F1.1-F1.4で球面収差を残しておいたほうが見栄えが良いかもしれません。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F1.1 | |||
F1.4 | |||
F2.0 | 3644 | ||
F2.8 | 3894 | 2208 | |
F4.0 | 4665 | 3027 | 1820 |
F5.6 | 4665 | 3726 | 3341 |
F8.0 | 4400 | 4000 | 3467 |
F16 | 3928 | 3561 | 3359 |
実写確認
まとめ
現代的なレンズと比べることが出来るような光学性能ではありません。絞り開放付近は球面収差が強く残っており、コントラストが低くソフトな画質です。とは言え、ピントの芯は明瞭で、低コントラストながらシャープな中央画質が得られます。周辺や隅は解像性能が低下するものの、F1.4まで絞ると球面収差を残しつつも隅まで安定感のある描写。これをなんと表現するか迷うところですが、バランスが良く、上品な写りと言えるかもしれません。(数値的な)解像性能は決して高くありませんが、四隅まで描写の極端な乱れがなく、目障りと感じにくい。必要であれば、しっかりと絞って結像させることも出来ます。ちょうどいいレンズ。単に癖が強いだけの大口径レンズもありますが、このレンズは官能的と言っても過言ではない美しい描写のようです。解像チャートのレビューでこのようなコメントで締めくくるのも珍しいですが、数値だけで言い表せないものを備えているレンズ。
購入早見表
作例
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